IFPI、ストリーミング詐欺対策の国際枠組み「SII」始動 27団体が参加

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文: DIGLE編集部 

IFPIは、ストリーミング詐欺への対策枠組み「Streaming Integrity Initiative(SII)」を始動。音楽ディストリビューション事業者ら27団体が、権利・顧客確認からAI関連リスクの審査、情報共有まで5項目の実践を掲げる。

国際レコード産業連盟IFPIは9月14日、ストリーミング詐欺に対処する新たな業界コミットメント「Streaming Integrity Initiative(SII)」の始動を発表した。SIIは、真正ではない再生から収益を生み出すためにデジタル音楽サービスを操作する行為への予防、検知、対応を目的とする。こうした行為はストリーミングサービスへの信頼を損ない、音楽経済を支えるアーティスト、ソングライター、レコード会社、音楽出版社などから収益を流出させるものだとIFPIは位置付けている。

Streaming Integrity Initiative logo
IFPI公式発表 引用

SIIにはIFPIに加え、Absolute Label Services、ADA、AWAL、CD Baby、CmdShft、Ditto Music、FUGA、GoDigital、HYBE、IDOL、IMPALA、InnerCat Music Group、Merlin、Redeye、Revelator、RouteNote、Secretly Distribution、SonoSuite、Sony Music Group、Symphonic、The Orchard、Too Lost、Universal Music Group、Virgin Music Group、Warner Music Group、WIN、Zebralutionが賛同した。デジタル音楽エコシステムへコンテンツを送り出す入口に位置する音楽ディストリビューション事業者が、不正なコンテンツのストリーミングプラットフォーム到達を防ぐ上で重要な役割を担うという認識に立つ。

賛同組織と公式サイト

組織名公式サイト
Absolute Label Serviceshttps://www.absolutelabelservices.com
ADAhttps://www.ada-music.com
AWALhttps://www.awal.com
CD Babyhttps://www.cdbaby.com
CmdShfthttps://www.cmdshft.com
Ditto Musichttps://www.dittomusic.com
FUGAhttps://fuga.com
GoDigitalhttps://godigitalmg.com
HYBEhttps://hybecorp.com
IDOLhttps://idol.io
IMPALAhttps://impalamusic.org
InnerCat Music Grouphttps://www.innercatmusic.com
Merlinhttps://merlinnetwork.org
Redeyehttps://www.redeyeworldwide.com
Revelatorhttps://www.revelator.com
RouteNotehttps://routenote.com
Secretly Distributionhttps://secretlydistribution.com
Symphonichttps://symphonic.com
SonoSuitehttps://sonosuite.com
Sony Music Grouphttps://www.sonymusic.com
The Orchardhttps://www.theorchard.com
Too Losthttps://toolost.com
Universal Music Grouphttps://www.universalmusic.com
Virgin Music Grouphttps://www.virginmusic.com
Warner Music Grouphttps://www.wmg.com
WINhttps://winformusic.org
Zebralutionhttps://zebralution.com/en

IFPIへの問い合わせ:press@ifpi.org

SIIが掲げる5つの基準実践

SIIは業界に共通する最低限の行動基準として、VERIFY、VET、ACT、SHARE、MEASUREの5項目を掲げる。狙いは予防の強化、検知精度の向上、執行措置の支援、そして業界横断の連携拡大にある。

  1. VERIFY:強固な権利確認とKYC(顧客確認)を通じ、配信前に権利の所有者と顧客の身元・正当性を確認する。
  2. VET:歌詞・メタデータの確認、音声コンテンツ認識技術、関連データベースとの照合などを使い、権利侵害、不正行為、AI生成コンテンツと付随リスクを審査する。声、氏名、肖像、類似性に関する権利侵害やアーティストプロフィール上の悪用の防止も対象とする。
  3. ACT:再生の異常を検知して事案を調査し、特定された不正を止め影響を軽減する。反復違反者は全プラットフォームから排除するペナルティ制度を想定し、適切な状況での即時排除も妨げない。
  4. SHARE:ストリーミングとソーシャルメディアを横断して侵害の可能性を確認し、データ保護に適合した情報共有を通じて、不正者が別サービスから再流入することを防ぐ。
  5. MEASURE:各対策の有効性を定期的に追跡し、自社データと共有情報に基づいて新たな不正の手法・行為者に対応するため更新を行う。

