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文: DIGLE編集部
昨年の<SXSW Online 2021>で好評を博した台湾ミュージシャンによる「Taiwan Beats Showcase」に今年は計6組が参加して多くのアーティストが紹介された。大象體操(Elephant Gym)、拍謝少年(Sorry Youth)、曹雅雯(Olivia Tsao)、夢東(Mong Tong)、眠腦(Sleeping Brain)そしてDJ QuestionMarkを含めるショーケースのフル映像が公式YouTubeチャンネルで公開された。
まず、台湾の近代史において重要な位置にあり、国家遺産でもある「霧峰林家宮保第園区」で、オルタナティブロックバンド拍謝少年(Sorry Youth)が最新アルバムに収録されている「出巡」、「你愛咱的無仝款」の2曲のパフォーマンスでTaiwan Beats Showcaseのオープニングを飾った。バンドが先日公開したメイキング映像では「今回のパフォーマンスは素晴らしかった、まるで映画『グリーン・デスティニー』の撮影現場でアン・リー監督のために演奏しているような感覚だった」と述べた。
続いて暗闇の中にサイバーパンクな雰囲気が漂う電飾で飾られたステージ付きのトラックで出演してきたのが、かつてDJ大会DMCで台湾チャンピオンに輝いたDJ QuestionMarkだ。ネオンと艶やかな色で派手に飾ったトレーラーが改装され作られた移動式舞台車、台湾の独自の文化である「電子花車」を、SXSW音楽監督ジェームズ・マイナー氏も絶賛した。
そして中華圏のグラミー賞とも呼ばれる金曲獎にて台湾語部門を受賞した歌姫曹雅雯(Olivia Tsao)は故郷の台南市にある全美戲院で公演を行った。現在もなお手描きの映画看板を使用している全美戲院は、音楽フェス<LUCfest 貴人散步音樂節>会場の一つにもなっている。
ライブ会場に注目が集まる今年のTaiwan Beats Showcaseはドローンを使い観客の視点を現代に移し、後半に突入。
「A nambra」と「Minyo Pop」の2曲を披露したサイケデリックユニット夢東(Mong Tong)は、これまでその存在が非公開となっていたPawnshopというアンダーグラウンド・エレクトロニックシーンを牽引していく会場でパフォーマンスした初めてのアーティストとなった。
オルタナティブエレクトロニックロックバンド眠腦(Sleeping Brain)は、異国情緒を感じる条通商圏エリアにある複合型イベント会場「濕地|venue」でVJ Ludol777と共に特別に作られたライティング・インスタレーションを伴いながらパフォーマンスを行なった。
最後に、今年のTaiwan Beats Showcaseでトリを務めたのが5月にニューアルバム『夢境 Dreams』の発売を予定し、先日フジロックへの出演が発表された大象體操(Elephant Gym)。故郷の高雄で開催される台湾最大の野外音楽フェス<Megaport Festival(メガポート・フェスティバル 大港開唱)>と同じ会場から出演した。なんと撮影の日付を勘違いしていたメンバーは、当日ヘアメイク担当者がスタジオに到着してドアベルを鳴らすまで、その日が撮影だとは全く気づいていなかった。そこで急遽ゲストベーシストの海狗を呼び、台北から新幹線で駆けつけてもらうことで何とかライブ撮影に間に合うというスリリングなエピソードが生まれた。
台湾のローカル文化を象徴する重要な施設の数々を音楽と映像で紹介するTaiwan Beats Showcaseは世界最大級の複合フェスティバル<SXSW>に参加することで、正式配信前にも関わらずすでにNMEやBandwagon等の海外音楽メディアに注目公演として取り上げられている。
ライブ映像配信のみならず、ライブ音源はデジタルアルバムとしてSoundCloudで期間限定で聴くことができる。全てのパフォーマンスを含む映像はYouTubeチャンネルで現在公開中。詳しくはTaiwan Beats Showcaseの特設サイトを見て欲しい。
情報提供: Young Team Productions
協力: Akari Hiroshige
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