制約が表現の幅を広げる?チップチューンの魅力とは|Music DNA #003

作編曲家・ギタリストの田村つくねさん。Mr.Childrenの「innocent world」「Tomorrow never knows」をきっかけとして音楽に傾倒。初めて買ったCDはスピッツの「インディゴ地平線」。学生時代は、LUNA SEAやX JAPANなどに夢中だったそうです。 GARNiDELiA、フラット3rdのライブサポートなどを経て、現在はチップチューナーとして楽曲制作・映像制作などをされています。つくねさんの自宅スタジオを訪問し、チップチューンの魅力について語っていただきました。

ゲーム音を組み合わせて奏でる「チップチューン」とは?

ー初めに、チップチューンというジャンルについて教えてもらえますか?

シンプルに言ってしまうと、レトロなPCやゲーム機、代表的な物ですとファミコンやゲームボーイなどで使われているような音を組み合わせて作る音楽ですね。音楽ジャンルの1つで、ピコピコとした、「ピー」「ポー」っていう音を中心に組み合わせて曲を作るんです。

チップチューン界でメジャーなのは、YMCKさん。世界的に活躍している音楽ユニットで、ポップなサウンドにスウィング・ジャズやボサノバの要素を加えた作風が特徴なんです。楽曲だけでなく、ビジュアル面もかなり凝っていて、PVやジャケットには8bit調のドット絵が使われているんです。クオリティの高い世界観が魅力的ですね。

他には、ヒゲドライバーさん。メロディーがキャッチーなノリの良い楽曲を多くリリースしている方で、自身の楽曲制作以外にはリミックスや他アーティストへの楽曲提供など、幅広く活動されています。

ーつくねさんは、昔からチップチューンが好きだったんですか?

実は、チップチューンとは出会ったばかりで、新鮮な気持ちで色々な曲を掘っているところなんです。

フラット3rdという、チップチューン系バンドのサポートを頼まれたことがキッカケでハマり始めまして、それから色々な曲を聴くようになってから、徐々に自分でもチップチューンの曲を作るようになりましたね。

実は、チップチューンイベント「CHIP UNION FESTIVAL」に出演させていただいたことがあって、主催のYMCKさんや、共演したヒゲドライバーさんとはお付き合いがあるんです。YMCKさんにラジオで曲を紹介してもらえた時は嬉しかったですね。

チップチューンが同時に出せる音は3+2つのみ。

ーお気に入りの曲はありますか?

YMCKさんの52 Futuresという曲が好きです。

ファミコンって、4種のピコピコ音の内たった3つの音しか一度に出せなくて。それとは別に精度の荒いサンプリング音が1つと、ノイズが1つ出せますが、それでも合計5つだけ。YMCKさんは、大半の曲でその制約を踏まえつつも分厚いサウンドに仕上げているところがかっこいいと思っています。

音楽偏差値の高い感じというか、マニアックな玄人感のあるアレンジも多いのですが、気難しさは一切感じません。曲調も聴きやすいポップスになっているところに魅力を感じますね。特に間奏の展開がドラマチックで、徐々にテンションが上がていく感じが気に入っています。

曲のタイトル「52 Futures」も大好きで、ファミコンが画面上で出せる色の数である52色が歌詞にも取り入れられているんです。

ー4つしか音が出せないのに、あんな豊かな音が出るんですね。

そうなんです。他に僕が凄いと思ってるチップチューンアーティストは、ロボットプリンスさん。海外の方で、ギターも弾けるんですけど、今は日本にいらしています。曲がおしゃれでメロディックなんです。僕が今まで聞いていたインストのチップチューンにはなかったタイプで、とても新鮮でした。

ギターらしいビブラートを再現していて、この表現をチップチューンでやるにはかなり手間がかかるんですよ。ちなみに、ロックマンが好きな方には猛烈にオススメです!

他にも沢山、聴きやすいオススメのチップチューンをプレイリストにしましたので、ぜひ聴いてみてほしいです。きっと気に入っていただけると思います!

ファミコンポーザー田村つくねとして目指す場所は

ーチップチューン、奥が深いですね。つくねさんの今後について教えていただけますか?

ファミコンの音とスカパンクを融合させた WABISAVITA !(ワビサビータ!)というバンドを始めて、今はそちらに注力しています。凄く面白いので、早く皆さんに知って欲しいと思っています。

ゆくゆくは、チップチューンと聞いたときに最初に思い出してもらえるような存在になりたいですね。今は自分たちの作品だけでチップチューンをやっていますが、仕事として制作の依頼を受けたり、ほかのアーティストさんとコラボしたりできたらいいなと思っています。

今は、YouTubeを中心に動画に力を入れてまして。近日、アニソンや有名なゲーム音楽のカヴァーを公開し始めます。程なくして、ゲーム実況動画も沢山アップしていく予定です。

メインは音楽ですが、堅苦しく考えず色々な方向から、私達の活動はもちろん、チップチューンやゲームの面白さをお届けしていこうと思っています。まだ具体的な予定はありませんが、今後はライブもやっていきますよ!

SNSで記事をシェア

SNSフォローで
最新プレイリスト情報をゲット!

DIGLE登録で音楽生活をさらに楽しく!

詳しくDIGLEについて見る
詳しくDIGLEについて見る

この記事を作った人

WRITER

スギタヨウヘイ

1990年生まれのライター。文章を書いたり、写真を撮ったりしています。

Webサイト

PHOTOGRAPHER

etoo

音楽シェアサービスDIGLEのプロデューサー兼UI/UXデザイナー兼DIGLE MAGAZINE編集長。音楽フェスメディアFestival Lifeのディレクターとしても活動し、1年で約1カ月半はフェス会場にいる。普段はフクロウの銀次とのんびり暮らしている。

AUTHOR

Photographer

etoo

音楽シェアサービスDIGLEのプロデューサー兼UI/UXデザイナー兼DIGLE MAGAZINE編集長。音楽フェスメディアFestival Lifeのディレクターとしても活動し、1年で約1カ月半はフェス会場にいる。普段はフクロウの銀次とのんびり暮らしている。

Writer

スギタヨウヘイ

1990年生まれのライター。文章を書いたり、写真を撮ったりしています。

website

RELATED ARTICLE

Interview

結成から5年。STEPHENSMITHが野心とともに積み重ねた「実験」とは | Music DNA #24

Interview

時代に流されないメロディを。大比良瑞希の軌跡と挑戦 | Music DNA#15  

Interview

現実と非現実の交差点。メタポッププロジェクト・Frascoの誕生とシンバム戦略とは | Music DNA#23

Interview

エレクトロニカ・アーティストからロックバンド結成へ。カキモトナオが作る音楽の入り口 | Music DNA #018

Interview

23歳プロデューサー/ギタリスト・Shin Sakiuraが音楽から繋がった世界 | Music DNA #017

Interview

放課後ノリのファンクネス。ディープファン君が夢みる世界|Music DNA #007

RELATED PLAYLIST

記事関連プレイリスト

PLAYLIST
CLOSE
ファミコンポーザー&ギタリスト。SKA+8bitPunk【ワビサビータ!】や、ゲーム実況・作編曲・DJ・演奏・制作など幅広く活動している。
閉じる