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文: Young Team Productions(協力: Akari Hiroshige) 写:GIMA(メイン画像) 編:riko ito
今年で15回目を迎える台湾インディ音楽の祭典『金音創作賞(Golden Indie Music Awards/GIMA)』は、創設以来さまざまなクリエイターを育成してきた。あらゆるスタイルや実験的な作品を受け入れ、音楽の持つ自由な力と幅広さを人々に考えさせるきっかけとなり、台湾のミュージシャンの多様性、独創性を象徴する重要な国際音楽賞でもある。近年、国際的な舞台で活躍する台湾のミュージシャンが増えているなか、今年の最終ノミネートが発表される前に、過去に金音創作賞で注目を集めたミュージシャン5組を紹介する。
アルバム『Soft Storm』と『Infinity Sunset』で『金音創作賞』のベストバンド賞に2度ノミネートされたSunset Rollercoaster(サンセット・ローラーコースター/落日飛車)は、近年の台湾を代表する人気バンドのひとつである。ワールドツアーを行うだけでなく、2023年には台湾のバンドとして初めて<Coachella Valley Music and Arts Festival>のステージを踏んだ。海外のミュージシャンとも積極的にコラボレーションをしており、タイのPhum Viphurit(プム・ヴィプリット)、フィリピンのMichael Seyer(マイケル・セイヤー)、韓国のO3ohn(オジョン)、日本のnever young beachなどと楽曲を共同制作している。最近では、韓国の人気バンドHYUKOH(ヒョゴ)との新たなコラボレーションプロジェクト「AAA」を始動させた。この企画は今年アジアで最も熱い貴重なコラボと言えるだろう。
アルバム『Beyond Mediocrity』で注目を集め、2020年金音創作賞でベストニュー・アーティストを受賞したソウルミュージックの歌姫9m88(ジョウエムバーバー)は、インディーズとメジャーの境界を軽々と越え、音楽の独自性を保ちながら商業的成功も収めたことで話題を呼んでいる。また、<SUMMER SONIC>や香港の<Clockenflap>、韓国の<DMZ Peace Train Music Festival>などの国際的な音楽フェスにも出演し、海外のファンを虜にしている。
常に可能性の限界に挑戦し続ける3人組・Elephant Gym(エレファント・ジム)は、2019年にアルバム『Underwater』でベストバンド賞を受賞し、ベストアルバム賞にもノミネートされた。 <SUMMER SONIC>、<FUJI ROCK FESTIVAL>、タイの<Maho Rasop Festival>など国際的なステージに出演し、一歩ずつ世界を開拓しながら2023年にアルバム『World』をリリース。その後、4大陸を巡る1年間のワールドツアーに乗り出した。心のまま自由に創作できる事の大切さを台湾の精神として伝えているバンドである。
No Party For Cao Dong(ノー・パーティ・フォー・ツァオ・ドン)は、台湾インディーズ音楽シーンで最も革新的で才能のあるバンドのひとつと言われている。1stアルバム『The Servile』は、『金音創作賞』と台湾のグラミー賞とも呼ばれる『金曲賞』の両方でベストバンド賞を受賞し、その他多くの賞にノミネートされた。鬱屈とした社会の現状を歌った曲は、若者たちの共感を呼んでいる。また、作品は幅広いファンに愛されているが、彼らは依然としてインディ精神のもとミステリアスな側面を失わずにいる。パワフルなパフォーマンスで<FUJI ROCK FESTIVAL>、イングランドの<Glastonbury Festival>、タイの<Maho Rasop Festival>、マレーシアの<Urbanscapes Festival>、韓国の<Asian Pop Festival>などにも招かれている。
FLESH JUICER(フレッシュ・ジューサー)のステージは「必見の大規模カルトライブ現場」と呼ばれ、エレクトロニックや伝統的な五音音階と伝統楽器のスオナなどの要素をヘヴィメタルに巧みに組み込んでいる。彼らは、アルバム『GOLDEN 太子 BRO』で2021年の金音創作賞のベストライブパフォーマンス賞、ベストバンド賞、ベストアルバム賞を受賞。<SUMMER SONIC>や<Loud Park>、<Clockenflap>、インドネシア最大のメタルフェス<Hammer Sonic>など多くの国際フェスに参加し、台湾の美しい文化を一度見たら忘れられない衝撃的な形で表現している。
ミュージシャンたちと同様にゼロから成長する『金音創作賞』は、台湾のローカルアーティスト向けのカテゴリーに加えて、台湾以外のアジアの国や地域の音楽クリエイターを対象とする「ベストアジアンクリエイティブアーティスト賞」を設けている。近年では新人アーティスト発掘の基準となり、オリジナル性の高い音楽を認める賞としても評価されている。Rich Brian(リッチ・ブライアン)、CHAI、新しい学校のリーダーズ、Rina Sawayamaなど、アジア出身のアーティストがこの賞にノミネートされたことをきっかけに、各国から応募するミュージシャンも増えている。
第15回『金音創作賞2024』は11月2日に台北流行音楽中心で開催予定。詳しくは公式サイトまで。
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DIGLE編集部
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