亡くなるまでの数年間、ガンとの闘病でライブで演奏することができなくなっていた坂本龍一が、NHKの509スタジオで最後のパフォーマンスを披露。坂本とピアノだけの編成で自作曲20曲を演奏している。YMO時代の楽曲「Tong Poo」の新しいアレンジでの演奏が収録されているほか、『ラストエンペラー』や『戦場のメリークリスマス』の映画音楽、彼の最後のアルバム『12』の楽曲まで、坂本のキャリア全体に及ぶとのこと。これまで坂本がピアノソロで演奏したことのない数多くの作品もフィーチャーされているという。
さらに、本作に関して生前に坂本が遺した声明では、「このプロジェクトは、私がまだ演奏できるうちに、将来に保存する価値のある方法でパフォーマンスを記録する方法として考えられました。 NHK放送センターの509スタジオを借りて収録しましたが、ここは日本で一番音響が良いと思う場所です」と説明。また、「このように自分のパフォーマンスをみなさんと共有できる最後のチャンスかもしれないと思い、少し緊張しながら撮影に臨みました。 1日に数曲ずつ、丁寧にレコーディングしていきました」と語っている。
坂本の息子でもあり、映画監督を務めた空音央は、撮影の準備に時間を割くために収録したい作品を事前に選ぶように坂本に伝えていたという。「すべての楽曲を家で演奏し、それをiPhoneで録音して、朝から夜までの時間の経過を表現するコンサートの全体構成を構築しました。 カメラの位置と照明を曲ごとに大幅に変えることができるように、すべてが細心の注意を払ってストーリーボードに描かれました」と坂本は声明の中で説明している。
なお、映画『Opus』のティザー映像の第一弾はWebサイト『Deadline』にて公開。坂本がBernardo Bertolucci(ベルナルド・ベルトルッチ)監督の恋愛ドラマ『シェルタリング・スカイ』のために作曲した楽曲を演奏する様子が捉えられている。
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