それは懐古主義やノスタルジーの地平とは違う、鬱屈とした感情の発露として鳴らされる音楽だった。現役大学生のガレージロックバンドNo Busesは、足元のエフェクターボードを見つめ、ナンセンスなユーモアを仲間と共有しながら自分達のコスモを作りあげた。これまでシングルやepのみの発売でありながらインターネットの海に流れた音楽は世界へと広まった。彼らが抱く退屈さを突き破ろうと邁進する音楽のフィーリングに耳をすませば、何が浮かび上がるのだろう。今の20代が抱える諦念か、音楽に身を賭すことに託した願いか。
the future magazine
06/04