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アメリカやUKを中心とした現行の洋楽ポップス、K-POP、インディロック、2000年代のUKロック――そういった多彩なジャンルを巧みにまとめてみせた作品、それが大阪発のスリーピースバンド・Re:name(リネーム)が2月26日にリリースした最新作『GENIUS FOOL』だ。
「Genius(天才)」と「Fool(馬鹿)」という相反する言葉を組み合わせたタイトルからも想像できるように、本作はソングライターである高木一成(Vo.)の“天才的な存在に憧れて、馬鹿みたいに必死になる”という葛藤の末に生まれた全12曲を収録。TikTokでヒットした「24/7」や、携帯電話サービス「mineo」のCMソングに起用された「Donut Song」、全国のラジオ局でパワープレイされた「Magic Hour」など、本格的なブレイクを前にした彼らの勢いを裏付ける楽曲も並ぶ。また、人工歌唱ソフトウェアの可不をフィーチャリングにした「Vague」や、打ち込みのナンバー「TOY」「gen!us」といった実験的なナンバーも収めた意欲作でもある。
彼らの音楽性が解き放たれた背景には、近年の制作方法の変化もあるという。結成9年目の今、メンバーそれぞれがRe:nameというバンドに抱く想いについて伺った。
ー2024年4月の「Donut Song」配信リリース時のインタビューで「音楽性が幅広くなった」という話がありましたが、あのときはまだ序章だったんですね。今作の音楽性の多彩さはもちろん、リリースのペースの早さにも驚きましたが、アルバム制作に意識を向けたのはいつ頃だったんですか?
ヤマケン(Dr.):
アルバムの存在自体は、『Give Me All Of Your Life』(2024年2月リリース)が出る前にレコーディングした「Donut Song」を作ったときからなんとなく頭にはあって。コンセプトができた時期で言うと、去年の夏とか秋ですかね。高木一成(Vo.):
そうだね。そのときにタイトルも決めました。このタイトルは、天才という意味の「Genius」とバカという意味の「Fool」を掛け合わせていて、僕が音楽を作るときに感じていることを表しているんです。僕は「このアーティスト、天才やなぁ」「こんなふうになりたい」って影響を受けて曲を作ることが多くて。でも才能って生まれ持ったものだから、あとから「天才になりたい」って必死に目指す様子がすごくバカっぽくていいなと思ったんですよね。そうやって葛藤する中で生まれた曲がこのアルバムに入ってて。僕の場合は音楽ですけど、音楽以外にも何かを作る人が同じようなことを考えていたらいいなと思いました。Soma(Gt.):
いつもアルバムを作るときは、一成がコンセプトをまとめた企画書みたいなのを送ってくれるんですよ。それを見て「今回はこの感じでいろいろ作っていくんや」と思って、すごくワクワクしましたね。僕は映像制作もやったりするので、「こういうイメージが合うんかな」ってアイデアを膨らませたり、そういう意味でもアルバムがどんどん始まっていく感じがしました。高木一成(Vo.):
「ジャケットはこういう構図でメンバーがこう写ってて」とか「服はこういうテイストでいきたい」とか、そういうのも一緒に送るんですよ。アルバムのコンセプトとジャケット、アーティスト写真をリンクさせて「ここからRe:nameはこういう時代に入っていく」というカラーを全部(作品ごとに)変えたくて。そのときそのときで一貫性を持たせたいんです。そういうアイデアもまとめて送って、ふたりが「いいやん」ってなったら、やっと動き出す感じですね。ーそこまで一成さんがカッチリ決めるんですね。
高木一成(Vo.):
前は3人で話しながら考えることもあったんですけど、そういうときも最初のアイデアは僕の考えたやつを優先してくれてて。3人で意見を出しながら進めるのもいいけど、時間がかかるし、最終的に僕のアイデアをふたりが優先してくれる環境なら、僕のやりたいことを全部ぶつけて意見をもらったほうがスムーズかなって。ー楽曲に関しても、前のインタビューでSomaさんが「一成がデモをしっかり作ってくれる」と話してましたよね。
高木一成(Vo.):
考え方は一緒ですね。たぶん僕らは他のバンドと比べるとスピード感が早いんですよ。それは最初に僕が出せるアイデアを全部出しきって、そこにふたりのアイデアを入れて完成させてるから、ラリーが少なく済むというか。だから今回も1年ぐらいでこの曲数ができたのかもしれないです。ーヤマケンさんは、最初の段階でコンセプトなどを聞いて、どのように感じましたか?
