PUSHIMに見出された琴線に触れる歌声。沖縄発のSSW佐久間龍星が“人生の指針”として制作した1stアルバム|BIG UP! Stars #133

Interview

文: 山田邦子  写:遥南 碧  編:riko ito 

さまざまな形でアーティストをサポートする音楽配信代行サービス『BIG UP!』。DIGLE MAGAZINEが、『BIG UP!』を利用している注目アーティストをピックアップしてご紹介します。第133回目は佐久間龍星にインタビュー。

ギターとルーパーを駆使したパフォーマンスや、琴線に触れる心地の良い歌声。シンガーソングライター佐久間龍星は、R&B色の強いサウンドやEd Sheeran(エド・シーラン)に重なる佇まいで魅了する新鋭アーティストだ。

沖縄県嘉手納町出身の佐久間は、独学でギターを学び、弾き語りシンガーとして活動を始める。入口こそポップスだったが、次第にその音楽性はR&Bに傾倒。路上ライブを重ね、同世代で同郷のOzworldGrace Aimiなどと交流しながら、地元の音楽シーンを沸かせてきた。2020年にはPUSHIMが主宰するレーベル〈Groovillage〉よりデビュー。その後はアーティストとしてのさらなる成長を目指し、2023年3月に上京し、現在は東京のクラブやライブシーンで注目を集めている。

そして、2024年12月11日に1stアルバム『COMPASS』をリリース。PUSHIM韻シストKILLA NAMINODATIN、ギタリストとしても活躍する幼馴染のKannon Priceがプロデューサーとして参加した本作は、佐久間の艶やかな歌声はもちろん、R&Bテイストの楽曲や沖縄の風を感じるナンバー、ギターで一発録りしたインタールードなど、多彩なサウンドが魅力となっている。彼自身も、その振れ幅の音楽性は一言では語れないそうで、さまざまな音楽性を吸収している最中。そういった意味でも、佐久間の“今”が詰まった作品となっている。

今回は、ギターを始めたきっかけやPUSHIMとの出会い、『COMPASS』に込めた想いなど、これまでの彼の音楽人生について語ってもらった。

BIG UP!

『BIG UP!』はエイベックスが運営する音楽配信代行サービス。 配信申請手数料『0円』で誰でも世界中に音楽を配信することが可能で、様々なサービスでアーティストの音楽活動をサポート。また、企業やイベントとタッグを組んだオーディションの開催やイベントチケットの販売や楽曲の版権管理、CDパッケージ制作などアーティスト活動に役立つサービスも充実している。

さらに、音楽メディアも運営しており、BIG UP!スタッフによるプレイリスト配信、インタビュー、レビューなどアーティストの魅力を広く紹介している。

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自分から出てきた言葉は、自分が言ってもらいたかった言葉

ー2024年12月11日に1stアルバム『COMPASS』がリリースされます。今の心境はいかがですか。

曲をリリースするのは久しぶりだし、人生で初めてのアルバムを今までずっと待ち続けてくれていた人たちにやっと届けられることを嬉しく思っています。

ー佐久間さんは沖縄ご出身ですが、音楽を始めたきっかけは?

住んでいたところの近くに基地があって、米兵さんたちがアコースティックギターを寄付してくれたのがきっかけでした。三線はずっと弾いてたんですが、ギターもできるかなと思って始めてみて、そこからハマっていったという感じです。

ー独学ですか?

独学です。YouTubeで動画を見て練習しました。

ー最初に弾けるようになった曲は覚えてますか。

最初はmiwaさんの「ヒカリへ」だったと思います。大好きな小栗旬さんと石原さとみさんが共演してる『リッチマン、プアウーマン』(2012年)っていうドラマが好きでいつも観ていたんですが、主題歌を歌われていたのがmiwaさんだったので、その曲から始めました。

ー意外な入り口でしたね。

初めて人前で言ったと思います(笑)。そこからEd Sheeranさんとか、John Mayer(ジョン・メイヤー)さんとか、そういう方々にすごく憧れて音楽にのめり込んでいき、沖縄でずっと路上ライブをしていました。

ー子供のときから音楽や芸能活動に興味をお持ちだったんですか?

