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Interview
17/12/19

今必要なのは、ライブ感。ninja beatsが唯一無二であり続けるために。|Music DNA#012

それぞれの音楽ライフを掘り下げるインタビュー企画『Music DNA』。12回目の今回はSHIN(ウクレレ)とYUYA(ヒューマンビートボックス)からなる音楽ユニット、ninja beats。ドイツで開催された世界最大級のライブコンテスト<エマージェンザ>で、6万を越える出場バンドの頂点に立ち、今年の5月には2nd EP『RINNÉ』をリリース。彼らの音楽のルーツやこれからについて伺いました。

きっかけはMichael Jacksonとジェイク・シマブクロ。

ーまずはじめに、ビートボックスとウクレレを始めたきっかけを教えてもらえますか?

YUYA:小学生の頃、両親の影響でMichael JacksonのDVDをよく観ていました。その時にムーンウォークを知ったのですが、人間とは思えないパフォーマンスに衝撃を受けて「周りがやっていないような、僕にしかできない特技を身につけたい」と思いました。それからテレビCMで見たビートボックスを思い出して「YouTube」にある動画のマネをはじめたことがきっかけですね。

ービートボックスのどんなこところに惹かれましたか?

マイク1本で音楽ができるというパフォーマンス性に惹かれました。楽器も設備も何もないところで音楽を鳴らせるということが、その人にしかできない唯一無二の表現だと思ったんです。同じスネアの音でも、人それぞれ個性が出てて音の抜け感や厚みが違うんですよ。

学生時代はボイスレコーダーに自分の声を録音して音源と比較するという地道な練習を繰り返していました。それだけでなく、例えば15分の演奏ならどういう構成でどういうジャンルの音楽をかけるか、どういうテクニックを使って盛り上げるかを紙に書いて整理して、自分のパフォーマンスを組み立てていましたね。(笑)

ー当時、憧れのビートボクサーはいましたか?

YUYA:国内の公式なビートボックスの大会で何度も優勝されている妖怪うらに洗いさんです。歌唱力が高くてピッチがずれないだけでなく、歌いながらベースやパーカッションの音も入れることで1人で曲を再現してしまうという実力者です。

“どんな環境にいても音楽を再現できる”ことに驚きがあって、妖怪うらに洗いさんのスタイルに憧れていましたね。

SHIN:僕は17歳までサイパン島で育ったのですが、ウクレレを弾く人が多い国なので自分も当たり前のようにウクレレを弾いていましたね。日本の学校の授業でリコーダーを習うのと同じようにサイパンではウクレレの授業があったので、徐々にハマっていきました。

カバーしようと一番頑張ったのはジェイク・シマブクロさんです。クラシックやジャズ、ロックなど色々なジャンルを飛び越えて活躍する彼によってウクレレのシーンがガラッと変わりましたね。12歳の時に初めてライブを観たのですが、モチベーション上がって猛烈に練習するようになりました。

ウクレレと聞くとハワイアンミュージックを連想しがちですが、彼が他のジャンルの曲を演奏したことでウクレレに対する固定概念が壊れていったと思っています。そんな革新的なスタイルが魅力ですね。

ただ、ジェイク・シマブクロさんの影響力が強すぎて、多くの方が彼のような演奏スタイルに変わっていきました。僕は14歳の時に日本最高峰のウクレレコンテストに出場したのですが、僕を含めたほとんどの出演者の演奏が彼に似ていました。

そこで、僕はあえて彼とは異なるスタイルの演奏を探し求めることにしました。みんなと同じではつまらない、他の人がやっていないことをやりたいという性格なんです。

邪道でもいい。唯一無二の存在でいたい。

ーYUYAさんもSHINさんも、他にはない自分だけのスタイルを追い求めているように感じます。

YUYA:僕はやはりMichael Jacksonのパフォーマンスに衝撃を受けたという原体験があるので、彼のような存在になりたいという思いがありますね。

ー思い入れのある曲はありますか?

「Remember The Time」が好きです。

「Billie Jean」のムーンウォーク、「Smooth Criminal」のゼロ・グラヴィティは有名ですが、「Remember The Time」においてもMVのコンセプトやダンスといった音楽以外の要素が組み合わさって成り立っているところが魅力だと思っています。Michael Jacksonのパフォーマンスは唯一無二ですね。

ーSHINさんはいかがでしょうか。

SHIN:僕は純粋にウクレレをどんな手を使ってでも広めたいという気持ちがあって(笑)、そのために自分独自のスタイルを確立させたいと思っています。

ーハワイアンミュージックのイメージがあるウクレレで別ジャンルの曲を作ることには何か意図があるのでしょうか。

ウクレレの良さを多く人に伝えるには、すでにイメージが定着したハワイアンミュージックよりも、普段ウクレレを聴かない人達に響く曲を作ったほうが価値があると思いました。今の若い人達はウクレレをあまり聴かないので、ダンスミュージックなどとかけ合わせることで聴いてもらいやすくなるのではないかと。

さらに、“ウクレレが弾けるようになると人生が豊かになる”と思っていて。ウクレレは安くて小さくて軽いので、誰でもできる楽器なんです。多くの人にウクレレの良さを知ってもらいたいですね。

ーどんな瞬間に「ウクレレを弾いていてよかった」と感じますか?