ヤマケン(Dr.):
僕は「自分は今こう思ってるんだ」というのをめっちゃ発信したい性格で。だけど一成は、きっと思ってることはいっぱいあるんだろうけど、それを発信したい性格ではたぶんなくて。今作では「gen!us」にアルバムのコンセプトが詰まってるんですけど、それも歌詞を見て知るんですよね。一成の言いたいことって英詞に詰まってることが多いので、和訳を見るタイミングで「今、一成はこういうことを思ってるんだ」って感じるし、そうやって一成を知れるのは楽しいですね。高木一成(Vo.):
なんか、恥ずかしいですね(笑)。ーメンバー間であまりそういう話はしない?
高木一成(Vo.):
遠征で車で帰ったりしたときに、私生活の話はめっちゃするんですよ。でも曲に入っているのってより深い思想というか、“特に言う必要もないけどリアルタイムで感じていること”が一番濃く出るので、歌詞にしか入らないんだと思います。ー「gen!us」はアルバムのコンセプトを如実に表していて、一成さんの作り手としての葛藤が感じられます。その想いは他の曲にも漂っているように思いました。
そうですね。「gen!us」は天才に憧れるけど「近づけてんのかな?」みたいな葛藤を入れていて。アルバムのコンセプトが決まってから作った曲に関しては、そのテーマに沿った歌詞の内容になってるかなと思います。
ー昨年リリースの『Give Me All Of Your Life』より前の話に遡るかもしれませんが、音楽性が広がるフェーズに至ったのは、何かきっかけがあったんでしょうか?
高木一成(Vo.):
明確にあるのは、コロナ禍の2020年にDTMを触る時間がめちゃくちゃとれたことで。もともと僕のルーツはチャートに上がるような“みんなが好きな洋楽ポップス”だったんですけど、それを自分が再現できる範囲でRe:nameの楽曲に落とし込んでいたので、スリーピースのシンプルなロックサウンドになってたんです。でも、その時期に曲作りやミックスに向き合えるようになって、表現できる手札が増えて、よりクリアに自分がやりたいことを再現できるようになって。だんだん音楽性が違ってきた感じに聴こえてるかもしれないですけど、バンドを始めた当初から目指してるところや作りたいものは一緒なんです。憧れてたポップスにより近づいてきたっていう感じですね。ーやっぱり、現在世界で流行ってる音楽を意識して作ることも多いですか?
高木一成(Vo.):
そうですね。常に新しい音楽への嗅覚は鋭くいたいなと思ってます。中学1年生のときにOne Direction(ワン・ダイレクション)にハマって、そこからJustin Bieber(ジャスティン・ビーバー)、Ed Sheeran(エド・シーラン)以降の洋楽ばかり聴いているので、最新の音楽のインプットはずっとしていて。特に2〜3年前からK-POPの勢いがすごくなっていて、今回のアルバムもそれに影響を受けてるところがあります。「TOY」は思いきりその要素を入れたり、最新のものへの探求心はずっとあるかもしれないです。ー前回のインタビューで「K-POPっぽいものをやりたい」とおっしゃっていたから、「TOY」を聴いたときに「これか!」と思いました(笑)。
高木一成(Vo.):
そうですね(笑)。やっと形にできた感じです。ーバンドでこういった音楽にチャレンジするのは勇気が要りますよね。
高木一成(Vo.):
何年か前から振り切れたところがあって、コロナ禍で手札が増えたのは制作だけじゃなくてライブもなんです。同期音源とか、3人の演奏だけじゃない音を混ぜてライブ表現するのも同時期に取り入れ始めて「こうなったらもう無限やん」ってなりました。そこから曲作りも縛られるものがなくなったというか。「バンドってその場にある楽器の音だけで表現するべきや」という縛りがなくなったことで、ライブで3人以外の音が使えるなら一旦ライブのことは考えずに曲を作ろうって思えました。Soma(Gt.):
「TOY」はそもそもギターがないから、「ライブでは踊ったらいい?」みたいな話もしたもんね(笑)。高木一成(Vo.):
ライブ用のギターアレンジも考えないとな。Soma(Gt.):
ライブではギターも入れようと思います。まあでも、ライブバージョンでアレンジしたりとか、なんとかできるなって気持ちは確かにありますね。曲がいいほうが絶対いいし、もうライブのことは気にせず作ってもらえたなって。ードラムも考え方は同じですか?
