世界を熱狂させるJ-POPのビジネスについて紐解く書籍『音楽ビジネス』が10/7に発売

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文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

ビジネス書や実用書を中心に出版する株式会社クロスメディア・パブリッシングが、J-POPシーンの音楽ビジネスに関する書籍『音楽ビジネス』を、2025年10月7日(火)に刊行することを明かした。

ビジネス書や実用書を中心に出版する株式会社クロスメディア・パブリッシングが、J-POPシーンの音楽ビジネスに関する書籍『音楽ビジネス』を、2025年10月7日(火)に刊行することを明かした。

本書は、いま躍進を遂げる日本の音楽業界(J-POPシーン)について、テクノロジーの進化と、ビジネス構造の変化という視点から分析した一冊。ユニバーサルミュージック・デジタル本部本部長を経て、現在はエンターテインメント✕テクノロジー領域でコンサルティングをおこなう、鈴木貴歩が手がけ、ストリーミングサービスやAIの登場など、めまぐるしい変化が続くなか、なぜ今、日本の音楽が世界で聴かれるようになったのかといった問いをもとに、 注目の集まるコンテンツ産業の最前線に迫る。

本書の要点

コロナ禍を契機に世界で加速したJ-POP人気

ほんの数年前まで「ガラパゴス」と評されていた日本の音楽ビジネスは、国内CD市場の活況に支えられる一方、ストリーミング導入の遅れや国際展開の不足が課題とされていた。しかし、コロナ禍によって状況は大きく変化。ライブや店舗販売が制限され、各レーベルが積極的に過去の楽曲のストリーミング配信解禁を進めたことで、SpotifyやApple Music上に膨大な日本の楽曲が一斉に解放されている。

これにより、YOASOBI「夜に駆ける」や藤井風Adoなどの新世代アーティストだけでなく、竹内まりや山下達郎といったシティポップが再評価され、海外リスナーにレコメンドされる現象が加速。アルゴリズムとSNSの相乗効果により、日本発の音楽が言語や国境を超えて受容される時代が一気に到来した。

ヒットの基準はミリオンセラーからビリオンストリームへ

かつて「100万枚のミリオンセラー」がヒットの証だった時代は終わり、「10億回のビリオンストリーム」がグローバル成功の新基準に。ストリーミングによって音楽は一度きりの消費から「繰り返し聴かれる文化」へと変化し、リリースから数年経過しても再生数が伸び続ける曲も珍しくない。本書では、ヒットの定義がいかに更新されてきたかを具体的に解説している。

また、再生数そのものが広告・ライブ・グッズといった周辺収益につながるため、音楽産業全体の収益構造も大きく変化。日本のアーティストが世界市場で戦う際に、この「ビリオンストリーム」という指標をどう活かすかが重要なテーマとなっている。

テクノロジーが変える制作・流通・マーケティング

また、DTMやAI作曲ツールの普及により、誰もが自宅で世界水準の音楽を制作できる時代となった。加えて、アルゴリズムやプレイリスト戦略は、アーティストの発見や再生回数に直結する仕組みとして重要性を増している。TikTokなどのショート動画プラットフォームは、新曲の拡散だけでなく、数十年前の楽曲を再びバズらせる装置としても機能し、実際に高中正義の楽曲やシティポップが海外でリバイバルヒットを果たしている。

このようにテクノロジーが制作から流通、そしてマーケティングまでを刷新し、日本の音楽がグローバルに届くための基盤となった過程を詳細に描き出している本書。音楽業界で働くビジネスパーソンや、音楽業界を志望している人、ミュージシャンや音楽好きの方まで、是非手に取ってみてほしい。

INFORMATION

インフォメーション画像

『音楽ビジネス』

発売日:2025年10月17日
定価:1,848円(本体1,680円+税)
著者:鈴木貴歩
体裁:四六判 / 256ページ
ISBN:9784295411475
発行:株式会社クロスメディア・パブリッシング(クロスメディアグループ株式会社)

【構成】
序章 202X年、日本の音楽が世界に響く理由
第1章 新時代のヒットから学ぶ音楽制作の世界
第2章 ストリーミングから学ぶ音楽配信の世界
第3章 TikTokから学ぶ音楽マーケティングの世界
第4章 フェスから学ぶ音楽イベントの世界
第5章 インディーズに学ぶアーティスト育成の世界
第6章 K-POPから学ぶグローバル化の世界
第7章 カラオケから学ぶIPビジネスの世界
第8章 歴史から学ぶ音楽ビジネスの世界
第9章 AIから学ぶこれからの音楽ビジネスの世界
特別対談 AI時代に問う、アーティストの可能性(syudou氏)ほか

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