枠組みに囚われず、面白いことをやりたいーーTikTokで話題の4人組・トンボコープが臨む新たな挑戦|BIG UP! Stars #105

Interview
DIGLE MAGAZINEが音楽配信代行サービスをはじめ様々な形でアーティストをサポートしている『BIG UP!』を利用している注目アーティストをピックアップして紹介するインタビュー企画。第105回目はトンボコープが登場。

平均年齢21歳の4人組ロックバンド・トンボコープ。結成1年目にもかかわらず、3rdシングル「Now is the best!!!」が注目のニューカマーを紹介するSpotifyのプレイリスト『RADAR: Early Noise』にピックアップされたほか、『バイラルトップ50 – 日本』週間ランキングにて2週連続で1位を獲得するなど、数々のトップアーティストに並んで上位にランクインし、SNSを中心に話題沸騰中のバンドだ。

そんな彼らが新曲「嘘だって」を2023年6月7日にデジタルリリースした。悪しきものとして受け止められがちな「嘘」を肯定するこの楽曲は、聴き手の心をぎゅっと抱きしめてくれるバラードとなっている。

2022年に活動を本格的にスタートさせ、これまで3曲を配信リリースしてきたトンボコープとは、どんな人がやっている、どんなバンドなのか? 新曲の話はもちろんのこと、バンドの経歴やこれまでの楽曲についても知るべく、雪村りん(Vo. / Gt.)、そらサンダー(Gt.)、林龍之介(Dr.)の3人に話を訊いた。

BIG UP!

『BIG UP!』はエイベックスが運営する音楽配信代行サービス。 配信申請手数料『0円』で誰でも世界中に音楽を配信することが可能で、様々なサービスでアーティストの音楽活動をサポート。また、企業やイベントとタッグを組んだオーディションの開催やイベントチケットの販売や楽曲の版権管理、CDパッケージ制作などアーティスト活動に役立つサービスも充実している。

さらに、音楽メディアも運営しており、BIG UP!スタッフによるプレイリスト配信、インタビュー、レビューなどアーティストの魅力を広く紹介している。

▼official site
https://big-up.style/

目指すのはRADWIMPSやBUMP OF CHICKEN

ートンボコープ結成の経緯を教えてください。

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林龍之介(Dr.):

トンボコープは、元々りん(雪村)が組んでいたバンドなんです。でかそ(Ba.)が大学でりんと出会ったことがきっかけで、高校時代にバンドを一緒に組んでいた僕と、そらと、でかその3人がそこに正式加入することになった、という経緯です。

ーこういうバンドをやっていきたい!という話などはしていたんですか?

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林龍之介(Dr.):

4人が共通して好きなバンドが、RADWIMPSBUMP OF CHICKENなので、ゆくゆくはそういう規模のバンドになりたいなという想いは共通して持っていました。
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雪村りん(Vo. / Gt.):

聴く音楽自体は、みんな結構違うよね。僕はindigo la Endが好きだし…。
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そらサンダー(Gt.):

僕はteto(現・the dadadadys)や銀杏BOYZが好きだしね。

ー結構違うんですね。トンボコープというバンド名は、どういう思いでつけたんですか?

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雪村りん(Vo. / Gt.):

童謡に《とんぼ とんぼ このゆびとまれ》っていうフレーズの歌があるじゃないですか? そういうふうに、僕たちの音楽がいろんな人の耳に留まってほしいという意味での「トンボ」と、組合を意味する「コープ」を掛け合わせて作ったバンド名です。

ーなるほど。3人は高校時代にもともと組んでいたバンドから新しいバンドに加入したわけですが、そらさんと林さんは、トンボコープに加入することに対して迷いなどはありましたか?

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そらサンダー(Gt.):

高校でやっていたバンドが解散したとき、もうバンドはやらないつもりだったんですけど、声が掛かったときには即決しました。

ーバンドに惹かれたのはどうしてだったんでしょうか?

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林龍之介(Dr.):

トンボコープに入る前にやっていたバンドでは、僕が作詞作曲を手掛けていたんです。なので、トンボコープでも2割くらいの曲は任せてもらっているんですけど、元々は自分の曲を披露できる場所が欲しかったという気持ちが大きいです。でも、加入するとなったときにりんが作った曲を聴いて、めちゃくちゃ良いな!と思ったので、こうして一緒に作っていける体制でバンドができているのは嬉しいですね。

ー結成して1年経ったということで、振り返ってみてどうですか? TikTokなどのSNSを活用しつつ、かなりチャレンジをしているように思いますが。

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雪村りん(Vo. / Gt.):

そうですね。結成当初は全然知名度もなかったし、周りに仲の良いバンドもいなかったので、めちゃくちゃキツくて大変でした。でも、そこからSNSでの発信を頑張ったり、ライブの本数を増やしたりしていくなかで、少しずつお客さんも、トンボコープを知ってくれる人も増えてきたので、やっと楽しくなってきたなという気持ちでいます。
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林龍之介(Dr.):

当時はあまり精力的に動いていたわけではなかったんですよ。でも、これだとヤバいなと気付いてから、TikTokで1か月間、毎日1曲、15秒くらいの尺で新曲を載せていく企画を実行しました。それが4人のモチベーションを高めた部分はあります。

ーそれはかなり過酷な企画ですね…!

