虎太朗×Shaky対談。福岡で生まれる新たな気運に迫る|BIG UP! Stars #29

BIG UP! Stars

文: 黒田 隆太朗 

DIGLE MAGAZINEが音楽配信代行サービスをはじめ様々な形でアーティストをサポートしている『BIG UP!』を利用している注目アーティストをピックアップして紹介するインタビュー企画。第29回目は虎太朗とShakyのドラマー・小川朝陽が登場。

Mega Shinnosukeyonawoなど、シーンを賑わせる音楽家を排出している福岡から、また異なる文脈で新しい気運が生まれようとしている。現役の高校生であるシンガーソングライター・虎太朗が立ち上げ、同世代のアーティストが集ったレーベル<Arias>。MADE IN HEPBURNのMO/NY氏が代表を務めるBOATに所属した経験を活かし、虎太朗自身で舵を取るコミュニティである。

今回は虎太朗と同じ学校に通い、同レーベルに所属するShakyのドラマー・小川朝陽を招き、Skypeを通しふたりに接触。創作意欲に溢れ、自由に音楽を楽しもうという純粋な動機で生まれたという<Arias>と、彼らの音楽観について話を伺った。個人ではなくチームとして音楽を楽しむ発想と、海外のシーンを視野に入れる感性など、次代のリアリティを感じられるインタビューとなった。

福岡から生まれる、10代による新たな気運

ー虎太朗さんは現役の高校生でありながら、<Arias>というレーベルをご自身でやられています。どういう動機から自分のコミュニティを作ろうと思いましたか。

インタビュイー画像

虎太朗:

モノを作るのが凄く好きで、ずっと何かを作り続けていたいと思っていたところ、周りにいい音楽を作っている人や、自分と近い音楽を作っている人がいたので。それをグッとまとめられないかなと思ったのが始まりでした。

ー今のレーベルを立ち上げる前は、MADE IN HEPBURNのMO/NY氏が代表を務めるBOATに所属していたようですね。

インタビュイー画像

虎太朗:

はい。MO/NYさん(MADE IN HEPBURN)がやっている<Teenage Peeps>というラジオ番組があって、その番組内で僕の「LADY」という新曲を仕上げようという企画が所属するきっかけでした。

ーそこでの刺激が、今の活動に繋がっている?

インタビュイー画像

虎太朗:

そうですね。そこでMO/NYさん達の活動を近くで見ていて、楽しそうだなと思う部分が大きかったです。自由にできる良さがあったし、みんなで作ったもののクオリティはやっぱり高くて。そうしたら、それができるメンバーが僕の周りにも沢山いることに気づいて、僕らの好きなものを集めて面白いことができたらいいなと思って<Arias>を始めました。

ー自分達でシーンを作りたいという気持ちはありましたか?

インタビュイー画像

虎太朗:

いや、音楽シーンを作りたいという気持ちではなく、僕らが今できることを残したいという気持ちのほうが強かったです。なので、まずは楽しくやりたいというのが第一前提。そこで音楽性が似ている人達が集まったらもっと面白いものができるだろうなという気持ちと、集まって動いたら強いだろうなっていう考えがありました。楽器が上手な人、歌が上手な人、歌詞を作るのが上手な人、そういうそれぞれいろんな得意分野を持っている人が集まることで、それぞれの長所がグッて合わさって今の形になったんですよね。
虎太郎アーティスト写真

ーなるほど。

インタビュイー画像

虎太朗:

この先それぞれが独立して旅立っていくはずだけど、それはまだもうちょっと先でいいんじゃないかなって思っていて。今はこの場所で楽しいことがどんどんできるんじゃないかって思ってます。

ーアーティスト同士、創作の段階で何か共有することはありますか?

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虎太朗:

朝陽が作った新しい曲にいいねって言えることも楽しいし、逆に僕が作った曲の感想をもらえるのも嬉しくて。アドバイスをもらうこともあったり、お互いの意見をすぐに交換できるのはポジティブな部分かなと思います。客観的に見てくれる人が身近にいるのは凄くいいところですね。

ー以前はそういった連帯やコミュニティはライブハウスの中から生まれていくことも多かったと思いますが、おふたりはそういった場所とは離れて活動していますか?

インタビュイー画像

虎太朗:

ああ、そうですね。あんまりライブハウスではライブをしていないです。
インタビュイー画像

朝陽:

僕も当初は色々なライブハウスでやってましたけど、最近は少なくなりましたね。
Shakyアーティスト写真

ー理由は?

インタビュイー画像

虎太朗:

インスタ映えするような場所だったり、僕らと同世代の人が簡単に行きやすい場所で音楽をやることを心がけてはいます。たとえば10月にイベントをやった時にはカフェで企画したり、野外のライブに参加していますね。サブスクを通して手軽に聴ける時代だからこそ、ライブで(アーティストが)遠い存在になるのはどうかなって思うので。今はライブをする場所も意識して活動しています。
次ページ:洗練されたソングライティングのルーツ

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