文: DIGLE編集部
中島涼之介が、四季をテーマにしたEPシリーズ第3作『LAVENDER【秋】』を9月23日にデジタルリリースした。

福岡出身の中島は、高校時代に結成したスリーピースバンド「シナプス」で活動しつつ、2021年から宅録SSWとしてソロ・プロジェクトを本格始動。『LAVENDER【秋】』は、春・夏・秋・冬を題材に各7曲を収録する全4作のEPシリーズにおいて、『LAVENDER【春】』『LAVENDER【夏】』に続く第3作となる。
本作は、音数を抑えた余白のあるサウンドで、秋の軽やかさや可憐さ、その奥にあるもの寂しさを描いた全7曲を収録。リードトラック「心なんてないのにどうして」では、冷ややかに自身を見つめるような心情と可愛らしさのあるサウンドが重なるという。シリーズの冬編へとつながる、内省的な一作をチェックしてほしい。
秋を描くといっても、「現代日本、とりわけ福岡の秋」、そして「私自身の秋」という限定は必要でしょう。
前者は、私が知る秋もまた、時代や土地に規定された、ひとつの秋にすぎないという認識によるものです。後者は、自我が形づくられ、生活が学期という周期に区切られるようになった小学生以降の感覚に根ざしながらも、そもそもこの秋観、秋に触れたとき心に生じるクオリアは、誰とも厳密には共有できず、私だけのものである可能性を指しています。
秋の複雑な美しさと、そこに生じる心理を、7つの楽曲に収めました。個人的な情動を、普遍的な秋の情緒へと昇華させる試みです。清々しい春、高揚する夏を経てたどり着く、深い内省の世界です。
今回はとりわけ、瀟洒で洗練された、落ち着いた美しさを追求しました。音を積み重ねたくなる衝動に耐え、感情を投影し続けられる余白を楽曲に残しました。
全体を貫くのは、軽快で甘い手触りの奥に拭いきれず残る、もの寂しさと哀愁です。その心理を研究してゆくうちに、侘び寂びや禅に通じる美意識へと近接していきました。これは、今回の制作で得たひとつの発見でした。
最終作『LAVENDER【冬】』では、冷たい空気のなかでほとばしる熱い愛の美学を描きたいと考えています。本作のシックな佇まいは、その「冬」への序章に他なりません。
終わりへの焦燥感がありながら、どこか満ちていく感覚もあります。この矛盾した秋の心理を、深く味わっていただければ幸いです。
谷崎潤一郎に倣うなら、これもまた、私なりの『陰翳礼讃』なのかもしれません。
RELEASE INFORMATION
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EP『LAVENDER【秋】』
2026年9月23日(水)配信リリース
Artist:中島涼之介
Label:〈ちゅちカンパニー福岡本社〉
全7曲収録外部リンク
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