文: DIGLE編集部 編:Kou Ishimaru
Googleが、最新AIツール群を活用してMVを制作するプロジェクト「Music Video with Gemini」の全制作過程を収めたドキュメンタリー映像を、Google公式YouTubeチャンネルにて公開した。TOWA TEI、藤井隆、STUTS on the WAVE、パソコン音楽クラブ、muque、LAUSBUBの6組のアーティストとともに制作した計15本のMVはすでに公開されており、今回のドキュメンタリーではその制作現場のリアルな姿が明かされている。
本プロジェクトの出発点は、効率化やコスト削減ではない。「予算やスケジュールの制約で実現できなかった映像を、AIという新しい画材で実現できるのではないか」という問いから始まっており、各監督がAIをどう制作に組み込んだかという手法そのものが、作品ごとに大きく異なる。以下に紹介する。
実写の計画性をあえて捨て、AIの予測不能な出力と正面から向き合う手法が採られた。400カット以上の素材から8分間のカオティックなMVが生まれている。
コップ2つが写った1枚の写真を起点に、"AIしりとり"と呼ぶ手法で映像を数珠つなぎに生成。380以上のレイヤーを手作業で調整した、人力とAIが極限まで混在した作品だ。
ダンス経験のないバンドメンバーをAIのフレーム補間技術で超人的なダンサーへと変貌させた。実写1割・AI生成9割という構成で、実写とAIの役割分担を明確に設計した点が特徴的だ。
アーティストのスマートフォンに残る私的な写真を素材に、AIで記憶の空白を補完するアプローチを採った。実写とAI生成の境界が意図的に曖昧にされており、記憶の中にいるような感覚を映像として成立させている。
2013年リリースの楽曲を「新しいテクノロジーが生まれた時に映像化する」というTOWA TEI自身の構想のもと、10年越しにMV化したもの。数か月にわたり毎日Geminiと対話しながら制作が進められた。
2017年リリースのアルバム全10曲に対し、各15秒の"架空のCM"を起点として3名の若手監督がAIでフルレングスのMVへと拡張した。8年の時を経た楽曲群に、AIを介して新たな映像が与えられた形だ。
使用されたツールはGemini、映像生成AIのVeo 3、映像編集ツールのFlow、画像生成AIのNano BananaやWhiskなど複数にわたる。ドキュメンタリー映像では、各監督がプロンプトをどう工夫し、AIの予測不能な出力とどう対話したかが具体的に収められており、制作手法を自らの現場に応用したいクリエイターにとって参照価値の高い内容となっている。
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