ヤマケン(Dr.):
コンセプトを一成がまるっと考えるようになった話と共通しているんですけど、Re:nameは今のやり方がすごく良くて。言い方が難しいんですけど、ドラムに関してもある種仕事人としてというか「俺は受け取ったものをやる」という形なので、「一成も自由にクリエイティブしてください」という気持ちです。もちろん「どこに自分を見出そうか」みたいな悩みは一時期あったけど、そういう中で作詞したり新しい一面を見つけて自分を出しているし、ドラムに関しては「ドンと来い」という気持ちでいますね。ー本作で特にインパクトがあったのは、人工歌唱ソフトウェアの可不をフィーチャリングした「Vague」で。どのような経緯で制作したのでしょうか?
高木一成(Vo.):
最初に僕が歌ってるデモをワンコーラスふたりに送って、そのときは「突き抜けてはないけどまあいいね」みたいな感じだったんです。同時期に可不を知って、「『Vague』ってアニソンっぽいな」という感触があったので、試しに歌わせてみたんですよ。AIの技術ってすごくて、メロディと歌詞を打ち込んだだけでもサマになって。でも完全に可不に歌わせるのはRe:nameがやってることと違うかなと思ったので、僕と交互で歌ってみたら「いいな」ってなりました。ー可不の声が入ることで曲の質感も普段と変わると思いますが、Somaさんやヤマケンさんがレコーディングで意識したことはありますか?
ヤマケン(Dr.):
どの曲もそうですけど、毎回デモがしっかりしてるから、一成のやりたい世界観が見えやすいんですよ。それを優先するのがまず一番で。この曲をRECで叩いたときは『ぷよぷよ』をやっているような感覚を意識しましたね(笑)。それがどこまでフレーズに反映されてるかはわからないし、直接活きたわけではないんですけど、そういう一成のデモで見えた世界を描きながら叩いた感じですね。Soma(Gt.):
この曲に関しても、リードを含めて全部一成がフレーズを作ったので、僕もそれを「邪魔しないように」「この曲に合うように」と意識してレコーディングに臨みましたね。ー今回も、打ち込みの曲以外は一成さんのデモに沿ってSomaさんとヤマケンさんが演奏していく感じでしたか?
高木一成(Vo.):
最近はずっとそのやり方でやってますね。ー前は、ヤマケンさんやSomaさんのアイディアを入れる曲もあるとおっしゃっていましたが、今作でそういう曲はありますか?
