ラッパーTohjiが見てきた景色と、そこから生み出す新しい世界 | Newave Japan #41

Newave Japan

文: 久野麻衣  写:後藤倫人 

DIGLEオススメ若手アーティストのインタビュー企画『Newave Japan』。41回目は唯一無二の存在感でシーンの注目を集めるラッパー、Tohji。昨年EP『9.97』をリリースし、最近ではMall Boyzでの活動も話題の彼にこれまで育ってきた環境や音楽ルーツ、また自身が見据える新しい世界観について伺いました。

育った街はシムシティ

ーロンドン生まれ東京・横浜育ちとのことですが日本に来たのはいくつの時ですか?

幼稚園からですね。なんで言葉とか全部忘れちゃったんですけど。変なタイミングだったから元々その地域に住んでいた子よりも遅れて入園するし、小学校に入るときはまた引越しで知らない土地に行くことになるし、ロンドンで生まれたってことは最初にずれたきっかけみたいな感じですかね。

ー東京・横浜に来てからの生活はどうでしたか?

実家がニュータウンみたいな街だったので田舎よりむしろ何もなくて、中高生の時はほとんど東京にいて実家には寝に帰るだけでしたね。中途半端に色々揃っているけど、下町みたいな顔見知りもいないし、マジで『シムシティ(都市経営シミュレーションゲーム)』みたいな感じ。例えば寺山修司とか村上龍とかの小説には「地元がこうで、こういう街にいったらこういうことが起きて」って話が出て来るのに、俺が住んでる街はシムシティだから「つまんな、まじでなんもないな」って思ってたんです。でも、今となってはそれもそれでいいなって感じですね。

ーどうして「いいな」って思えるようになったんですか?

その感じもそれはそれで落ち着いてしまうみたいな。ある意味プライベートが守られる街でもあるから、一人でいたい時にはいいですね。誰も声かけてこないし放っておかれるから街全体がパーソナルな空気感があって楽っちゃ楽です。

ーヒップホップを聴き始めたのはいつ頃でしたか?

普通にラップが好きで昔からずっと聴いていたんですよね。Eminemとかは探さなくても勝手に耳に入ってくるじゃないですか。そういうのは昔から聴いてましたけど、自分で探して聴き始めたのは多分中学くらいからですね。

ー中学の頃は何を聴いてましたか?

普通にEminemとか50 Cent…あと日本のラップも聴いてました。中高一貫の学校だったんで縦の繋がり強くて、中1のときに高2の先輩とかと仲良くなるんですよ。だから高2の先輩が聴いてる音楽を聴くようになって、そこから妄走族とかキングギドラに出会ってこういうのあるんだって知りました。

ー音楽は先輩から教えてもらうことが多かったんですね。

音楽は先輩たちと溜まり場でみんなで聴いてたから、キングギドラ、THE BLUE HEARTSモーニング娘。とか、そういうのがずっとかかってましたね。

ー先輩たちの聴いてる曲がリアルタイムじゃない感じがしますね。

代々先輩から受け継がれてるMDがあったんです。1番上の代になったら曲選ぶ権利があって、そのMDに好きな曲を足せるっていう。そういうのが積もってできた謎のプレイリストになってるんで古い曲も入ってましたね。

ー自分でラップをやってみようってなったのはいつ頃でしたか?

仲良くしていた先輩たちと夜カラオケに行くと「ラップしろよ」って振られるから、それこそ妄走族とかキングギドラとかやってたら「俺、うまくね?」って気づいて(笑)。で、高校の時に友達と遊び感覚で既存のインスト曲にラップのっけて何曲か作ってました。でも、ちゃんと始めたのは19か20歳くらいです。

tohji

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久野麻衣

DIGLE MAGAZINE 副編集長

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