全然興味はなかったです。ずっとスポーツが好きで、夏バスケ、冬サッカーみたいな(笑)。スポーツは全部やりたかったんですよ。野球だけは丸坊主にできなかったのでやれなかったけど(笑)、本当は野球もやりたかったです。

ーでもギターに出会ったことで音楽にのめり込んだんですね。

はい。18歳で弾き始めて、路上とかライブハウスで歌い始めたのは19歳の頃でした。初ステージはギターを持たずにカラオケの音源で歌ってましたが、やっぱり生音がいいなということで、路上で歌いながら練習しつつギターも学んでいきました。

ー独学でギター弾いて歌ったり、実際に路上に出たりする中で、最初に音楽を発信する喜びを感じた瞬間を覚えていますか? 

今回のアルバムにも入っている、僕がすごく好きな「君のままで」っていう曲があるんです。友だちに向けて「誰になんと言われても、あなたらしくいるのが本当に素敵なんだよ」っていう想いを込めた曲なんですが、それを聴いた友だちが号泣してくれたときですね。ひとりの人の人生を、少しでも良いから豊かにできたかなって思えた瞬間だったので。

ーなるほど。

最初はその友だちに向けて作ったんですが、その後応援してくれる人たちが増えていく中でそういう人たちのためにも書いてみたいと思っていたら、いろんな人が感動してくれて。人の役に立てているのがすごく嬉しいと思うようになりました。

ー「君のままで」は、きっと大切などなたかに向けてお書きになられたんだろうなっていうのはすごく伝わってきたんですが、ひょっとしたら、自分のためでもあるのかなと思いました。

そうなんです。自分から出てきた言葉は、結局は自分が言ってもらいたかった言葉でもあるのかなって思ったりもして。あの曲は他の人に向けて歌うときもあれば、自分がつらくなったときに聴いたりもします。

ーそういうお気持ちが出発点にあるって、とても素敵なことですね。音楽の力だなって思います。

本当に。それに助けられてきたなって自分でもすごく思います。

Ozworldら同郷の仲間との交流。沖縄のシーンは互いをリスペクトできる人が多い

ー音楽はもちろん、Instagramなどを見ていても、佐久間さんはすごく愛のある仲間に囲まれている人なんだなと感じました。地元である沖縄での暮らしや沖縄の風土が、ご自身の価値観や音楽に影響を与えてるなと感じることはありますか。

生まれ育った沖縄はすごく好きですし、大好きな人たちも多いので、それはすごく感じています。東京へ行く前も行ってからも、ずっと応援してくれている沖縄の人たちがいっぱいいますし。ひとりでは何もできなかったなと思うくらい、周りに助けられてここまで来たなと思いますね。だからこそ何かしら沖縄の要素は出しつつ、地元に貢献できたらいいなと思いながら活動しています。

ー沖縄での音楽仲間はどのように増やしていったんですか?

最初はギター仲間と路上で歌ったり、仲良くなったら一緒にライブをしたりしながら増やしていきました。あとは、すでに話題になっているOZworldが幼馴染で、幼稚園からずっと一緒なんですね。彼との出会いも友だちを増やすきっかけになったし、ジャンルを飛び越えてHIP HOPの方々たちと仲良くなるきっかけにもなりました。それで今、こうしていろんな人たちと音楽がやれているんだと思います。

ー佐久間さん世代の沖縄の音楽シーンは、みんながお互いをリスペクトし合ってイベントを成立させたり、一緒に曲を作り合ったりしていて、すごくいい意味で混ざり合っているなという印象です。

みんな「俺が一番!」っていうより、得意なものとできないものがちゃんとわかってて、自分ができないことができる人にリスペクトを持ってる人たちが多いのかなって思います。だからみんな、有名になってもそんなにオラオラしていないというか。「俺たちができないことをそっちができるから、たまにそっちの曲も聴いてるよ」とかも言ってくれますし。ジャンルに囚われないのも、ある意味沖縄の特徴かもしれないですね。

