余白で語る、猿臂の音

Review
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回は猿臂をご紹介します。

静けさにドラマを宿らせて

2025年1月3日、1stシングル『Shade』の発表から本格的な活動をスタートした猿臂。初のリリースとなる当作品は、余白に情感が宿る1曲だ。

繊細な美しさを纏ったハイトーンボイスと、静かに紡がれるピアノを軸に、少しずつ重なり合っていく音にドラマを感じるこの楽曲。しみじみとした切なさを感じさせるメロディと儚くも優雅な詩は、より深くその世界を押し広げていく。なだらかな緩急はストーリー性を醸し出し、リスナーの心をぐっと引き込む。

ドラマティックな展開を隠し持ちながらも、じっくりと丁寧に情景を作り上げていくことに重きを置いた曲作りには、これが初リリース作品であるとは思えない奥行きのある魅力が感じられる。足し算よりも引き算によって演出される世界観にじっくりと浸りたくなる1曲だ。

猿臂

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