gbが芯をもって切り拓く新境地

Review
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はgbをご紹介します。

鋭くもあたたかいエネルギーを

東京を拠点に活動するシンガー/ラッパーでありながら、プロデューサーや作詞家としても活動するgb(ジービー)。オーガニックなサウンドメイクからカラフルなポップソングまで手掛けられる音楽的な幅広さと、等身大の眼差しで生活の中に光を探すリリックによってリスナーの心を惹きつけ続けている。

最新シングル「mada」はこれまでの「gbらしさ」と、それとは印象の異なる目新しさ、どちらもを持った鮮烈な作品である。
これまでの楽曲では、リラックスしたムードの中でさまざまな視点から日常を切り取り、時には優しくポジティヴに、時には少しの諦めとともにのんびりと日々を肯定する、その手触りにひとつの「gbらしさ」が宿っていた。対して今作では、焦燥を煽るような鋭利なギターリフにタイトなビート感、ドラマチックなアレンジなど、スケールの大きさを感じるトラックメイクが力強く印象に残る。また、英語と日本語が入り乱れ、サビでは「まだまだ」というキーワードがリフレインするリリックも、思わず背筋が伸びる響きを持って放たれている。

それらは新鮮な鋭さを持ってリスナーの心へ届くが、その先に待ち受ける余韻は、いつものgbの楽曲を聴いた後の感覚と変わらない。自然と前を向きたくなる、また暮らし続けるためのエネルギーがどこからか湧いてくる、確かなぬくもりを持った余韻だ。間違いなく新境地でありながら、変わらない芯を持った1曲がここに誕生した。

gb

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