ーそういう環境だったら仲間とバンドを組むという選択肢もあったんじゃないかなと思うのですが、佐久間さんがおひとりで「シンガーソングライターとしてやっていこう」という選択をされたのには何か理由があるんですか。

理由は特にないんですけど…本当はバンドがやりたかったんですよ(笑)。なぜかメンバーには恵まれず。それでずっとひとりでやってきたという感じです。

ー「こういう人とやりたいな」と思ってても、その人はすでにバンドを組んでたり?

そうですね。そもそも沖縄って、東京に比べたらバンド人口が少なくて。ワンマンライブをするときは一夜限りで好きな人たちを集めたりはしたんですけど、みんな年上の方々で。だから、バンドを組んだとしても年齢の幅がすごすぎて「どうしよう」みたいな。それにみなさんお仕事もされてたり、家庭を持っていたりで、同じ熱量では一緒にやれないのかなっていうのもあって。バンドサウンドが大好きなんですけど、そういうわけでひとりで弾き語りをしていました。

ー韻シストさんと一緒に演奏されている動画を拝見しましたが、すごく嬉しそうでした。

大阪で一番大好きなバンドなので。でも韻シストさんは韻シストとして完成しているから「一緒にバンド組みたい」とかはもちろん言えない(笑)。憧れている人たちは、年上の方が多いです。

ーでもひとりはひとりの身軽さもあると思いますしね。だからこそいろんな楽器がプレイできるようになったり、いろんな手法が身に付いたりしたんでしょうし。

そうかもしれないですね。それこそEd Sheeranさんがやってるループ演奏も真似して。ひとりで厚みある生音で、という感じではずっとやってました。

ーボイスパーカッションもできますしね。ああいうのは遊びの一環から始まるものですか。

そうですね。最初は、しんみりと聴かせる歌ばかり歌ってたんですけど、ライブで盛り上がらないなと思って。そこでボイスパーカッションをやったら盛り上がるかなと思って、お風呂場で練習したんです。ライブでポロンポロンってやった後に「ババババッ」ってボイパをやるっていう。ちょっとした飛び道具みたいな感じですね(笑)。

PUSHIMとの出会いが活動の転機に

ー2023年3月に拠点を東京に移されたそうですが、上京するにあたってかなり気合も入ったのでは?

めちゃくちゃ入りました。自分のベースにはもちろん沖縄があるんですけど、外の世界を見て、経験を増やして、自分に取り入れられるものは全部取り入れたい。だからこのまま島にいたらダメだって思ったんですよね。そんなときにタイミング良く今お世話になってる事務所との出会いがあったりして、「今だ!」って感じで、挑戦も含め上京しました。

ー現在の佐久間さんの音楽活動はPUSHIMさんとの出会いが大きかったそうですが、どういうきっかけだったんでしょうか。

沖縄でPUSHIMさんがアコースティックツアーをされていたとき、知り合いを通して声がかかって、オープニングアクトで出させていただくことになったんです。PUSHIMさんとはそこで初めてお会いしたんですが、リハーサルをちらっと聴いてくれたくらいで、そのときは特に何もなかったんです。でもその後コロナ禍に「曲を作ってまして、それを龍星くんの声で歌ってほしい」っていうメッセージをいただいたんです。

ーそれだけ、リハーサルでお聴きになった龍星さんの声が印象に残ったっていうことだったんでしょうね。

たぶん、そういうことだと思います。コロナでライブが全部ストップになってしまって、アーティストさん全員が「何をしよう」ってなってたと思うんですが、PUSHIMさんは「じゃあ、今のうちにプロデュースするか」っていうので僕のことを思い出し、声をかけてくださったみたいで。それから、その曲のアレンジや演奏をしてくれるのが韻シストさんですって言われてダブルで嬉しくて。「ええっ⁉︎」みたいな(笑)。

ーそれが「NO BORDER」という曲。

はい。その後の「So Lucky」と2曲続けて、PUSHIMさん作詞・作曲・プロデュース、編曲が韻シストさんです。この曲を歌うときはめちゃくちゃ魂込めて、(お客さんと)どれだけ離れていても「声を届けます」っていう気持ちで歌っています。

ーご自身で曲を作る場合は、どんな感じで作っているんですか?

