心を浄化していく、ゆうさりの清らかさ

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はゆうさりをご紹介します。

淀んだ心を溶かして

空気の澄んだ場所へ降り立つと、深く息を吸いたくなることはないだろうか。浄化されたいと疼く体や心は、無意識に澄み切った酸素を渇望し、体の内側から全てを清めようとする。では、清らかな音楽と出会ったときはどうだろう。やはり私たちは無意識に、自身を清めようとして、音楽のなかに沈んでいくのではないだろうか。

埼玉県在住のniikawa rikoによるソロプロジェクト、ゆうさりの紡ぐ音楽は、まさしく聴いているだけでデトックスされていくような心地になる。ローファイやアンビエント、フォークなどの系譜に連なる、幻想的で透き通った世界。熱心に語り掛けるでもなく、訴えかけるでもなく、等距離から淡々と紡がれていく情景が淀んだ心を溶かしていくのだ。

先日配信が開始された「朝の清冽」は、清らかに澄んで朝の光景を緻密に描いた1曲。鍵盤やエレキギター、パーカッションなどの音色が、彼女の歌声の厳かさをより強調する。静かさのなかに優しくも力強く内包された熱に、触れてほしい。

ゆうさり

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