Yunoaが音で照らし出す孤独

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はYunoaをご紹介します。

揺らぎを凛と音に変えて

2003年生まれ、20歳のシンガー・Yunoa。3月13日にリリースされたデビューシングル『sadless』は、私たちが抱える孤独を、妖しく、多角的に照らし出すミラーボールのような1曲だ。

Yunoaは、幼少期から両親の影響でソウルミュージックなどの洋楽に触れていたことをきっかけにシンガーを志すようになったという。そのルーツはもちろん当楽曲にも色濃く滲んでおり、ビート際立つ洗練されたサウンドには、デビュー作とは思えない堂々とした存在感が香る。シリアスなムードを描き出すアレンジも、この若きシンガーのミステリアスな魅力を引き出している。
サウンド面のこだわりだけでも聞き惚れてしまう1曲だが、やはり、Yunoaが紡ぐ歌声とリリックについても触れずにはいられない。一見クールに聞こえるその声には、どこか感情を押さえつけるような揺らぎが感じられる瞬間があり、繊細な魅力に囚われてしまいそうになる。そして、自身のリアルな体験をベースに組み立てた歌詞と、タイトルである『sadless』(sad=悲しみ、less=欠いている)という造語には、シンガーとして昇華したい複雑な感情が余すことなく込められている。

孤独を踊る、その寂しさと強さ。
割り切れない感情を歌い上げるシンガーとして、Yunoaの表現はこれからさらに深くなっていくのだろう。

Yunoa

SNSで記事をシェア

SNSフォローで
最新カルチャー情報をゲット!

閉じる