どちらかというと最初にコードを作って、メロディを作って、そこに歌詞を当てはめていくということが多いかなと思います。

ー歌詞を書くときにインスピレーション源になっているものはありますか。

何かに感化されて歌詞を書くっていうことはあんまりないですね。自分の中に出てきた言葉、思いついた言葉をそのまま書くことが多いです。あとは誰かに伝えたいと思う気持ちで書いたりするので、うちにあるものだけで今は補っている感じですね。僕は自分のためにというより、誰かのためになればいいかなって思いのほうが確実に強いんです。だから、あまりカッコつけられないんですよね。カッコつけたいんですけど(笑)。

ー(笑)。

ちなみに日本で一番すごい歌詞を書く人だなって思っているのは、RADWIMPS野田洋次郎さんです。

ーどういうところに惹かれるんですか?

世界観と引き込む力。あとは歌詞で考えさせられる部分とかですね。誰も書かないだろうなっていう書き方で書かれていたりするので、それも面白いなと思います。どの曲もそうですが、特に「オーダーメイド」を聴いたときは、「この歌詞すご!」って思いました。

1stアルバムを通して伝えたいのは「いいんだよ。自分らしくて」

ー今回のアルバム『COMPASS』は韻シスト、PUSHIM、Kannon Price、KILLA NAMIなど、数々のアーティストやミュージシャンを迎えて制作されていて、いろんな刺激や学びがあったのではないかと思います。

その道でずっとやってこられた方たちからいただいた曲ですから、すごく安心感があると言いますか。特にPUSHIMさんと韻シストさんには3曲ほどお世話になりましたので、すごく助けていただきましたね。

今回は自分で作った曲もちらほら入っているんですが、まだまだ自信が持てなかったりもします。それでも「良いね」っていう声が増えると、どんどん自信が出てくるんですよね。

ーリスナーのみなさんの声っていうのは大きいですね。

はい。今回のアルバムをきっかけに自信をつけていければと思っているんですけどね。そういう意味でも「君のままで」という曲は、自分に向けても言ってたんだなって。なので、この『COMPASS』というアルバムを通して伝えたいのは「いいんだよ。自分らしくて」っていうことかなとも思います。

ー『COMPASS』というタイトルにはどのような想いを込めてらっしゃるんでしょうか。

ここから方向を決めていって、そこに突き進んでいく。このアルバムが“僕の人生のコンパス”になると思っているので、アルバムのタイトルにしました。

ー”コンパス”には「音域」という意味もあるようですね。

そうなんですか。初めて知りました。これからインタビューを受けるときは使わせてもらいます(笑)。

ーアルバムには「COMPASS」という楽曲も収録されていますね。

「COMPASS」は昔作った曲で。僕は洋楽も好きなので、英語詞で作ってみました。「僕が持ってる要素をとりあえず全部詰め込みました」という感じで、ジャンル関係なく、ポップス、R&B、バラードなど、今自分の中にあるものを入れました。

ー作ったときは、どういう状況だったんですか?

21歳か22歳のときだったと思いますが、まだ沖縄にいた頃、いくつかの事務所から声がかかっていた時期で。何曲か提出してほしいっていうことで、そのためにノルマで作った曲だったんです。一緒に作ったKannon Priceは、ASOUNDというバンドで今サポートギターを弾いているんですが、彼も沖縄出身で、ビートとかトラックをお願いして一緒に作りました。

ーノルマで作ったとはいえ、自分の内面というか、言いたいことをちゃんと言いたい言葉でそのまま表現した歌詞ですね。

そうですね。僕はあまり喋れないんですけど、Kannon Priceが英語ペラペラなので、僕が日本語で書いたものを英語にしてもらいました。だから、本当に自分が伝えたい気持ちを素直に書いた曲になっています。

