歩みを止めず走り続けるAivy。新体制初のアルバムで見せるAivyらしさと新しい景色|BIG UP! Stars #89

Interview

文: 田山雄士  写:遥南 碧  編:riko ito 

DIGLE MAGAZINEが音楽配信代行サービスをはじめ様々な形でアーティストをサポートしている『BIG UP!』を利用している注目アーティストをピックアップして紹介するインタビュー企画。第89回目はAivyが登場。

今年8月末にボーカリストの交代劇を迎えつつも、活動を止めずに走り続けてきた4人組ポップバンド・Aivyが、2ndアルバム『視覚的情報に於ける未完成の時計』を10月12日に配信リリースした。

リード曲の「イルカと彗星」を皮切りに、前半は「メイカハルカ」「大人になる二人へ」といった青春の雰囲気や疾走感に満ちた楽曲を中心に収録。後半に向かうにつれて、明るいブラスアレンジが施された「Venus Serenade」、厚みと清涼感のあるキーボードが際立つ「80s」など、大人っぽく多彩になっていく印象を受けるアルバムに仕上がった。

今回はリーダーで全曲の作詞・作曲を手がけるJohnkota(Gt)をはじめ、Aivyのメンバー全員にインタビューを実施。ニューアルバムの話はもちろんのこと、メンバーの音楽的なルーツやバンド結成の経緯、新体制に至るまでの激動の日々についてなど、幅広く話を聞いた。

Ganji Hashimoto(Dr)は取材の途中から参加

家族の影響も大きい、メンバーの音楽的なルーツ

ーAivyは8月末に新体制になったばかりだそうですね。今日はいろいろお話を聞かせてもらえると嬉しいです。

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Johnkota(Gt):

結構バタバタしてました。ちなみに、こうやってAivyでインタビューをしていただくのも初めてなんです。
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Ryota / Inacci(Ba):

うん。新鮮というか。
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Kamo(Vo):

とても不思議な感じがしますね(笑)。

ーまずは、みなさんが音楽に興味を持ち始めたきっかけやルーツとなるアーティストについて聞かせてください。

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Johnkota(Gt):

僕は小5の3月にギターを始めたのが入口で。きっかけとしては、お兄ちゃんがRADWIMPSとかが好きだったのを自分もかっこいいなと思うようになって、家のパソコンでYouTubeを漁ってRADを聴いたり、その流れで「弾いてみた」の動画を観たりする中で、ベースのスラップ奏法に衝撃を受けたんです。「なんだこれは!」と感動して、お父さんに「ベースやりたい」と言ったんですけど、「ベースは目立たないからギターにしなさい」と言われ……。
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Ryota / Inacci(Ba):

あははは(笑)。
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Johnkota(Gt):

ベーシストの前ですいません(笑)。そんな感じで、とりあえずギターから始めました。中学で吹奏楽部に入ったんですけど、ポップスをやれるチャンスが年に2〜3回あって、そこでベースやギターを弾けたのがすごく楽しかったんですよね。なので、高校では軽音楽部に入って、作詞・作曲も学んだ形です。

ー曲も作り始めるんですね。

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Johnkota(Gt):

大会に出るような部で、オリジナル曲を作らないといけなかったんです。先輩とバンドを組んでいたんですけど、「kota、曲作ってよ」といきなり頼まれちゃいまして。その先輩がめっちゃ髪が長くて指輪や金属ジャラジャラみたいな、超イカつい見た目の人だったから、喜んでもらうためにはイカつい音楽を作ればいいのかなと思って、当時はメタルの曲を作っていたんですよ(笑)。

Inasaka(Inacci)さんのルーツは?

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Ryota / Inacci(Ba):

保育園のときから親にエレクトーンをやらされていたんですけど、全然好きじゃなくて小学校の前半でやめました。でも、音楽自体はその後も好きで。中学では合唱部に入って、全校生徒の前でひとりで歌ったこともありますし。
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Johnkota(Gt):

合唱部だったんだ! じゃあ、コーラスもやってよ。
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Ryota / Inacci(Ba):

まあ、考えときます(笑)。で、中3のときに友達が「親父にギターをもらったから、お前んちで弾かせろ」と言い出したのが大きかったかな。姉がちょうど持っていたベースを譲り受けて、受験期はほぼ勉強せずにその子とずっと音楽をしていましたから。それこそ「弾いてみた」とかで知ったボーカロイドの曲やアニソンを練習したり。高校では軽音楽部に入ったものの、なぜかベーシストが多くてギターを弾くハメになって、kotaと似た感じでやりたいことができない時期もありました。ベースは人知れず陰で続ける、みたいな。

ーギターよりもベースのほうが肌に合っていたんですかね。

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Ryota / Inacci(Ba):

そうですね。弦楽器に触れたきっかけがベースだったし、弾き始めるとベースの音が自然と聴こえるようになるじゃないですか。そうなったら、もう低音にしか耳がいかなくなっちゃって(笑)。

ーあるあるだと思います。Kamoさんはどうですか?

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Kamo(Vo):

母親が歌うのが好きで、小学校の頃から家族でよくカラオケに行っていたんですよ。それで私も自然と歌に惹かれていった感じですね。あとは姉の影響で、ももいろクローバーZ私立恵比寿中学のようなスターダストプロモーションの女性アイドル全般が好きにもなりました。

ーみなさん、家族からの影響が大きいみたいで。

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Johnkota(Gt):

本当ですね。知らなかったな〜!
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Kamo(Vo):

3B junior(※2018年11月に活動休止した女性アイドルグループ)内のユニットに栗もえかっていうギターデュオがいて、そのうちのひとりで今は芸能界を引退された栗本柚希さんのことが、高3くらいのときに大好きだったんです。彼女が歌って踊るのはもちろん、すごく楽しそうにギターを弾くのが魅力的で、受験勉強の合間に元気をもらっていたりして。その後、大学に進むんですけど、世の中が突然コロナ禍になったじゃないですか。

ーはい。

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Kamo(Vo):

半年くらいかな。授業とかが全部遠隔になってずっと登校できない事態に陥ったことで、その状況を活かして「彼女がこんなに楽しそうに弾くなら、きっと楽しいんだろうし、ギターをやってみたいな!」と思ったんですよね。それで中古のギターを買って、自己満足で弾き語りをネットに投稿するようになりました。YOASOBIも好きで、ギターでカバーしたり、「歌ってみた」に挑戦したり。ギターは下手くそなんですけども(笑)。
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Johnkota(Gt):

ちゃんと弾けてますよ。僕はAivyでもやってほしいなと思っていて。
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Ryota / Inacci(Ba):

僕もやってほしいと思ってます。
次ページ:バンド結成の経緯、そして新体制に至るまで

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リアルで繊細な歌詞と、心に響くVoがグッとくるAivy(アイビー)。
メンバーはKamo(Vo)、Johnkota(Gt)、Inacci/Ryota(Ba)、Ganji Hashimoto(Dr)。2021年4月、1st Album『Now What』リリース。2021年10月に渋谷WWWでワンマンライブを実施。その後メンバーチェンジを経て、2022年8月末に現体制となる。
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