ヤマケン(Dr.):
一成はドラムの経験がないから、たまに「ここのフィルは自由に」という曲もあって。今回で言うと「Living Fool」がそうなんですけど、そういうところは自由度があるので、一成からもらったリファレンスを聴きながら自分なりにフィルを入れました。そうしたら一成から動画が送られてきて。「これは最高や!」みたいな。高木一成(Vo.):
その説明だと、俺がビデオメッセージを送ってるみたいになる(笑)。DTMの画面を録画して送ってるんですよ。「この部分はいいけど、ここはデモ通りに」みたいなやりとりをして、それぞれの家で(フレーズ作りが)完結するようにしてて。そのときに「ここはいいですねぇ」って言いながら、喋ってる動画を送ったんです。ヤマケン(Dr.):
お褒めの動画をいただきました(笑)。Soma(Gt.):
ギターは、このアルバムで唯一のソロが「Saturday, Sunday.」にあるんですけど、ざっくり「こんな感じで弾いて」ってイメージだけ言われてたので、それを踏まえて好きに弾いた感じですね。ー本作のギターのアプローチはシンプルで、歌を立てているように感じました。
Soma(Gt.):
やっぱりポップスに寄れば寄るほどギター(が前に出る場面)って減っていくと思うし、出すぎるのも曲の形を崩してしまって良くないなぁと。性格的にも僕はそんなにガンガン前に行きたいタイプでもないので、カッティングの要所で自分っぽさが出たらいいなと思ってます。一成が作ったデモを聴いて、その表現の中で「一番バランス的にいいところにいよう」みたいな。出るところは出るけど、端で添えてるぐらいでいいなら、もうそこにいようって意識しているかもしれないです。ー出すぎても引きすぎてもバランスが悪くなってしまうことがあるし、ポップスにおけるギターって立ち位置が重要ですよね。
Soma(Gt.):
そうですね。でも、最近ちょっと難しいなと思う部分も確かにあります。前はがっつりバウンドサウンドだったんで、ギターが占めるウエイトがデカいところがあったと思うんですけど、今はシーケンスとかも入ってきてて、それこそ「TOY」みたいにまったくギターが入らない曲もあるんで。でも、そこに関して「絶対にギターを入れたい」とか、そういうのはないかもです。「曲とかアルバムとして良ければいい」っていうのが一番重要だと思ってます。ーギタリストというよりはRe:nameのメンバーとしての意識が強い?
Soma(Gt.):
確かに、そっちのほうが強いかもしれないですね。ーヤマケンさん作詞の3曲は、三部作のような印象を受けました。
ヤマケン(Dr.):
そうなんですよ。「Donut Song」は恋してる時期の歌で、「Magic Hour」は別れた男女の歌、「Happy End Roll」は別れたけどその先のハッピーエンドという光を描いている、みたいな。でも曲ができた順も「Happy End Roll」のほうが「Magic Hour」より先でしたし、ひとりの主人公が恋して別れてその後に進んでるみたいに見えるな、っていうのはあとから気づきました。歌詞の書き方としても、一成のデモにフェイク英語みたいなのが入っていて、その中で感じた世界や景色から「この景色やったら、今自分が書きたいテーマの中からこれが合うな」と決めて書いていくので「自分の恋が楽しいから恋のことを書く」とかではないんですよね。ー「Donut Song」のときはひとりの方に向けて歌詞を書いたとおっしゃっていましたが、他の2曲も対象は同じでしょうか?
ヤマケン(Dr.):
それは全然違ってて。今ひとりの主人公が…みたいな話をしましたけど、「Magic Hour」は主人公がふたりいるし、明確に自分が主人公みたいな感じで書いているのは「Happy End Roll」だけかもしれなくて。ーそれはショックを受けてしまいますね。
ヤマケン(Dr.):
そういった二つの経験を通して、このアルバムでは「自分たちの曲が誰かの生活に入り込む可能性があるんだ」っていう意識がずっとあったんです。そこが一本軸というか、ある種の“対象”として歌詞を書いてたような気はしますね。ー今作はさまざまな挑戦を行なっているので、制作を経て気づきもあったのではないでしょうか?
