Beat Tape解剖 |GREEN ASSASSIN DOLLAR『EAR WAX BEATTAPE』

Column

文: アボかど  編:DIGLE MAGAZINE編集部

音楽ブログ「にんじゃりGang Bang」を運営するアボかどが、ヒップホップのビートテープを紹介。舐達麻のプロデュースをはじめラッパーとの制作も数多く行う神奈川出身のトラックメイカー・GREEN ASSASSIN DOLLARによる『EAR WAX BEATTAPE』をピックアップ。

多くの才能がひしめき合う国内ビートシーン。そのトップランナーの一人が、神奈川出身で海外リスナーも多く抱えるGREEN ASSASSIN DOLLARだ。舐達麻のプロデュースやrkemishiと組んだユニットのowlsなど、ラッパーとの制作も多く行っているが、それ以前から現在に至るまで膨大な数のビートテープをリリースしている。内容も常に高い品質をキープしており、まさにビーツ・アディクトと呼ぶにふさわしい人物だ。

聴く者を引き込むGREEN ASSASSIN DOLLAR

GREEN ASSASSIN DOLLARの魅力としては、ループの美学と、抜き差しやエフェクトの巧みな使い方、そしてメロウな感性などが挙げられる。これらの要素を基本にしつつ、作品によって異なるアプローチを聴かせてくれる。owlsの作品ではrkemishiのキャラクターに合わせたハードなビートも制作し、舐達麻の作品ではラップの哀愁を引き立てるエモーショナルな作風を披露している。そして、もちろんソロで発表するビートテープでも毎回違った表情を見せてくれる。

ラッパーとの作品にも素晴らしい楽曲は多い。音楽ブログ「にんじゃりGang Bang」(つまり私)が2015年に行ったインタビューでは、ラップが乗る曲とインストの曲を作る時の違いについて「他の人がどうかはわかんないですけど、俺は違いはないですね。あんまり考えてないです」と話している。ビートテープに収録されたビートにラップが乗って発表された例も何回かある。しかし、ビートそのものの魅力を味わうには、やはり単独でのビートテープを聴くのが一番だ。「イェー」や「アハン」などのガヤやソウルフルな歌のサンプリングを効果的に用いたそのビートは、ラップが乗らないからこそ輝く瞬間が多くある。

次ページ:スウィートな前作から変わり、暖かみのある音像にまとめあげられた『EAR WAX BEATTAPE』

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