文: DIGLE編集部 編:Kou Ishimaru
中学生マルチプレイヤーHARUがプロデュースする音楽プロジェクト・the BL00M。新曲「零時ちょっと過ぎ(feat.cocomi & Machi)」では、これまでにも度々客演に迎えている16歳のシンガー・ソングライターcocomiと、いとの森の音楽室から15歳のベーシストMachiも参加している。優しげなベースとカッティングギター、アトモスフェリックなウワモノによる、R&Bのマナーを踏襲したイントロで幕を開ける本作。都会のネオンライトや郊外のトラフィックライトを思わすメロウな演奏をバックに、cocomiが日々の小さな幸せや、これからも続いていく日々について歌う。《朝のトーストと干したてのタオルの混じった匂い》という、暮らしが滲んだ一節に親近感を覚えた。
岐阜県恵那市拠点のプロデューサー/ラッパー、you。9月30日にリリースした「Undercover」は、裏原宿発のファッションブランド『UNDERCOVER』が掲げる、「反骨精神とカオスの調和」から着想を得ている。バウンス感のあるビートと、シンセのアタック音によるボディソニックが心地良く、クラブ音響で聴きたいエモ・ラップ楽曲。季節や天気を、人間の身体や感情に重ねた《汗涙が混ざる雨粒》《6月の雨が ほどく記憶と身体》といったフレーズがエモーショナルだ。《遠くまで走れる気がする》という高揚と、《気づいたら朝 おかしくなってく 俺の頭 毎日変わる気持ちLike a weather》という揺らぎ。その相反する感情の同居に共感した。
大阪府拠点、2016年より活動するR&B / Soulシンガー、HWARYEON。10月16日にリリースしたばかりの新曲「Talking Shit」は、他愛もない会話をテーマにした一曲。スロウなリズム隊、メロウでリバーヴィなアルペジオギターによるオケをバックに、ナチュラルで芯のある声で歌う。シンプルな演奏のループだが、細やかなニュアンスの変化や、パッドシンセやウィンドチャイムなどの装飾音の追加で高揚感を煽っていく。歌詞では、《君とTalking shit 雲の隙間 朝の光を君と溶かしてく》をはじめ、意味のない会話によって満たされていく様を、叙情的に描く。余裕のある大らかな演奏と相まって、聴き心地がリッチだ。
西尾瞭(Vo. / Gt.)、森内慎之助(Gt.)、佐藤拓夢(Gt.)、冨樫忠彦(Ba.)による東京拠点の4人組ロックバンド、AIITO。2019年にロッキング・オン主催<RO JACK>入賞後に活動休止し、2025年より活動を再開している。10月21日にリリースされたばかりの最新曲「風船(feat.穂ノ佳)」は、Galileo Galilei「青い栞」などを彷彿とさせる、クリーンギター2本の絡みと男女ツインボーカルが清涼感を生むポップ・ロックチューン。《失ってなかったんだ僕らはまだ その先にある答えを》といったフックの歌詞は、まるで自らのバンド活動を歌っているようだ。ラストのギターソロや、後半にかけて充満していく歪んだギターのバッキング。そのアンサンブルを、アートワークに描かれた空へ飛んでいく風船と重ねて聴いた。
2018年に高校の軽音楽部で結成され、2021年より本格的に活動しているザ・シャンハイガニズ。メンバーの変更や休止期間を経て、2025年に活動を再開している。10月17日にリリースされた新曲「予感」は、アコースティックギターをかき鳴らしたバッキングと、単音のクリーン・リードギター、ギターに呼応する金物多めのドラムとそれに寄り添うベースによるアンサンブルに、オートチューンをかけたボーカルが乗る一曲。《君と僕が愛した未来》《超えろよそこに私はいない》の脚韻、《ばらばらの連絡が》《はらわたが痛いな》の頭韻と、両方を織り交ぜた語呂遊びが印象的。力強さと脱力感を共存させた演奏が、純朴で心地良い。
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