高木一成(Vo.):
それこそ最初に言った「天才やな」と思ってるアーティストをリファレンスにしたときに、それがどれだけ違うジャンルであっても、曲に落とし込んで3人でアレンジしたら、もうRe:nameの音になるなって思いました。今回のアルバムで好きなことを全部やったぶん、その気づきは大きかったですね。これからも恐れずにいろいろできるなって。ーもっと振り切れるかもしれない、と。
高木一成(Vo.):
いけますね、これは。こんだけやったらもういけます。ヤマケン(Dr.):
僕は今回のアルバムに限らず「Re:nameってどういうバンドなんだろう」というのを常に考えてて。なんとなく思ってるのは、一成が作ったデザインや曲があって「Re:nameというものをみんなで遊ぶ」というのが一つの正解なんじゃないかなって。だからこのアルバム自体も幅が出るし、MVで言うと、たとえば「BABY BOY」は前からずっと一緒にやらせてもらってる映像監督とやったり、「Vague(feat. 可不)」はイラストレーターの人にイラストをお願いしたり、「Saturday, Sunday.」はSomaが編集したり。「TOY」はイギリスで映像の仕事をやっている、僕と一成の高校の友達に頼みました。一回も会わずに「自由に『TOY』で遊んでくれ」みたいな感じで作ってもらってて。ーRe:nameの曲は、ある種の素材というか。
ヤマケン(Dr.):
そうですね。さっき「ドラムとギターは一成のやりたい世界を大事にしている」と話しましたけど、まずRe:nameの本体(曲)はその考えで作ってて。で、僕の作詞とかSomaの映像制作は、本体ができ上がったRe:nameを「じゃあ僕バージョンで遊びます」みたいな感じで関わる。今はそれがRe:nameの正解で、目指す一つの方向性なのかなって。それがわかった一枚のような気がします。ーSomaさんはいかがでしょうか?
Soma(Gt.):
ヤマケンが言ったみたいに、今回のアルバムの曲では映像をいっぱい出してて。僕も映像を3つ作ったし、他のクリエイターに頼んだ映像も自分にない視点がすごく面白くて。「Vague(feat. 可不)」はイラストをイラストレーターの人に頼んで、僕がリリックビデオに編集したんですけど、ボカロのMVってアニメーションのクオリティが高いのが多くて、そこでまた扉を開けて。成長がすごいというか、リリースごとに楽曲はもちろん映像表現も強くなっているというのが顕著だったアルバムかなと思います。やりたいことがめちゃくちゃ表現できたなって。ーアルバムの中で特に思い入れのある曲も伺いたいです。
ヤマケン(Dr.):
「Happy End Roll」は、一成から曲をもらったときに“教会”“優しい”みたいなイメージを感じたので、それをわかりやすくストレートに入れました。この曲で言いたかったのは《街の中で、君の歌が少し流れて それだけで良いと思った ハッピーエンドは僕だけが知ってる》のところで。実際に街でこの曲が流れて、それを聴いた人にとって「しんどい」と思った世界がちょっとでも軽くなったらいいなと思ったんです。高木一成(Vo.):
僕は「sorry my bad :(」 が好きですね。この曲と「Donuts Song」はシンプルなバンドサウンドで、特に「sorry my bad :(」はギター、ベース、ドラム以外の音を使ってなくて。The Strokes(ザ・ストロークス)とかUKのバンドを初めてリファレンスに取り入れてみたんですけど、今回のアルバムは現行の音楽を取り入れた曲が多いので、「sorry my bad :(」みたいな曲が『GENIUS FOOL』に入ると逆に映えていいなって。最近のサウンドを取り入れたアルバムの中で、ストロークスのような過去に聴いてた音楽を僕なりにアレンジできたのはいい挑戦だったし、蓋開けてみると面白く聴こえたので、自分としてもかなり好きです。最後にできた曲というのもあって、コンセプトが曲にも反映されているかなと思います。Soma(Gt.):
僕は1曲目の「BABY BOY」ですね。この曲はRe:nameの王道の最新形が表現されていると思いますし、ライブでも盛り上がりそうなのですごく楽しみな曲です。アルバム全編の中で最初に鳴る音がギターイントロっていうところも好きで。イントロに関しても試行錯誤してこだわりました。機械的に鳴るギターフレーズを人力ですべて弾くのか、エフェクトをかけてきれいに揃った状態でやるのかをデモの段階から録って比較して、一成にも聴いてもらって。オートチューンが入っているので機械的なほうが合ってるかなと思って最終的にはエフェクトをかけたんですけど、いろいろ考えましたね。だから思い入れが強いです。ーライブで聴くのが楽しみです。3月には東京・大阪でのワンマンも控えていますね。
高木一成(Vo.):
東京と大阪の両方でワンマンライブをするのは初めてで、『GENIUS FOOL』は曲数も多いですし、余すことなく表現したいなと思ってます。何より東京の渋谷クラブクアトロは僕らとしても一番キャパが大きいので、大きい会場でも魅せられるようにセットリストを今詰めているところですね。ー過去曲で演奏してほしい曲を投票で募ってましたよね?
