DJ、アーティスト、ライターが新譜のなかから20曲をセレクトしたプレイリストを不定期で更新する『Sharp Playlist』。第二回のセレクターはダンスミュージックと国内のアンダーグラウンド/オルタナティヴを軸に、現場/ネットを踊り飛び交う、ライターのyukinoise。
プレイリストには、PinkPantharessa以降の流れにある新世代ブレイクビーツ系の歌モノや、レゲトンの影響下にあるダンスミュージック、国内のレフトフィールドなエレクトロニック・ミュージックなど全20曲がセレクトされた。
1797071「ka 4 ko sen」
Shygirl「Coochie (a bedtime story)」
LE SSERAFIM「ANTIFRAGILE」
端くれの音楽ライターではありますが、DJなどの活動をしているわけでもないので、どちらかと言うとレーベル単位ではあまり掘らないタイプです。近年は活発に自主リリースするやメインストリームと交差するアーティストも多く、レーベル展開も行うコレクティブをチェックしているくらい。
その代表例として、COUCOU CHLOEやShygirlが主宰するイギリス・ロンドンの〈NUXXE〉はここ数年でかなり活動領域を広げています。UKのサウンドを基調に、オルタナティブなエレクトロニック/ダンスミュージックと絶妙にマッチしたエッジなボーカルワークを中心とした新感覚の作品を提示し続けているコレクティブ/レーベルです。
昨年リリースのLADY GAGAのカオスなリミックス盤『Dawn Of Chromatica』(2021) に参加したり、今年はShygirlが待望のファーストアルバム『Nymph』をリリースしたりとポップス的なメインストリームへのアプローチも重ねてつつあるようです。
20年代初頭のハイパーな潮流や新鋭アーティストの後押しをしたレーベルの例として、今は亡き偉大なプロデューサーのSOPHIEや、宇多田ヒカルへの楽曲提供など多方面でクリエイティブワークを見せるA .G.COOKなどが主宰の〈PC Music〉の名がよく挙げられるように、〈NUXXE〉はハイパーを通過しつつあるこれからの20年代以降を繋いでいくのではないでしょうか。
サブスクだとSpotifyとApple Musicの二刀流使いをしています。
プレイリストやレコメンド機能が優秀なSpotifyでは、聴き流している中でピンときたものがあれば速攻お気に入り&アーティストをフォロー。そうすれば毎週金曜に更新される新曲だけを集めたプレイリストに自分好みのものが勝手にわんさか集まってきます。
Apple Musicではフォロー機能を駆使し、センスを信頼している友人が最近何を聴いているかをこっそりチェックすることも。普段自分が聴くジャンルとは異なる作品を知れたり、周りが今何にハマっているか考えさせられたりと、各方面に漂うムードを嗅ぎ取るにはとっても便利な機能です。SNSでシェアされている楽曲も目についたらとりあえず一度は聴いてみてます。Tik Tokは思考停止してしまいがちなのであまりチェックしませんが、多くの流行を知らずとも消費的にならずにいられるので、自分に合った機能のお世話になる方が良質な出会いに恵まれるのかもしれません。
あとは、記事を読んだり現場に足を運んでムードの文脈を知ることも大事だし、自分は自分であることも大事。いろいろな文脈に触れ、おしりをふりふりしながら踊って考えたり言葉にしたり、音楽を通してコミュニケーションを取ることで自分がいまなんでこの曲にノレるんだろう?という問いをちゃんと持ち、その答えをまたさらに探るようdigをする。果てしなき音楽とコミュニティへのピュアなジャーナリズムの旅が、わたしなりのdigになっています。
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