等身大のリリックに宿る、S9UALLの個性

Review
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はS9UALLをご紹介します。

細やかな幸せにも目を向けて

ビートメイクのみならず、ミックスやマスタリングまでこなす、茨城県土浦市出身のラッパー、S9UALL。9つ年上の兄の存在もあり、15歳の頃からスケートボードやクラブといったHIP HOPカルチャーに傾倒。Travis Scott(トラヴィス・スコット)やYoung Thug(ヤング・サグ)、ゆるふわギャングといったアーティストの影響を受けながら、人生経験を投影したリアルなリリックを世に放ち続けてきた。

2024年12月に配信が開始された「超いい感じ」は、諦めずに進んできた結果、“全てがいい感じ”になった現状を描いたナンバー。ゆったりしたトラックに乗せ、思わず口ずさみたくなるメロディックなフロウが展開されていく。

HIP HOPアーティストで“いい感じ”と聞くと、いわゆる“bling-bling”を想像するかもしれないが、S9UALLの場合は一味違う。トロフィーや可愛い子、歓声といったわかりやすいセンテンスを用いながらも、《今は出来るかな?贅沢》や《ママと姉ちゃんにもレディーファースト》など、日常にある些細な情景にも目を向けて愛しんでいるのだ。挫けずに生きていけば、自分なりの幸せにたどりつけるかもしれないと希望をくれる1曲である。

S9UALL

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