キヲク座セレクト『響きの中に入り込む』Mutemath、Savath & Savalasなど | 3月連載3/3

Rensai

文: Kou Ishimaru 

毎回セレクターがDIGった(=選んだ)楽曲をコメントと共に紹介する、毎週更新のプレイリスト連載企画。日本の童謡をリハーモナイズして演奏するユニット・キヲク座がセレクトしたプレイリスト『響きの中に入り込む』を今月3週に渡ってお届けします。

キヲク座が選ぶ『響きの中に入り込む』

All or Nothing / Mutemath

U.Sインディーロックバンド・Mutemath(ミュートマス)の3作目のアルバム『Odd Soul』(2011年)から。シンセやエフェクトがかかったドラムに伸びやかなヴォーカル…と書くと、口(耳)当たりが良さそうで(実際に良いのだが)、なんだか、どこかひと癖あるのだ。曲の後半は前半からのメロディーを受け継いで、巧妙に展開していくのだが、やはりどこかひと癖ある…。その感じを聴き取りたくて、ついつい、また再生してしまう。

Transportation Theme / Savath & Savalas

Prefuse73Delarosa and Asoraなど数々の名義で活動する米国アトランタ出身のScott Herren(スコット・ヘレン)のプロジェクトの2000年の作品。聴いたのはリリースから数年後であったが、生の楽器が主体でなくても、ここまで機微をうがつような音を紡ぐことができるのか、と非常に感銘を受けたのを鮮明に憶えている。歌がないことも、また余計にこの曲含めアルバム全体に、そこはかとなく神秘的な雰囲気をもたらしている。

Harvest Moon / Casandra Wilson

少し分かり難いリズムや響き(コード)が続く曲を「浮遊感のある」と表現されることがある。言いたいことは分かるし、自分も時に使ってしまうけれど、ひと括りに安易にそう言われると納得できないことがある。その響きの中にある音の一粒一粒に隠された美を見つけるか、否かはその人自身にかかっているからだ。米国ジャズシンガーの大御所、Casandra Wilson(カサンドラ・ウィルソン)によるNeil Young(ニール・ヤング)のカバー曲には、あらゆる瞬間にそれが詰まっているようだ。

Sometimes It Snows In Apri / Meshell Ndegeocello

ベルリン生まれ、スワヒリ語で「鳥のように自由」という意味の名前で活動するMeshell Ndegeocello(ミシェル・ンデゲオチェロ)による作品『ventriloquism』(2018年)より、Princeのカバー曲。素晴らしい音楽には曲や作品の中に“言葉にできない色々な感情が編まれている”と感じることがある。この曲もそれ自体はスローで、原曲のコードを大幅には変えていないのに、今の空気を確かに捉えて、何かが編まれている。本人曰く「私の人生は常に変化していて、喜び、達成感、失敗、そして悲しみで満ちているの。…(引用)」やはり、心に響く。


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キヲク座 Profile

2012年、日本の童謡をリハーモナイズして演奏するユニットとして結成。
2015年、” 自分たちの聞きたい作品を作る” ことを追求し、メンバーが尊敬しファンであった ジョン・マッケンタイアやジョージ・タンデロ、オノセイゲンらを制作に迎え「色あはせ」を 発表。菊地成孔、堤幸彦監督、空気公団らが大絶賛のコメントを寄せた。
2016年、「遊山」を制作。ライナーノーツを菊地成孔が執筆している。 2017年、六本木アートナイトにて「にゅーKEN-KEN-PA!」を企画・実演。
2018年2月、配信限定シングル「北風小僧の寒太郎」をリリース。世界遺産の富岡製糸場で ミュージックビデオを撮影。 4月、レコードストア・デイ限定商品としてLP「第一集」と7インチ「こきりこ節 / こきりこ節 dub verion」がリリースされた。
6月、配信限定シングル「ひらいたひらいた」をリリース。 2019年、NHK名曲アルバムで「まどみちおメドレー」を制作。

RELEASE INFORMATION

『春が来た』

2021年3月31日(水)
デジタル配信
キヲク座

童謡を再構築する音楽家集団「キヲク座」が、12ヶ月連続で毎月1曲季節の歌を配信する”Songs of KOYOMI”。

第一弾となる4月は「春が来た」。

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