自分がウクレレを弾いて、人に「素敵な演奏だった」「癒された」と言ってもらえると相手をポジティブな気持ちにできたという実感があるので嬉しいですね、

また、僕はウクレレスクールを運営しているのですが、生徒が友達の誕生日パーティーでウクレレを披露したらみんなに喜んでもらえたという話を嬉しそうに僕に報告してくれて。自分の影響でウクレレを始めた人から色々な話を聞くと僕まで幸せな気持ちになりますね。

ウクレレというコミュニケーションツールを通してたくさんの人が幸せになれると本気で思っています。

ービートボックスはある意味「名人芸」という見方もできると思うのですが、ビートボクサーとして意識していることはありますか?

ビートボクサーには今までにない音を出すために技術を磨いてバトルに勝ちたいという人と、純粋に音楽がやりたいという人がいると思っているのですが、僕はどちらかといえば後者なのでやりたい音楽のためにビートボックスをやっています。もちろん、どちらが正しいという話ではありません。

そのため、僕はビートボックスでバトルするようなビートボクサーのコミュニティーには入っていません。今の僕のポジションはビートボクサーとして邪道かもしれませんが、自分のスタイルを真似されたくないですし、むしろ誇りに思っています。

唯一無二でいたいという思いが強いので、もし僕のスタイルが普及したら違うやり方で先に進もうとすると思います。

SHIN(ウクレレ)、YUYA(ヒューマンビートボックス)

求められているのは「ライブ感」。

ー今年の5月に2枚目のEPとなる『RINNÉ』をリリースされましたが、振り返ってみていかがですか?

SHIN:当時の僕は会社に所属しながら音楽をやっていて、YUYA君は今年の4月から社会人になりました。今年はninja beatsを結成してから3年目の年で、『渋谷WWW』で過去最大規模の自主企画のイベントを予定していたこともあり、生まれ変わることを意味する輪廻転生から『RINNÉ』という名前をつけましたが、すごく反響がよかったです。

機材が増えたことによる演奏スタイルの変化やVJとのコラボもあったので「進化した」という声が多かったですね。僕達は事務所に所属していないので、全て自分達でやらなければなりません。たとえばデザイン周りでロゴを作ってみたり、簡単なフライヤーを作ってみたり。10数名以上のスタッフも全て自分たちで協力者を募って、マニュアルを作ってライブの運営も行いました。楽曲制作や演奏以外でも成長したなと思います。

ー今後チャレンジしてみたいことはありますか?

YUYA:今の音楽の現場ではライブ感が求められていると思うので、ライブ会場にいる人しか体験できないようなパフォーマンスをしたいです。

最近はMadeonPorter Robinsonに注目していて、彼らは今までPCとコントローラーでライブをしていたのですが、今は生楽器を取り入れています。僕達もライブ感のある演奏スタイルにしていきたいですね。

ーなぜライブ感が必要だと思いますか?

YUYA:今はCDを買わなくても音源を聴くことができる時代なので、CDという“モノ”ではなく、その場でしか体験できないようなライブやイベントといった“コト”へのニーズが高まっているからです。

SHIN:実際にフェスの動員数は年々伸びているので、その通りだと思います。ただ彼は単にライブが好きで、普段は優しい温和な性格なのにライブになると飛んだり跳ねたりお客さんを煽ったりします(笑)。ステージから降りると人柄がガラッと変わるので、僕達のライブを観たお客さんに「思ったより優しいんですね」って言われることがよくありますね。

そういったギャップも含めて、ライブならではの魅力を発信できるようなアーティストでいたいなと思っています。

Live Information

ninja beats One Man Show “Kaguya”

開催日:12月23日(土)@青山 月見ル君想フ
開場:18:30 開始:19:00
前売:¥3,000 (+1D) 当日:¥3,500 (+1D)

インターネット予約希望の方はこちら(※PCのみ:12月21日24:00迄)

電話予約希望の方はこちら(※PCのみ)

Photo by yujiro tokushige

PLAYLIST

ご本人が作成したプレイリストや記事に関連したプレイリストを紹介

スギタヨウヘイ
Writer: スギタヨウヘイ
1990年生まれ。ブログ「fewmanveeing」を運営しています。なにごともミニマルに考えたい。
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