身内ロックスター目指すWalkings。走らず、泥臭く、友達の輪を広げる狙いとは | Music DNA#21

音楽ライフを掘り下げるインタビュー企画『Music DNA』。21回目は、骨太な王道ロックサウンドを鳴らす、3ピースロックバンドWalkings。彼らはクラウドファンディングを使ったアメリカ遠征やドキュメンタリー映画制作、逮捕されてまでやり通した路上ライブなど、自身の音楽を世に拡げる為に果敢にチャレンジする稀有なバンドだ。そんなWalkingsに一連の活動についてや、現代でロックを追及する理由、音楽ルーツについて話を聞いてみた。 L→R 吉田隼人(Ba.)/高田風(Vo./Gt.)/​高梨貴志(Dr,)

音楽を届けるために、あらゆる手を尽くす姿勢

ーWalkingsは対外的に面白いアプローチを多くしていますが、まずクラウドファンディングについてお聞きしたいです。最初はアメリカでの〈SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)〉の時ですね?

高田:

そうだね。SXSWへの出演をかけたオーディションを受けたんだけど、優勝できなかったんだ。誰よりも良い音を出せば「こいつらは本物だ」と思ってもらえる自信があったから、ファイナルの前日にこっそり会場の新代田FEVERでゲネプロ(※本番同様のリハーサル)をしたんだよね。その甲斐あってかアメリカツアーに行けることになった。優勝は逃したけど。

実際に良い演奏ができたと思うし、とにかくお客さんを盛り上げられたライブだったから、関係者の人が気に入ってくれて特別に別の企画にオファーしてくれたんだ。

ただ、自費での参加になったから渡航費やビザ代を自分達で用意しないといけなくなって。3人だけでアメリカに行くとしても100万円以上必要だったんだよね。

ーなかなかポンと出せる額ではないですね。

高田:

それでスポンサーを探すために色んな会社に相談したけど、うまくいかなくて。なので、自分達でクラウドファンディングを使ってやってみようと。

吉田:

正直、初めはクラウドファンディングに抵抗があったのですが、いざやってみたら多くの人に支援してもらえて嬉しかったです。

支援してくれた方の名前まで見れるので、グッとくるものがありましたね。「Walkingsは3人だけじゃないんだな」って感じることができて。

ー資金を集めるにはかなりのエネルギーが必要だったと思うのですが、 なぜそのような行動を起こせたのでしょうか。

高田:

アメリカでの舞台に立つことがバンドにとっていい経験になると思ったからかな。

俺は過去に2回、1人でニューヨークに行ったことがあって、路上でギターを弾いて日銭を稼いだり、友達を作るために「anyone wants to session with me?」って書いた看板を立てて演奏したりしてて。だけどWalkingsをここに連れてきたらもっと大きい反応が得られるだろうと思ったんだよね。

日本に帰って、バンドの活動をして行く中でSXSW出演オーディションのポスターが貼られてるのを見て、「バンドでアメリカに行ける」って思ったんだよね。

ークラウドファンディングのリターンとしてドキュメンタリー映画を制作されていましたが、何かこだわった点はありますか?

高田:

支援者に払ってよかったと感じてほしかったから、リアルタイム・ドキュメンタリーとしてバンドのありのままの姿を見せることを意識したかな。

支援してくれる人自身がアメリカに行くわけでもないのに支援するのはハードルが高いし、会社ではなく個人がスポンサーになってるから、できる限り誠実でありたいと思ったんだよね。

俺、履いてた靴がボロボロだったんだけど、新しいの買うかどうか悩んだ。支援してもらってるのに買い物なんかしていいのかなって(笑)。

吉田:

結果的に色々な方から反応があったので、やってよかったと思っています。「Walkingsにまともな奴はいねえのか」と愛のあるコメントをもらったりもしました(笑)。

ー映画の予告編映像にもあった路上ライブで警察に逮捕されていたシーンが衝撃的だったのですが、なぜそこまでして路上でライブをしようと思ったのですか?

高梨:

活動費を稼ぎたかったのもありますが、路上なら不特定多数の「Walkingsの音楽を好きになってくれる人」に出会えると思ったんです。ライブハウスではどうしても限られた人にしか音楽を届けられないので。

実際に、路上で1時間くらいライブをするとCDやライブのチケットがたくさん売れるので、応援してくれる人が増えた実感がありましたね。

逮捕については、回を重ねるごとに集まってくる人が増えて、警察から目をつけられてしまったんです。注意されても演奏してたので(笑)。

ーWalkingsは他のバンドより音楽を広めることに対して強い意思が感じられますね。他に取り組んでいることがあれば教えてください。

高田:

5月20日のワンマンに合わせて下北沢周辺のお店で使えるクーポンを作ったことかな。

これはキングコング西野さんの「革命のファンファーレ」から着想を得たアイデアなんだけど、極端に言えば下北沢のお店の人やそこで遊ぶ人達全員と友達になろうって話で。

このクーポンがあればWalkingsのお客さんが下北の居酒屋で飲むだろうし、逆に飲むだけのつもりだった人がライブにくるかもしれない。そうやって人を巻き込んでいけたらいいなと思ったんだよね。そうやって地味だけど、身内をどんどん増やしたいと。

ー考え方が柔軟ですね。昔からそういったアイデアを取り入れる性格だったんですか?

高田:

いや、「ダサいことはやりたくねえ」っていうタイプだった(笑)。

俺は物事を逆説的に考えた方がゴールにすぐたどり着けると思ってて。例えば火事が起きても、みんなが逃げる方向とは逆に行った方が混んでないから助かる確率が高いって考えるんだよね。

だから、宣伝とか集客の話になるとみんな「SNSやったほうがいい」って言うんだけど、みんなが言うってことはやらない方がいいと思ったりして。

でも、活動が煮詰まった時期があって。ケースバイケースかもしれないなと思い立ってTwitterはやってみることにした。その矢先に<FUJI ROCK FESTIVAL>ROOKIE A GO-GOに出ることになったから、これでいいんだなと。そうやって試行錯誤しながらここまでやってきたかな。

次ページ:少しずつ友達を増やして「身内のロックスター」に。

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WRITER

スギタヨウヘイ

1990年生まれのライター。文章を書いたり、写真を撮ったりしています。

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碧遥南

パンク、ブラック、ロックが好きな大阪出身のエモグラファー。「愛が見える写真」、「音が聞こえる写真」を撮ります。もっと色んな写真を見たいなと思ったらWEBサイトも覗いてなー!お仕事のご相談もお気軽に!

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2012年結成。高田風(Vo./Gt.)吉田隼人(Ba.)​高梨貴志(Dr,)​による3ピースバンド。2018年5月、2nd Album「tomodachi」をウルトラ・ヴァイブからリリース。バンド史上最大規模、下北沢GARDENにてワンマンライブを開催。日本だけでなくタイ・台湾からもオファーを受けツアーを決行するなど海外でも積極的に活動中。
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