文: 石角友香 編:Kou Ishimaru
デジタルネイティブ世代も上はもう30代。このワードの使い方も留意が必要だと思わせるぐらい、今回紹介するアーティストは若い。2011年生まれ、現在14歳。ギタリストでありDAWを駆使してトラックメイキングを行い、ミックスまで手掛けるHaruを中心とした音楽プロジェクト、the BL00Mがそうだ。コロナ禍で自宅待機期間が長引いた小学生時代にギターを始め、父親が好きだったNirvana(ニルヴァーナ)、Red Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)、Jimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)を入口に、現在のギタースタイルの基となるJohn Mayer(ジョン・メイヤー)やMateus Asato(マテウス・アサト)に影響を受け、作曲をスタート。すでに2022年から楽曲を配信プラットフォームに上げており、ソロ、バンドを合わせるとこれまでに30曲、アルバム1作というハイペースだ。
2025年1月からはバンドプロジェクトとして始動し、「Under the moon_3(feat. Asahi)」、「After Rain(feat. Kawasaki Kohei)」、「brownie(feat. Kawasaki Kohei)」といった同世代シンガーを客演に迎えたシングルをリリース。「Under the moon_3(feat.Asahi)」はPenthouseの曲添削のYouTube動画でも取り上げられ、リスナーにも驚きをもって迎えられていた。
若い感性と完成度の高さでオーディションでも頭角を現し、<RO JACK WINTER FINAL 2025>で優勝、<聖徳大学音楽学部 presents U18 DTM甲子園2025>奨励賞、<第34回サウンズコンテスト フリー曲部門 学生の部>第一位、<COUNTDOWN JAPAN 25/26>に出演するなど、着実にステップアップ中だ。
SNS上で公開されるHaruのギターの腕前は巧いというより、ネオソウルやジャズ、R&Bのエッセンスを体得したセンスを感じさせる。トラックメイキングも盛り込みすぎないチルなテイストで、独特の揺らぎやアイデア溢れるSEもユニークだ。しかもそれだけなら世の中に似たタイプの曲はあるが、10代の初々しいテーマが乗ることでオリジナリティが一気に増す。放課後のリアリティを綴った「AFTER SCHOOL(feat. cocomi)」、ホワイトデーのお返しに期待するちょっと不安定な心情を表現した「White Chocolate(feat. RINA)」など、同世代にはリアル、上の世代には甘酸っぱい思い出として響く。
コンスタントにリリースを重ねるthe BL00M。2026年1月にはHaruのシグネーチャーとも言えるウォームなギタープレイをフィーチャーしたネオソウルテイストのインスト「chill out chips」をリリース。まさにタイトル通りのチルな習作だが、これまでと比べグッとリッチになったサウンドメイクに、エンジニアリングの進歩を窺わせた。
同曲から約1ヶ月という早いスパンでリリースされるのが新曲「It’s hard to say」だ。昨年12月リリースの「世界は楽しくなる」や、11月の「Under the moon_4」などでもフィーチャリングボーカルを務めた16歳のシンガー、RINAが今回も歌っており、柔らかなメロディを切なく苦しい声で表現するHaruのトラックとの相性の良さに加え、今回は緩やかなラップも聴かせる。ユニークなのは地元から東京へ出た友人に対する思いを男言葉で紡ぎ、その内容は男性視点だ。それをRINAの話すようなトーン、チルなビートと軽やかに転がるピアノリフが重さを回避している。《くだらないことで笑えた日が、なぜか今、一番恋しいよ》、誰もが一度は思い出す普遍的な感情が、春という別れの季節に寄り添う1曲になっている。10代の音楽プロジェクトという、ポテンシャルしかないthe BL00M。次々に提示するアイデアの軽やかさにも注目していきたい。

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