文: DIGLE編集部 編:Kou Ishimaru
2015年の結成以降、オールドなシンセサイザーの音色と現代的なダンスミュージックを掛け合わせたサウンドで、様々なシーンを横断してきた大阪出身のDTMユニット・パソコン音楽クラブ。この10年間、国内外のアーティストとのコラボレーションやリミックス、CMやTVドラマへの楽曲提供など、活動の幅を広げながら、自らの音楽表現を更新し続けてきたパソコン音楽クラブが、2019年にリリースした楽曲「hikari(feat. 長谷川白紙)」のMVを公開した。

平牧和彦監督が手がけた本MVは、GoogleのAI「Gemini」や映像生成AI「Veo 3」、画像生成AI「Nano Banana」など、最新のGoogle AIをフル活用し、すべての映像がGeminiとともに制作されたものとなっている。
監督のディレクションにより「コップ」というオブジェクトのみに絞り、卓上に置かれた2つのコップの静止画だけを撮影し、その画像からランダムに生成される映像を繋いでいくことで制作された本映像は、どんな映像でも生成できるAIだからこそ、有機物や人間などが生成された結果は徹底的に排除してミニマルな表現を追求することで、平牧監督にしか作れない個性が強く反映された作品となった。
本MVのメイキング映像も同時に公開されているのでこちらの内容にも注目だ。
そしてZepp Shinjukuにて開催される過去最大規模のワンマンライブ<PMC 10th Anniversary One man Live>の追加ゲストとして、MFS、Mei(LAUSBUB)、The Hair Kid、tofubeats、柴田聡子、長谷川白紙の6名が発表された。
チケットは一般発売中なので、是非お早めにチェックしてほしい。
長谷川白紙さんと一緒に作った大切な曲である「hikari」のミュージックビデオを世に出すことができて、とても嬉しいです。このMVはAIを用いた制作ということで、AIが映像表現の選択肢の1つになったことをリアルに考えるきっかけにもなりました。昨今、AI技術は「誰でも簡単に映像を作れる」というイメージで認知されていると思いますが、このMVからは「良い作品」を作るためには、結局のところ人間自身のアイデアや膨大な時間、何度も生成し完成度を高めていく根気強さが必要だと伝わってきます。
今後映像においても音楽制作においてもAIは基本的な手法となっていくと思いますが、AIはあくまで人間の用いる強力で便利な道具の一つであり、使い手にヴィジョンがあればあるほど、むしろ人の個性が強調されるのかもしれない。
平牧監督によるこのMVを見ていただければそんなふうに感じるのではないかなと思います。
AIがまだできてないことはなんだろうと考えてみると「音楽に合わせて映像が動く」という、シンプルかつ映像作家が昔からやってきたことが、まだそこまで得意ではないのかと思いました。そんな映像の気持ちよさを企画の念頭に置きつつ、画像から動画を作るGeminiの機能を使って、しりとりのように動画を繋げたら面白いのではと考え、最終的にこのような形のMVになりました。生成系のAIで作られた映像にそこまで面白さを感じていなかったのですが、結局は熱量を込めることの難しさや大変さは他の手段と同じで、ツールが変われど、一生懸命頑張らなくてはいけないんだなと思いました。これ作るのめっちゃ大変でした。
EVENT INFORMATION
<PMC 10th Anniversary One man Live at Zepp Shinjuku>
2026年1月24日(土)
Zepp Shinjuku (TOKYO)
OPEN 17:00 / START 18:00
6,000円(+1D)▼メインアクト
パソコン音楽クラブ▼ゲストアクト
Mei(LAUSBUB)、MFS、The Hair Kid、tofubeats、柴田聡子、長谷川白紙▼映像・演出
tsuchifumazu外部リンク
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