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音楽、アート、そしてメディアアート分野で類い稀なる業績を残した坂本龍一を讃える展覧会<坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア>が、12月16日(土)〜 2024年3月10日(日)まで、NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)で開催されることが決定した。
この展覧会では、ライゾマティクスの真鍋大度を共同キュレーターとして迎え、坂本の残した演奏データをもとにした作品や、Strangeloop Studios、高谷史郎、ダムタイプ、カールステン・ニコライ、404.zero、カイル・マクドナルド、毛利悠子、ライゾマティクス、李禹煥など、国内外のアーティストによる坂本と関連する作品の展示のほか、これまでのICCでの展示などの記録によって構成し、メディア・アート分野においてもはかりしれない功績を残した坂本の追悼の意を込め、未来に向けた坂本龍一像を提示することを試みる。
また、会期中、キュレーター、出品作家およびゲストによるトークやシンポジウム、上映プログラム、コンサートなども開催される予定だ。坂本龍一の芸術的な遺産を讃えるだけでなく、彼の創造性と革新性を未来へと継承する貴重な展示へ、ぜひ足を運んでほしい。
畠中実(ICC主任学芸員)
坂本龍一さんは,音楽とテクノロジーとのかかわりにとても意識的な音楽家だったと思います.それは,つねに同時代的であった,あろうとしていた,ということでもあり,かつ,テクノロジーを使った音楽表現の可能性の探求が,その反面で孕んでしまう問題にも意識的であったということでしょう.坂本さんが自身の音楽表現の方法として,インスタレーションという手段を用いるようになって,私たちはあらためて坂本さんの伝えたかったことをよく知ることができました.それは音楽をすることに自由になっていく坂本さんの姿を反映するものでもあったのだと思います.音楽の歴史の中に,あらたな音楽の歴史を聴きなおすように,物音の中にも音楽を聴き取るように,世界と対峙した坂本さんの芸術家としての姿は,多くのアーティストにインスピレーションを与えました.そんな坂本さんの本質のようなものが,坂本さんのアート作品の中にあったということを展覧会で表現したいと思います.
真鍋大度(ライゾマティクス)
坂本龍一氏の生涯にわたる創造的探求は,アーティストやミュージシャンにとって尽きることのないインスピレーションの源です.彼はシンセサイザー,インターネット,リアルタイムCGなど,時代の最先端技術を駆使し,実験的なプロジェクトを展開しました.これらの功績は,後世にも語り継がれることでしょう.2019年より,私は龍一氏の演奏を特殊な撮影装置でアーカイヴするプロジェクトを行なっていました.システム開発とアート・ディレクションを担当し,この過程で彼との対話を重ねました.特に印象深かったのは,龍一氏が単にアーカイヴされた内容に留まらず,それらのデータを基にしたAIの開発に関心を持っていたことです.自身の創作データを用いて新たな試みに挑む好奇心の旺盛さは,彼の創造力が絶えず新たな境地を求め,進化し続けていることの明確な証拠と言えます.
この展覧会では,遺された価値あるデータを活用し,彼の芸術的志向を未来へと受け継ぐ作品を創出することで,敬愛する「坂本龍一」へのトリビュートを表現します.
EVENT INFORMATION
<坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア>
2023年12月16日(土)—2024年3月10日(日)
会場:
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーA
東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階開館時間:
午前11時—午後6時(入館は閉館の30分前まで)入場料:
一般 800円(700円)、大学生 600円(500円)休館日:
毎週月曜日、年末年始(12/28–1/4)、ビル保守点検日(2/11)
月曜日が祝日もしくは振替休日の場合、翌日休館共同キュレーション:
畠中実(ICC)、真鍋大度(ライゾマティクス)出品作家(五十音順):
坂本龍一、Strangeloop Studios、高谷史郎、ダムタイプ、カールステン・ニコライ、404.zero、カイル・マクドナルド、真鍋大度、毛利悠子、ライゾマティクス、李禹煥 ほか主催:
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC](東日本電信電話株式会社)
株式会社アブストラクトエンジン協力:株式会社キャブ、KAB America Inc.、有限会社ダムタイプオフィス、commmons
企画協力:ライゾマティクス
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