USインディー/エモシーンと共鳴するバンド、Bearwearが映す若者の景色 | Music DNA#25

音楽ライフを掘り下げるインタビュー企画『Music DNA』。25回目はUSのインディ・ロック/ドリーム・ポップ/エモに影響を受けたサウンドを鳴らすバンド、Bearwear。彼らの音楽的ルーツからバンドの成り立ち、今後の活動への姿勢について伺いました。

音楽の始まりと海外の音楽

ーお二人が音楽を始めたのはいつ頃でしたか?

Kazma:

中学の時に初めてギターを買ったんです。それで普段聞いてるようなポップソングとかを弾きたかったんですけど難しくて。だから弾ける曲を聴くところから始めようと初心者でも弾きやすいメロコアとポップ・パンクを聴き始めたんです。その時に音楽に思想を持つスタイルとか、ラジオで流せないような曲をやってるバンドがいることを初めて知って、こんなかっこいい音楽があるんだと思って。PennywiseとかNOFXとかエピタフ系のメロコアやポップ・パンクにガッツリハマりました。

kou:

俺は中学生くらいまでポップスとかアニメソング、音ゲーとかのトランスを聴いてて、全然バンドには触れてなくて。でも、高校に入学した時に軽音楽部に入ったら周りはONE OK ROCKSiMcoldrainとかラウドロック系を聴いてたので、その影響でバンド系の音楽を聴き始めて、ライブハウスに行くようになりましたね。

ーライブハウスに行き始めたのは友達のバンドを目当てに行っていたんですか?

kou:

一番初めにライブハウスに行ったのは友達のライブを見に行った時でしたね。

Kazma:

僕は2012年のパンクスプリングでした。初めてイヤホンやヘッドホン以外からでかい音を聴いたのが幕張メッセのあの音だったんで、最初は人に靴紐を踏まれてるって思ってたんです。でも、ただ低音が足に響いてるだけだって気づいてすごく感動したのを覚えてます。

ーモッシュとかダイブはしました?

Kazma:

しましたね。高校生の時はモッシュとかクラウドサーフにすごい憧れてました。

kou:

俺もやり方が分からなくてずっと動画見てました。間違ったことしたらぶん殴られると思って(笑)。

ーBearwearの楽曲は海外の音楽からの影響を強く感じましたが最初に海外の音楽で触れたのはいつ頃ですか?

Kazma:

僕は小中とアメリカに住んでたんです。両親は日本人なんですけど、家ではいつもビートルズとか海外の80sコンピレーション・アルバムがずっと流れていたので、当たり前のように海外の音楽は聴いていました。

ーでは日本の音楽はあまり聴いていませんでしたか?

Kazma:

アメリカにいる頃に日本人の友達にELLEGARDENRADWIMPSを聴かせてもらって、俺はELLEGARDENの方が好きになったんです。リアルタイムで流行ってる曲じゃない、過去の曲にハマって聞き始めたのは友達から貸してもらったエルレが初めてでしたね。

ーアメリカに住んでいてELLEGARDENのCDを持ってる友達ってすごいですね。

Kazma:

アメリカで英語を話せる日本人からしても、ラッドとエルレは英語の発音がいいから日本のバンドだけど聴いとけって言われたんです。英語の発音の大事さで聴いた記憶がありますね。

kou:

俺は高校の時に初めて洋楽に触れました。ラウドロックやスクリーモにハマった流れでSleeping with Sirensとか海外のメタルコア・バンドを聴き始めて。あとは高校で一番最初に組んだバンドのギターの奴がYESとか70年代のプログレが好きで、そいつに古い曲を色々教えてもらったりしました。


偶然で必然な二人の出会い

ーバンドの成り立ちについて伺いたいのですが、お二人が出会ったのはいつ頃ですか?

kou:

2016年の4月くらいです。

Kazma:

初めてやったオリジナルバンドがなくなった時に、それでもボーカルでバンドやりたかったので「ポップ・パンク エモ ボーカル」でツイートを検索してみたんです。そしたら三ヶ月位前に「エモ、ポップ・パンクのバンドやりたいけどボーカルいないかな」っていう彼のツイートを見つけて。別に「募集してます」とかじゃなくて本当につぶやきだったよね。

kou:

そうだね。

Kazma:

それで、その三ヶ月前のツイートにリプライで「興味あります」って超堅い返信をして(笑)。

kou:

俺はその3ヶ月間、友人に「やりそうな人いない?」って聞いてたんですよ。その時に「くすぶってる奴がいて、結構ポップ・パンクとか好きだと思うよ」ってKazmaの話を聞いていて。そしたら偶然その人から返信が来たという…。

Kazma:

それで連絡をとって、渋谷のフレッシュネスバーガーで初めて会いました。

ーそこではどんな話をしたんですか?

kou:

お互いやりたいイメージのバンドの名前を出していきました。そこで上がったのはポップ・パンクとかエモのバンドで、ほぼお互い知ってるバンドでしたね。

Kazma:

でも、俺が知らないインディー・エモのバンドの名前もあったんですよ。俺はその時ポップ・パンクが好きでインディー・エモとかは聴いてなくて。だから、その日の晩に聞いておくべきバンドの曲を30曲くらい送ってもらいました。それを聞いてこういうバンドをやりたいなって思ったのは今のバンドの原点になってると思います。

ー教えてもらった楽曲が自分の中でもフィットしたんですね。kouさんはいつごろインディー・エモのバンドを知ったんですか?

kou:

一番最初は大学の先輩にtoeを教えてもらって、90sのエモを知ったんです。そこからポストロックとかエモの流れでamerican footballとかにハマりました。それにKnuckle Puckみたいなエモ、ポップ・パンクも元々好きで、Kazmaと会った時はその2つが自分の中で寄ってきてるときでした。

Kazma:

2016年はTurnoverなどポップパンクシーンのバンドでエモやインディからの影響を感じるバンドが増えてきた時期なんです。でも、僕はその流れがどこに向かってるのか当時分かってなくて、ただゆったりした曲になっていったなと思ってて。でも、kouに90sのエモを教えてもらって、そこへ寄せていってるんだなっていうのが見えるようになりました。

kou:

SNSやストリーミングの影響でUKとUSの音楽の差がどんどんなくなっていく中で、USのパンクバンドが精神は同じままに、ヨーロッパ的なシューゲイザーの要素を取り入れたりしてクリエイティビティを追求していったんじゃないですかね。

ーバンドメンバーはメインメンバーのお二人とあとはサポートメンバーという体制をとっていますが、その体制に至った経緯はどんなものだったのでしょう?

kou:

実際、自分がやりたいって思うプレーヤーはすでに他のバンドをやってるんですよね。その状況での口説き方として、その体制を思いついたんです。
それにヒップホップ・クルーみたいなゆるい繋がりもいいなって思って。完全に固めないことで別の楽器を入れたりできるし。

Kazma:

kouと初めて会った時にメンバーの話もしたんです。その時にサイドプロジェクトとして参加してくれるドラマーがいるって聞いたので、それならどんどんいいメンバー集めていこうという話になって。だから僕も一番好きだったポップ・パンク・バンドのギターに声をかけたら、サイドプロジェクト的に参加してもらえることになったので理想のメンバーを集められましたね。

ーその体制で活動してみてどうですか?

Kazma:

メンバー二人っていうのはお互い初めてだったんですけど、やり始めたらすごくやりやすかったんです。

kou:

メンバーが2人だと、何か意見が出た時にシンプルに二つの選択肢の中からより最適な方を選べば良くて、意思決定を早くできるのがいいなと思います。

Kazma:

情報共有のスピードも早いし。新しい音楽やレーベル、サイト、サービス、音楽以外にもクリエイティブな活動をしてる人を見つけたらそれを共有しています。お互いモチベーションとかフットワークの軽さも同じくらいなんで、すごくスムーズです。

ー二人が同じモチベーションを保ててるのはなぜでしょう? モチベーションが上がったタイミングがあったんですか?

Kazma:

曲を出した時に予想以上に反応が良かったんで、このジャンルを選んで間違いなかったなって思ったのと、この音で勝負すれば、頑張るほど上にいけそうと思えてることが、今のモチベーションになってます。でも、曲を出す前からモチベーション高かったよね?

kou:

うん(笑)。

ーやりたいことを共有できる人と出会えたからですかね?

kou:

それはめちゃめちゃでかいですね。

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WRITER

川口麻衣

猫と暮らすアウトドア好きライター。

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神岡真拓

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Photographer

神岡真拓

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Kazma(Lyric/Vo)、Kou(Music/Ba)を中心とし、関東を拠点に活動するインディー/エモバンド、Bearwear。

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