情景も感情も物語も、zezecoは音で語る

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はzezecoをご紹介します。

細部に美学を宿らせて

ポストロックバンドdownyの中心メンバーである青木ロビンと沖縄を拠点に活動するテクノアーティストManukanからなる2人組ユニット、zezeco。ノイズやダブの要素を取り入れたエレクトロを軸に、構築美を感じさせる緻密な楽曲を紡ぎ出している。

先日配信が開始された「紺地金色」は、沖縄戦後復帰50周年に開催されたノンフィクショントークライブ『辺境 FRONTIER -沖縄陰陽-』のエンディング曲として制作された作品。フィーチャリングには沖縄を代表するラッパーのRITTOを迎え、沖縄の持つ複雑な歴史や深い誇りに想いを馳せると共に、未来への希望を託す1曲へと仕上がった。

入り組んだ音の粒は一筋縄ではなかった沖縄の歴史を物語るようであり、幻想的なシンセサイザーは祈りをささげるレクイエムのよう。テクニカルかつ複雑なトラックに、クールなウチナーラップを刻みこむRITTOのスキルは圧巻だ。4月にはLP盤も発売されるそうなので、そちらも楽しみに待ちたい。

zezeco

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