「End Streaming Fraud」キャンペーンを土台に

今回のイニシアチブは、IFPIと主要音楽会社が立ち上げた「End Streaming Fraud」キャンペーンを基盤とするもの。技術が進化し、AIを活用したツールがより広く利用可能になるなか、強固な不正防止・検知策と、音楽エコシステム全体における協調行動の重要性が増しているとIFPIは説明する。ディストリビューター、デジタルサービスプロバイダー、業界団体、その他の関係者にSIIへの賛同を呼びかけている。

IFPIのCEO、Victoria Oakleyは、ストリーミング詐欺がファンを誤導し、本来アーティストやソングライターに届くべき収入を奪うと指摘。「これは明白な盗みだ」と述べたうえで、最初に公にSIIを支持したディストリビューターのリーダーシップを歓迎し、アーティスト、ソングライター、ファンを守る直接的で実効的、かつ協調的な行動につながることへの期待を示した。

Merlinのコンテンツ・インテグリティ担当ディレクター、Sarah McNabbは、不正な活動に有効に取り組むには業界のすべての部分が一体となって動く必要があるとコメント。今回のコミットメントはMerlinが加盟者にすでに求めている内容と密接に一致し、多くの加盟者がこの発表に名を連ねていることを心強いとした。WINのCEO、Noemí Planasも、不正対策は世界のインディペンデント部門全体に共通する優先事項であり、不正に国境がない以上、対応にも国境があってはならないと述べている。

IMPALAのエグゼクティブ・チェア、Helen Smithは、同団体が年初に採択したDigital Music Planが市場成長の提言とともに、かつてない規模の業界連携を最優先事項として示していたことに言及。DSP、レーベル、ディストリビューターを含むチェーン全体で、インテグリティの確保や人間の創作性の促進に協力することが不可欠だとした。Absolute Label Servicesのマネージング・ディレクター、Simon Willsは、人工的なストリーミングへの対抗は後追いの「もぐらたたき」ではなく、先見的な技術と業界横断の協働を組み合わせる必要があると説明。同社の音楽OS「Anthology」に複数のシグナルを用いる不正検知を統合し、権利者が異常の可能性を早期に捉えられるようにしていると述べた。

SonoSuiteのCEO、Sebastián Mañanaは、ストリーミング詐欺は業界に金銭的な損失をもたらすだけでなく、実在するファンによる正当な再生に対して支払われるべきアーティストとソングライターの収益を奪うものだと強調。世界のディストリビューターとレーベルを支える技術インフラとして、独立系音楽エコシステムの一員である同社もSIIを支持し、不正対策はバリューチェーン全体の共同責任だとした。

IFPIは世界8,000社以上のレコード会社会員を代表するレコード産業の国際団体で、録音音楽の価値の促進、レコード製作者の権利擁護、録音音楽の商業的利用の拡大に取り組む。SIIの全文と賛同者リストは「End Streaming Fraud」のウェブサイトで公開されている。

INFORMATION

インフォメーション画像

Streaming Integrity Initiative(SII)

発表日:2026年9月14日(英国時間)
主導:IFPI
目的:ストリーミング詐欺の予防、検知、対応を通じ、アーティスト、ソングライター、ファンを守ること

5つの基準実践

1. VERIFY:強固な権利確認とKYC(顧客確認)による権利者・顧客の確認
2. VET:権利侵害、不正行為、AI関連リスクを見極めるコンテンツ審査
3. ACT:疑わしい不正の検知、調査、軽減。反復違反者への対応
4. SHARE:法的に許される範囲での情報共有による不正者の横断的な再流入防止
5. MEASURE:脅威の変化に応じた不正対策システムの継続的な評価・強化

参加組織

Absolute Label Services、ADA、AWAL、CD Baby、CmdShft、Ditto Music、FUGA、GoDigital、HYBE、IDOL、IMPALA、InnerCat Music Group、Merlin、Redeye、Revelator、RouteNote、Secretly Distribution、SonoSuite、Sony Music Group、Symphonic、The Orchard、Too Lost、Universal Music Group、Virgin Music Group、Warner Music Group、WIN、Zebralution

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