EDITOR'S SELECT 第1回:映画『ミッドサマー』

Column

文: 久野麻衣 

編集部メンバーが今オススメしたいもの、興味のあるものについて語る連載企画。今回は映画『ミッドサマー』について。

第1回:映画『ミッドサマー』 by 久野

少し前にようやく『ミッドサマー』を観てきました。ホラー映画というくくりですが、ルーン文字や神話などをパーツに北欧文化・宗教・慣習とが絡み合った、考察しがいのある作品になっています。

ルーン文字なんて小学生の頃に買っていた占い雑誌『My Birthday』ぶりに見ましたよ。鑑賞後は色々と考察を読み漁り、少し北欧文化に詳しくなった気がします。改めて、やはり独特な地域で大好きです。

しかし、この作品は観る人によってかなり意見が別れますね。カトリック系女子校出身の友人は終始大爆笑だったと言うし、この作品の監督アリ・アスターにとっては“恋愛映画”だそう。“どこが自分に刺さるのか”という部分で表面化する個性を楽しむのも一興です。

ただ、今この作品に感じるすごさは“共感”が一つのキーワードになっているところ。

新型コロナウイルスの影響で外出禁止が続く海外の方の話で、「ずっと家の中にいると他人と共感することの大切さを改めて感じる」というのをSNSで見かけました。特に一人暮らしであれば誰とも会わない生活になりますからね。

何気ない生活の中にも、同じものを見て笑ったり、目を合わせたり、「美味しいね」と言い合ったり、たくさんの共感があふれている。それはいい感情だけでなく、きっと負の感情も一緒で、そこに“生活の喜び・安心”があるのだと感じます。

今はSNSなどネットを通じて共感を得ることも可能でしょう。しかし、リアルな世界とネットの世界で得る共感は同じものなのでしょうか。その答えはリアルな世界の共感が失われていく今のような状況が続いた先にあるのかも。そうなった時に、主人公達がホルガ村(映画の舞台となる村)で触れた共感の世界は少し現実味を増す気がするのです。

そんな“共感”について考えるタイミングに上映されているということが、この作品の一番怖い部分なのかもしれません。

INFORMATION

映画「ミッドサマー」

脚本・監督:アリ・アスター
出演:フローレンス・ピュー、ジャック・レイナー、ウィル・ポールター、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー、ウィルヘルム・ブロングレン、アーチー・マデクウィ、エローラ・トルキア、ビョルン・アンドレセン
上映時間:147分
配給:ファントム・フィルム

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久野麻衣

DIGLE MAGAZINE 副編集長

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