ーそれが数年後、こうしてアルバムの表題曲になっていくという。

ずっとしまってたんですけど、「これどうですか?」って提出したら「いいんじゃないか」って。今回、初のアルバムに入れることができて嬉しかったです。

ー「Ame_No_SeiDe」という曲はAshleyさんとご一緒のバージョンもありましたが、おふたりで歌うとまたガラッと雰囲気が変わりましたね。

そうですね。Ashleyちゃんとはあの曲で「はじめまして」だったんですが、すごく面白い子で。漢気がありますよね(笑)。すぐに仲良くなれて、一緒に歌うことができてよかったなって思っています。今では「自分たちって、いとこ同士だよね」みたいなくらいの間柄で(笑)。プロデューサーのPUSHIMさんは僕のお母さんみたいな存在で、AshleyちゃんのプロデューサーでもあるLUNAさんもPUSHIMさんと似てるタイプなんです。

ーGOD母さんがふたりいると(笑)。

そうです。そのふたりに見守られる我々はいとこだ、って(笑)。

ー沖縄で作ったコミュニティとはまた違う感じで、クリエイティブな面も含め、東京では日々新しい刺激をたくさん受けていらっしゃるんでしょうね。

はい。レベルは確実に東京のほうが高いですし、勝負をかけて来てる人たちが圧倒的に多いじゃないですか。そういう人たちの姿勢を見てると本当にすごいなって思いますし、そうであるべきというか。いろんな方と出会って、刺激をいただいています。

ーいろんな夢も膨らんでいるんじゃないかなと思いますが、いかがですか。

たぶんまだ言葉にできてないだけで、書きたいことは今いっぱいあるんですよ。すごく愛のある曲を書きたいなとか、そういう想いはどんどん出てきているので、もっと自分の曲を、武器を増やしていきたいなって思っています。

ーここで歌ってみたい!というステージはありますか?

日本武道館に立ちたいなと思ってます。あと、この前初めて東京ドームのライブを観て、立ちたいなって思いました。…あれ? 東京ドームってちっちゃいですか?

一同:(笑)

ー私が知っている東京ドームでしたら、おそらくものすごく大きいはずです(笑)。

ごめんなさい。まだいろんな会場を見れていないので、規模感を把握できてなくて(笑)。

ーでは、コラボレーションしてみたい人はいますか。

ちらほら音楽活動を始めている方もいらっしゃると思いますけど、地元の嘉手納町から県外に飛び出して活動してるのは僕とOZworldくらいだと思うので、彼とのコラボレーションも実現できたらすごく嬉しいなと思います。あとはやっぱりPUSHIMさんですね。プロデュースされる側じゃなくて、ちゃんと成長して「僕はこう歌います」と言えたら、またさらにいい姿を見せられるんじゃないかなって思ったりするので。

ーずっと感じていることですが、佐久間さんの発言には本当に愛が溢れてますよね。

いえいえ。ちなみに仲間愛とかは関係ないところで言うと、XGさんとやりたいですけどジャンルが違いすぎて…めちゃくちゃ好きなんです(笑)。

ーそうなんですか(笑)。もしご一緒できるとなったら、どういうスタイルでどういうことをやってみたいですか。

もう向こうのジャンルに合わせてやりたいです。R&B色をがっつり出したい…新しい自分を出しつつ一緒にやりたいなと思ってます。…ごめんなさい、これはなかったことにしてください(笑)。ただ大好きってだけなので(笑)。

ーなかったことにはできません(笑)。でも、ここまで聞いただけでもいろんなジャンルのアーティストの名前が出てきましたね。引き出しもたくさんお持ちなんだろうなと思いますが、佐久間さんご自身を自己紹介するとなると、どういう表現になります?

