映画『ヒトラーに盗られたうさぎ』が11月公開 絵本作家ジュディス・カーの自伝的小説が原作

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文: 梶野有希 

世界的絵本作家、ジュディス・カーの少女時代の体験をもとに書いた自伝的小説『ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ』が原作の映画『ヒトラーに盗られたうさぎ』が11月よりシネスイッチ銀座ほか全国で公開決定。

『おちゃのじかんにきたとら』など、シンプルで味わいのあるイラストで世界中の子供や大人も夢中にしてきた世界的絵本作家であるジュディス・カーの少女時代の体験をもとに書いた自伝的小説『ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ』を原作に映画化した『ヒトラーに盗られたうさぎ』が、11月よりシネスイッチ銀座ほか、全国で上映されることが決定した。

2001年公開の映画『名もなきアフリカの地で』で第75回アカデミー賞®外国語映画賞を受賞したカロリー ヌ・リンクが監督を務めている本作は、1933年、ヒトラーの台頭によってナチスが政権を握る直前にその迫害から逃れるために家族とともに故郷ドイツを出国し、スイスとフランスを経て1936年にイギリスへと渡ったジュディス・カー自身の少女時代の過酷な逃亡生活の体験をもとに、9歳の少女アンナが貧困や差別などの困難を乗り越えながら家族との絆を深めていくストーリー。

2019年クリスマスシーズンにドイツで公開された際には『スター・ウォーズ/スカイウォー カーの夜明け』『アナと雪の女王2』『ジュマンジ/ネクストレベル』などハリウッド超大作がひしめく中、大 ヒットを記録している。

映画では、これまでのドイツでの恵まれていた生活から一転して生活が困窮、しかも国を渡るたび、言葉も友達もすべてゼロからスタートするという経済的にも精神的にも辛い 生活の中で“明るい絵”を描けなくなってしまったアンナが、優しい父の言葉や家族の愛情に後押しされ「失くしたって平気」「新しいものを見つけるから」と言えるほど、どんな環境でも前だけを向いて歩き、そしてどんどん強くたくましく成⻑していく姿を捉えている。

主役である9歳のアンナ役は、1000人ものスカウトから見出された新人のリーヴァ・クリマロフスキが務め、どんなに過酷な状況に出会ってもまっすぐに前を向く少女を瑞々しい感性で演じきっている。アンナの父役は2015年に公開された『帰ってきたヒトラー』でヒトラー役を務めたオリヴァー・ マスッチ、母役はカーラ・ジュリ、アンナとその家族を常に気に掛ける心優しいユリウスおじさん役はユストゥス・フォン・ドホナーニ、そして、アンナの兄マックス役はマリヌス・ホーマンがそれぞれ担当している。

またナレーションは女優・タレントの三田寛子が務め、本作で映画の予告のナレーション に初挑戦となっている。実際に3児の母親として奮闘する姿が、どんなに辛い環境でも強く、同時に優しさも忘れず生き抜こうとするアンナや家族の姿とリンクすることから起用が決定したそうだ。

三田寛子よりコメント

母親の明るく強く家族を支える姿と、平和な日常の暮らしが奪われても、例えゼロからの出発になろうとも、希望を持ち続け、無くしても再び見つけ出せると信じる事の大切さを10 歳の少女が時代を超えて教えてくれました。

あらすじ

1933年2月。ベルリンに住む9歳のアンナは、兄のマックスや友人とともにカーニバルを楽しんでいた。しかし、同じ夜クラシックのコンサートに行く準備をしていたはずの両親はなぜか出掛けないまま、深刻な顔で話し込んでいた。

翌朝アンナは「家族でスイスに逃げる」と母から突然告げられる。ユダヤ人で新聞やラジオでヒトラーへの痛烈な批判を展開していた辛口演劇批評家であるアンナの父は、“次の選挙でヒトラーが勝ったら反対者への粛清が始まる”という忠告を受けており、ヒトラーの勝利が現実味を帯びてくるにつれ密かに亡命の準備を始めていた。

住み慣れた家を離れる際「持ち物は一つだけ」と母に告げられたアンナは、大切にしていた“ももいろうさぎ のぬいぐるみ”、お手伝いさんのハインピー、食卓、書斎、ピアノ、台所…一つ一つに別れを告げ、わずかな荷物だけをもって家族とともに逃げる様にドイツから出国する。

それはそれまで何不自由なく暮らしていた彼女の平和な家族の風景が一変し、この日を境に過酷な逃亡生活へと足を踏み入れていく。これはスイスを皮切りに、フランス、イギリスへと続いていく⻑い逃亡生活の旅の始まりだった…。

映画『ヒトラーに盗られたうさぎ』

11月 シネスイッチ銀座ほか全国順次公開

監督:カロリーヌ・リンク(『名もなきアフリカの地で』)
脚本:カロリーヌ・リンク/アナ・ブリュッゲマン
出演:リーヴァ・クリマロフスキ・オリヴァー・マスッチ・カーラ・ジュリ
2019 年/ドイツ/ドイツ語/カラー/スコープサイズ/5.1chステレオ/119 分/原題:When Hitler Stole Pink Rabbit/映倫 G 後援:ゲーテ・インスティトゥート東京 配給:彩プロ (c)2019SOMMERHAUS FLIMPRODAKTION GMBH/LA SIALA ENTERTAINMENT GMBH / NEXTFILM FILMPRODAKTION GMBH&CO.KG/WARNER BROS.ENTERTAINMENT GMBH

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