高木一成(Vo.):
そうなんですよ。蓋を開けてみたら、一番古い曲が1位だったので嬉しかったですね。6位までの曲を、東京・大阪でそれぞれ3曲ずつやる予定で、セットリストも違うので、そこも楽しみにしてほしいですね。両方来ても面白いワンマンにしたいと思ってます。ー来年で結成10周年を迎えますが、節目に向けて展望はありますか?
高木一成(Vo.):
あんまり先のことは具体的に考えてなくて。ずっと言っているのは海外に届くと嬉しいなということで、海外のステージに立つのも一個の夢なので、10周年の節目で叶えば最高やなと思いますね。Soma(Gt.):
全国の有線で僕らの曲をかけてくれてるので、全国ツアーとか、行ったことがない地方でライブしたいですね。10年やってきて、日本全国で僕らの曲がかかってるというのが、始めた当時だったら考えられなくて。そういうのをライブで目の当たりにしたいです。ヤマケン(Dr.):
去年、地元で高校生の頃から一緒にやってたBye-Bye-Handの方程式とanicaと一緒に<REUNION / REBLEND>というスリーマンイベントをやったんですけど、そこに高校時代の僕らを知ってるお客さんも来てくれて。もう9年目なのに「最初の頃のCD持ってます」って言ってくれたり、3月のワンマンに向けた投票でも古い曲が1位になったりして、そういう一つひとつがすごく嬉しいんですよね。ーファン層も広がっているのに、初期の曲が1位になるって素敵なことですよね。
ヤマケン(Dr.):
そうなんですよね。最初の頃に出会ってくれたみなさんが離れてないのは嬉しくて。普通は新しい曲ができていく中で離れていって、また新しいバンドを見つけて…っていうのをバンドシーンとお客さんの中で繰り返すと思うんですけど、そこでRe:nameがずっと好きなバンドとして存在できているのは、他のバンドにはあまりない強みなのかなって思います。さっき言った「Re:nameで遊ぼう」という気持ちに、いい意味で巻き込まれた人たちというか、そのひとつの円だったり球みたいなものが、どんどん大きくなってきた9年だなという実感があります。なので、「10年でこれだけ大きくなれたね」っていう気持ちをみんなで確かめられる1年にできたらいいなと思いますね。INFORMATION
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New ALBUM『GENIUS FOOL』
2024年4月10日(水)リリース
レーベル:〈Lukie Waves〉
CD:PCCI_00023/¥3,300(税込)
配信リンク【収録曲】
01. BABY BOY
02. Vague (feat. 可不)
03. Living Fool
04. Magic Hour
05. 24/7
06. Saturday, Sunday.
07. gen!us
08. Donut Song
09. sorry my bad :(
10. TOY
11. Not a Love Song
12. Happy End Roll
13. Light (Genius ver.) ※CDのみ収録のボーナストラック<New Album『GENIUS FOOL』LIVE TOUR 2025『Genius Baby’s』>
2025年3月15日(土)at 大阪・心斎橋 Music Club JANUS
OPEN 17:15/START 18:002025年3月28日(金)at 東京・渋谷 SHIBUYA CLUB QUATTRO
OPEN 18:15 / START 19:00チケット:¥4,200+1D
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