文: スギタヨウヘイ 写:Yuya Eto
ー初めに、チップチューンというジャンルについて教えてもらえますか?
シンプルに言ってしまうと、レトロなPCやゲーム機、代表的な物ですとファミコンやゲームボーイなどで使われているような音を組み合わせて作る音楽ですね。音楽ジャンルの1つで、ピコピコとした、「ピー」「ポー」っていう音を中心に組み合わせて曲を作るんです。
チップチューン界でメジャーなのは、YMCKさん。世界的に活躍している音楽ユニットで、ポップなサウンドにスウィング・ジャズやボサノバの要素を加えた作風が特徴なんです。楽曲だけでなく、ビジュアル面もかなり凝っていて、PVやジャケットには8bit調のドット絵が使われているんです。クオリティの高い世界観が魅力的ですね。
他には、ヒゲドライバーさん。メロディーがキャッチーなノリの良い楽曲を多くリリースしている方で、自身の楽曲制作以外にはリミックスや他アーティストへの楽曲提供など、幅広く活動されています。
ーつくねさんは、昔からチップチューンが好きだったんですか?
実は、チップチューンとは出会ったばかりで、新鮮な気持ちで色々な曲を掘っているところなんです。
フラット3rdという、チップチューン系バンドのサポートを頼まれたことがキッカケでハマり始めまして、それから色々な曲を聴くようになってから、徐々に自分でもチップチューンの曲を作るようになりましたね。
実は、チップチューンイベント「CHIP UNION FESTIVAL」に出演させていただいたことがあって、主催のYMCKさんや、共演したヒゲドライバーさんとはお付き合いがあるんです。YMCKさんにラジオで曲を紹介してもらえた時は嬉しかったですね。
ーお気に入りの曲はありますか?
YMCKさんの52 Futuresという曲が好きです。
ファミコンって、4種のピコピコ音の内たった3つの音しか一度に出せなくて。それとは別に精度の荒いサンプリング音が1つと、ノイズが1つ出せますが、それでも合計5つだけ。YMCKさんは、大半の曲でその制約を踏まえつつも分厚いサウンドに仕上げているところがかっこいいと思っています。
音楽偏差値の高い感じというか、マニアックな玄人感のあるアレンジも多いのですが、気難しさは一切感じません。曲調も聴きやすいポップスになっているところに魅力を感じますね。特に間奏の展開がドラマチックで、徐々にテンションが上がていく感じが気に入っています。
曲のタイトル「52 Futures」も大好きで、ファミコンが画面上で出せる色の数である52色が歌詞にも取り入れられているんです。
ー4つしか音が出せないのに、あんな豊かな音が出るんですね。
そうなんです。他に僕が凄いと思ってるチップチューンアーティストは、ロボットプリンスさん。海外の方で、ギターも弾けるんですけど、今は日本にいらしています。曲がおしゃれでメロディックなんです。僕が今まで聞いていたインストのチップチューンにはなかったタイプで、とても新鮮でした。
ギターらしいビブラートを再現していて、この表現をチップチューンでやるにはかなり手間がかかるんですよ。ちなみに、ロックマンが好きな方には猛烈にオススメです!
他にも沢山、聴きやすいオススメのチップチューンをプレイリストにしましたので、ぜひ聴いてみてほしいです。きっと気に入っていただけると思います!
ーチップチューン、奥が深いですね。つくねさんの今後について教えていただけますか?
ファミコンの音とスカパンクを融合させた WABISAVITA !(ワビサビータ!)というバンドを始めて、今はそちらに注力しています。凄く面白いので、早く皆さんに知って欲しいと思っています。
ゆくゆくは、チップチューンと聞いたときに最初に思い出してもらえるような存在になりたいですね。今は自分たちの作品だけでチップチューンをやっていますが、仕事として制作の依頼を受けたり、ほかのアーティストさんとコラボしたりできたらいいなと思っています。
今は、YouTubeを中心に動画に力を入れてまして。近日、アニソンや有名なゲーム音楽のカヴァーを公開し始めます。程なくして、ゲーム実況動画も沢山アップしていく予定です。
メインは音楽ですが、堅苦しく考えず色々な方向から、私達の活動はもちろん、チップチューンやゲームの面白さをお届けしていこうと思っています。まだ具体的な予定はありませんが、今後はライブもやっていきますよ!
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