そうですね…。一概に「このジャンル」っていうのは言えなくて。

ーたとえば先輩に「君どんな音楽やってるの?」って聞かれたらどんなふうに答えるんですか。

「いろいろやってます!」っていつも言ってますね(笑)。「ラップはできないですけど、それ以外はなんでもできると思います!」って。

ー「なんでもできます」って、すごい武器ですね。

それこそPUSHIMさんはレゲエだったりもするので、間近で見ながらレゲエも好きになりつつありますし、いろんなジャンルが好きなんです。ひとつずば抜けてるのはないんですけど、全部平均的にできますって感じですね。

ー次回会うときはきっと「ラップも全然できます」っておっしゃるんだろうなと思っています(笑)。

ラップもできるようになったら、さらにまた一個武器が増えるんじゃないかなと思ってます。どちらかというと”ポップス”という表現が一番合ってるんじゃないかなと思うんですけど、ジャンル的に一番好きなのはR&Bなんですよね。だから、ポップスにちょっとR&Bの要素を入れていきたいというか。でもそれって言葉にしたらなんなんだろう?っていうのは今考えてます。

ーでもきっと、そういう模索が自分のオリジナルのスタイルに繋がっていくんでしょうからね。

そうですね。だから今はジャンルというより、「佐久間龍星です!」くらいの気持ちでやってると思います。

ーわかりました。最後に、これは使い古された言い方ですが、今回の『COMPASS』というアルバムは“名刺代わり”と言いますか、「まずはご挨拶に」というような一枚なのかなと感じましたが、いかがでしょうか。

そうですね。やっとジャブを打てたなっていうぐらいの感じ。まさに、これが最初の名刺代わりです。これが基礎になっていくと思うので、そこからどう(引き出しを)増やしていくか、何を付け足していくかっていうのを今後は考えながら、作曲やステージといった“表現”をしていきたいなと思っています。

RELEASE INFORMATION

1stアルバム『COMPASS』

2024年12月11日リリース
Label:〈Groovillage〉

Tracklist:
1. EYES
2. So Lucky
3. COMPASS
4. Ame_No_SeiDe
5. Interlude
6. NO BORDER
7. 君のままで
8. Ame_No_SeiDe (Remix) feat. Ashley

▼各種配信URL
https://big-up.style/rbAfg34Rj6

BIG UP!

『BIG UP!』はエイベックスが運営する音楽配信代行サービス。 配信申請手数料『0円』で誰でも世界中に音楽を配信することが可能で、様々なサービスでアーティストの音楽活動をサポート。また、企業やイベントとタッグを組んだオーディションの開催やイベントチケットの販売や楽曲の版権管理、CDパッケージ制作などアーティスト活動に役立つサービスも充実している。

さらに、音楽メディアも運営しており、BIG UP!スタッフによるプレイリスト配信、インタビュー、レビューなどアーティストの魅力を広く紹介している。

▼official site
https://big-up.style/

BIG UP!のアーティストをセレクトしたプレイリスト『DIG UP! – J-Indie -』

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佐久間龍星(さくまりゅうせい)

1997年11月28日生まれ、沖縄県嘉手納町出身。19歳の頃にEd Sheeranに憧れ、独学でギターを学び、弾き語りシンガーとして路上ライブからアーティスト活動をスタート。

同世代で同郷のOzworld、Grace Aimiなどと交流があり、沖縄の個性豊かなアーティストたちと地元のライブシーンを沸かせてきた。2020年10月にPUSHIM・韻シストらが所属するレーベル〈Groovillage〉より、シングル「NO BORDER」でデビュー。2023年3月から活動の拠点を東京に移し、渋谷・下北沢を中心にクラブやライブシーンにてその存在感を示している。人々の琴線に触れる歌声とともに、時折見せるボイスパーカッションもライブパフォーマンスにスパイスを加え、相棒のギターとルーパーを駆使したワンマン演奏で会場を沸かせている。

2024年12月11日にPUSHIM、韻シスト、KILLA NAMI、NODATIN、Kannon Priceがプロデューサーとして参加した1stアルバム『COMPASS』をリリースした。
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