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Interview
17/11/25

固定観念に囚われない。DJ BUNNYが追求するオリジナリティ|Music DNA#010

それぞれの音楽ライフを掘り下げるインタビュー企画『Music DNA』。10回目はDJ BUNNYさんの登場です。18歳の時に都内で毎回動員数約 1000 人を集める " 禁酒禁煙ティーンパーティ "<Cloud9> を主催し、現在も数々のイベントを成功させている。彼の意外な音楽のルーツや、今後のDJの在り方についてお伺いしました。

感覚を頼りに手繰り寄せた今

ー自主開催のティーン限定イベントを過去にやっていたということなのですが、なぜ開催しようと思ったのですか?

<ULTRA JAPAN>などのクラブミュージック系の音楽フェスに20歳未満の人は入れない事も多くて、凄く悔しい思いをしていたのがきっかけです。音漏れを聴きに行くぐらい熱狂的な人もいたので、遊び場を作ればみんな来るのではないかな、と思って僕が18歳(高校3年生)の時に主催し、始めました。

ーということは、DJを初めて意識したのはもっと早いということですよね。

僕が高校2年生の時にAviciiの「Wake Me Up」を初めて聴いて、アコースティックな要素とエレクトロな要素が融合した音楽に凄く魅了されたんです。その時にはギターをやっていたのですが全部やめてPCミュージックを始めました。それからすぐにイベントでしたね。もともと企画に携わっていて、最終的に主催になった感じでした。

ーなるほど。PCミュージックよりも前にはギターもやっていたのですね。

そうですね。中学1年生からずっとやってました。きっかけは中学1年の時に母がBON JOVIの来日公演に連れていってくれた事でした。生演奏で起こるエネルギーを肌で感じた時にギターやりたいと思ったのがきっかけです。そこから色々な音楽を探していくうちにSimple Planみたいなキャッチーなパンクバンドにハマって、学校の先輩とバンドを組んでやってましたね。

ーでは音楽のバックグランドとしてあるのはロックやパンクなのですね。そこからEDMが好きになるのは意外ですね。

クラブミュージックを聴いている友達が周りに多くて、勧められて聴いているうちに好きになっていきました。その時はLMFAOとかBLACK EYED PEASDavid Guettaとかが流行りだした頃です。なので必然的に耳に入ってましたね。

ーDJになるまで相当な覚悟があったんじゃないかと思ったのですが、どうでしたか?

今思えば良かった事だったのですが、ちょうど中学3年の時ぐらいに人間関係が上手くいかずに不登校になってしまったんです。半年程ひたすらスタジオに籠ってバンド活動に没頭してギターばかり弾いていたんです。その頃から周りを気にすることもなくなってきて、自分がやりたい音楽をやろうって思う事ができたんです。その考えはDJになろうと思った時も変わらなくて。なので、そこまで覚悟はなかったですね。性格的に向こう見ずなところもあるんですけど(笑)

ー学生時代と今で音楽の聴き方とか実際にプレイする曲の探し方の違いはありますか?

学生時代はYouTubeで探して、気に入った曲をダウンロードしていました。今はSpotifyをよく使ってますね。知らなかった曲とか見つけやすかったりするので重宝しています。あとはSoundCloudを使ったりしてます。クラブに行った時にはShazamで曲を見つけたりしてますね。

ーそうやってピックアップした曲をミックスする時は、ロジックを組み立ててプレイするのか、フィーリングでプレイするのか、どちらですか?

フィーリングじゃないでしょうか。ジャンルによると思うんですけど、硬めのハウス系の音楽でやる時と、ヒップホップのような砕けたジャンルでプレイする時とでは、ミックスの仕方は全然違います。4つ打ちと言われるようなキック音がずっと鳴っているような音楽をやる時は、ロジックになると思うんです。でも僕はどちらかというと、ヒップホップライクなミックスをするシーンが多いので割とフィーリングですね。

ーそのフィーリングの感度を高めるために意識していることはありますか?

DJが見れるクラブにも勿論行きますがが、バンドなどの生演奏のライヴには凄く刺激を受けます。生演奏だと演奏する本人の味とか気持ちが大きく反映されると思っていて。なので、生で歌っていたり、生で楽器を弾いている方がエネルギーの感じ方も僕の場合、大きいんです。

オリジナリティの追求から見える野望

        
これはDJに限ったことでは無いと思いますが、数多くいるDJの中でオリジナリティを確立させるのはプレイ自体が上手いだけではできない事で。+αが無いと頭一つ抜けれないと思っています。

EDMブームのおかげでクラブが活性化していて、それはとても良いことだと思うのですが、その分ライト層のお客さんが増えてきている気がします。今までと比較して、お客さんが求めるプレイとDJがやりたいプレイの差を実感していますね。DJは色々な新しい事に取り組んでいきたいけど、やっぱりお客さんが求めているのは皆んなが知っている”いわゆるEDM”というもので、そこの葛藤はあります。

DJは”耳を育てる”ってよく言うんですけど、お客さんがのりやすい曲をプレイしつつ、自分がやりたいプレイも織り交ぜていく事で、徐々にお客さんに聴いてもらえるように工夫しています。

ー具体的にどう工夫されているのですか?

最近、海外のDJを見て僕が思うのは、生演奏に価値を置こうとしているんです。今までDJ一本でやって来てた人がプレイ中にピアノを弾いたり、ギターを弾いたり、歌い出したりする人が増えてきていて。僕の場合、生演奏に受ける刺激が大きいというのは先程も言いましたが、それをやる事によって、より特別感が増すんですよね。

なので今後、僕も取り入れて、DJとバンドの垣根を超えたプレイをしたいと思っています。よりライヴ感を出せるような工夫はどんどんしていきたいです。バンドだからこうじゃなくてはダメとか、DJはこうじゃなくてはダメとか、という固定観念はできるだけ持ちたくないです。

ー今楽曲制作もしていますが、今後作る楽曲にも取り入れたいという考えはありますか?

オリジナリティを出すために僕にとっては必要だと思っています。人がやった事がない面白いことはできるだけやってみたいという気持ちはあります。今は僕のDJに合わせて歌ってもらう為に、海外のシンガーを招く事を計画しています。ボーカリストがいるDJはなかなかいないので、作ったら面白いのではないかとは思っていますね。あとは普通の曲でいうサビの部分に当たるドロップをギターソロにしたら面白いのかなっていうのは頭の中にあります。そういう意味ではバンドとの関わりも持っていきたいと思いますね。同じ世代の人達と大きな物を作りたいという想いもとても強いです。

ー今後はどんな事をしていきたいですか?

今は音楽以外でも活動していきたいと思っていて、最近興味があるのはファッションですね。僕は前からずっとファッションに凝っていたたわけでは無いんですけど、自分が着たい服を作りたいって思ったのでネットブランドを作ったりしてます。

自分のやりたい事はやろうと思えばできると思っているので、今後もやりたい事がでできたらすぐに行動を起こしたいです。何が起こるか分からないのがまた面白いですよね。それこそ明日にはYouTuberになってるかもしれません(笑)

DJっていう肩書で活動はしていますけど、それに縛られることなく音楽に関しても、それ以外に関してもフレキシブルにやっていきたいです。

Photo by 神岡真拓

PLAYLIST

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ヨシヤアツキ
Writer: ヨシヤアツキ
情熱あまりがちです。
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韓国のソウル生まれ東京育ちというバックグランドを持つYonYon。DJ、プロモーター、トラックメーカー、シンガ