GeGeGe選曲プレイリスト『パワーって何?』|プレイリスト連載3/4

Rensai

文: GeGeGe  編:Kou Ishimaru 

毎回セレクターが選んだ楽曲をコメントと共に紹介する、毎週更新のプレイリスト連載企画。GeGeGeが「本アルバムをライブで表現する際にイメージしている楽曲」をテーマに選曲したプレイリスト『パワーって何?』を4週に渡ってお届け。今週はスピッツなどの楽曲についてのコメントを掲載。

ミズノリョウト(Gt. / Vo.)率いるインディー音楽プロジェクトGeGeGeが、2024年12月4日(水)にリリースした5年ぶりの最新アルバム『また会おう』。本アルバムをライブで表現する際にイメージしているという楽曲を4週にわたって掲載します。

GeGeGeが制作したプレイリストのタイトルは『パワーって何?』。今週はフクダタクロウ(Dr.)が、スピッツはっぴいえんどTame Impala(テーム・インパラ)、Sigur Rós(シガー・ロス)の楽曲をセレクトし、コメント付きで紹介しています。アルバムの制作時には「パワフルさを意識した」と語るGeGeGe。2025年1月から行われるツアーのステージで実際にどんな演奏になるのかは、気になるポイントです。(編集部)

Profile

GeGeGe(ゲゲゲ)

2017年頃からミズノリョウトによるソロプロジェクトとして始動。2018年より友人をメンバーに迎え、東京を中心にライブ活動をスタート。現在のメンバーはミズノリョウト(Gt. / Vo.)、フクダタクロウ(Dr.)、オダモリト(Gt.)、マエノリンカイ(Ba.)。

2017年2月に初のEP『もやもや』を〈Dead Funny Records〉からリリースし、同年12月にGalileo Galileiのプライベートスタジオ(わんわんスタジオ)にて一部制作された1stフルアルバム『SF』をフィジカルとして初めてリリース。USインディを彷彿させるローファイミュージックに、浮遊感のある日本語詞が絡み合う作品を展開し、無名ながらも注目を浴びる。2020年には、株式会社ユートニックとウェブ音楽メディア『OTOKAKE』が共同主催するコンテスト<PPCONTEST>にて総合グランプリを受賞。一時活動が鈍化していたが、2023年にミズノが拠点を東京に移し、再び活動を精力的に行なっている。

GeGeGe選曲プレイリスト『パワーって何?』

スピッツ「放浪カモメはどこまでも」

インタビュイー画像

フクダタクロウのセレクトポイント:

スピッツはロックを意識して音楽を聴き始めた高校生の頃よく聴いていました。
モーラー奏法を操る﨑山龍男さんのドラムは本当にパワフルかつソリッドで、日本語ロックバンドの中でも一番くらいに上手いと思っています。
スピッツの良さはソングライティングは勿論、個人的にはアレンジにも良さがあり、中でもドラムがかなり重要な役割を果たしていると思っています。
プレイスタイルは全く違うのでフレーズはあまり参考にはなりませんが、僕のドラムは結構ノリが後ろに寄りがちなので、崎山さんのつんのめるような前ノリの、どんどんドライブしていくようなグルーヴはライブで特に意識したいと思ってます。

はっぴいえんど「抱きしめたい

インタビュイー画像

フクダタクロウのセレクトポイント:

2曲目はかの有名な作詞家、松本隆さんがかつてドラムを叩いていたバンド、はっぴいえんどの曲です。
正直はっぴいえんども松本隆さんもそこまで詳しくないのですが、「あの松本隆がこんなフリーキーなドラムを!?」と聴くたび驚きます。
本人曰くRingo Starr(リンゴ・スター)が好きらしいのですが、この時代のいなたい音と、よろめくように音の間を演奏しているかのような長めのフィルインは、確かなタイム感とニュアンス、そしてセンスがなければ鳴らせない音なので本当に憧れます。

Tame Impala「Mind Mischief」

インタビュイー画像

フクダタクロウのセレクトポイント:

Tame Impalaはミズノも好きで、『また会おう』でもリファレンスとして取り入れている要素が多いバンドです。
特に「光のサイン」や「目が覚めても」なんかはドラムもかなり意識してます。
この曲はKevin Parker(ケヴィン・パーカー)が自身で叩いたドラムトラックをツギハギのエディットで繰り返したりして独特なグルーヴが生まれていますが、かなり独特なフレーズを叩いたテイクを採用していて、よく聴くと本当に面白いです。
本人はこの動画で影響を受けたドラムとしてJohn Bonham(ジョン・ボーナム)やPortishead(ポーティスヘッド)のClive Deamer(クライヴ・ディーマー)などを挙げているのですが、聴くと「なるほど」と思いますし、ルーツを辿るのは大事なことですよね。

Sigur Rós「Festival

インタビュイー画像

フクダタクロウのセレクトポイント:

Sigur Rósといえばパワーとは直接的に関係なさそうな、壮大で美しい音を鳴らすアーティストですが、この曲は最初から最後に向かって時間をかけて少しずつ少しずつ盛り上がっていって後半で最高潮に達します。
もはやテクノのビルドアップからドロップをめちゃくちゃ伸ばして一回だけやるみたいな曲で、ドラム自体も難しいことをしているわけではないのですが、とにかくエモくて、最高のカタルシスを感じて聴くたび泣きそうになります。
『また会おう』の曲も後半につれて盛り上がる曲が多いので、こんな風に感情を揺さぶれるような演奏を心掛けます。

毎週更新!GeGeGe選曲プレイリスト

RELEASE INFORMATION

New Album『また会おう』

2024年12月4日リリース ※CD/配信
〈iihito production〉

【Tracklist】
1. 光のサイン
2. 未来だった
3. もう飽きました
4. また会おう
5. さっき俺は
6. ポツリ星
7. 静かな復活
8. 夜は越えた
9. 目が覚めても
10. どうしようもない
11. ゲット
12. 種を蒔く人
13. ラブソング

EVENT INFORMATION

<『また会おう』リリースツアー>

▼東京公演
2025年1月31日(金)
青山月見ル君想フ
ゲスト:本日休演

▼京都公演
2025年2月9日(日)
西院SUBMARINE
ゲスト:メシアと人人/ Monomi twins

▼石川公演
2025年3月15日(土)
金沢メロメロポッチ
ゲスト:HAUNT/ やまも/ noid/ 球形
出店:cuune

▼長野公演
2025年3月16日(日)
松本Give me little more.
ゲスト:TANGINGUGUN

SNSで記事をシェア

SNSフォローで
最新カルチャー情報をゲット!

閉じる