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そらサンダー(Gt.):

僕自身、トンボコープに加入する前からずっと「有名になりたい」という夢があったんですけど、その願いは、このバンドと共に叶えていきたいなと次第に思うようになりました。今もですけど、とにかく有名になりたいとしか思っていないので(笑)。TikTokの連続投稿企画に関しても、メンバー内では誰も動画編集ができなかったので、他の人の投稿を観ながら勉強して、どうやったら観てもらえるのかを考えるようになりました。

ー2022年の8月には1stデジタルシングル「信号花火」がリリースとなっていますが、このときにはもう1か月連続投稿企画は始まっていた?

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雪村りん(Vo. / Gt.):

はい。自分たちの持ち曲のなかで一番良い曲を選ぼうということで、この曲を出すことになったんですが、その盛り上げという意味でもリリース前には企画を始めていました。ちょうど夏の終わりを歌った曲でもあったので、タイミング的にも良かったなと。
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林龍之介(Dr.):

サビのメロディが良いんですよね。でも、初稿で出してきたAメロはもっと良くなるんじゃないか?と思っていたので、りんに何度もダメ出ししてしまいました(笑)。ただ、レコーディング直前に送ってきたアレンジがすごく良かったので、粘り続けて良かったなと思ってます。

ーでも、バンド内で作詞作曲ができる人が自分以外に居るというのは、良い刺激になっているんじゃないですか?

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雪村りん(Vo. / Gt.):

それはめちゃくちゃありますね。僕は林と違って頭が悪いので、歌詞を書いても、そういう奴が頑張って頭を使って書いた歌詞になるんです。でも彼の場合は、地頭がいい分、逆の頑張りでくだけた歌詞を書いてくるので、そこが僕は好きです(笑)。
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林龍之介(Dr.):

ははは! そんなことないだろ(笑)! でも、作り方が違うというのは大きいかもしれませんね。僕は弾き語りで作るんですけど、りんは音楽アプリなどを使って、完璧なデモを作ってくるんです。そういう制作方法だと、弾き語りだけじゃ気付けないところを詰めることができるので、彼の曲の奥深さは真似できないなと思います。
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そらサンダー(Gt.):

メンバーとしても、ふたりの作り方が違うことでの戸惑いもないですしね。

「嘘」を肯定する新曲「嘘だって」

ー2作目の「ストーリーモンスター」は、SNSについて言及している楽曲になっていますが、自分たちが活用している上での気付きを盛り込んだ曲になっているのでしょうか?

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雪村りん(Vo. / Gt.):

そうですね。この曲は、深みというよりかは、面白味を打ち出したくて歌詞を書いていきました。そういう歌詞のユニークさと、楽曲自体のかっこよさの二面性を楽しんでもらえる曲になっていると思います。

ーSNSユーザーだからこそ思う難点ってありますか?

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雪村りん(Vo. / Gt.):

これは絶対バズるだろ!と思って出した曲が全然バズらないことがあると、難しいなと思います。
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そらサンダー(Gt.):

でも、それは結構動画の編集によるところでもあると思うので、プレッシャーでもありますね。
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雪村りん(Vo. / Gt.):

でもその逆もあって、バズらなそうな曲が人気出ることもあるので、それはまたそらのおかげだと思います。

ーその点、3作目の「Now is the best!!!」に関しては、LINE MUSICの『BGM & Melody Top 100』へランクインを果たしたり、Spotifyのバイラルチャートで1位を獲得したりするなど、かなり聴かれていますね。

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雪村りん(Vo. / Gt.):

すごいことですよね…。ランキングを見たときは、メンバー内でもめちゃくちゃ盛り上がりました。
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林龍之介(Dr.):

この曲は僕が作った曲なんですけど、シンプルさとキャッチーさがヒットしたんだと思っています。バズる為に作ったというわけではなく、単純に良いものができるだろうという想いの下で生まれた楽曲なので、その通りの評価をいただけて嬉しいです。

ーシンプルな歌詞と、《今が最高じゃん だって今が最高じゃん》という歌詞の反復、そしてひたすらノれるアッパーなメロディが、聴き手をワクワクさせたんでしょうね。

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林龍之介(Dr.):

悲しさや切なさは一切入れずに、とにかく楽しく聴いてほしいと思ったので、そういうふうに受け取ってもらえたら嬉しいですね。

ーそこから一転して、今回の新曲「嘘だって」はバラードですね。ストリングスなども取り入れた、これまでにはない新しい試みが伺える楽曲だと思いました。

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雪村りん(Vo. / Gt.):

この曲も、1か月連続で新曲を投稿するという企画中にできた楽曲なんです。「ストーリーモンスター」も「Now is the best!!!」もそのなかの楽曲で、より反響が大きかったのに対し、この「嘘だって」はあまり大きなリアクションはなかったんです。でも、僕自身ビビッとくるものがある曲だったので、今回フルで作ることにしました。ここまで、割とバンドらしい曲が多かったなかで、雰囲気を変えてみたかったという意図もあります。

ー歌詞に関しては、疎まれがちな「嘘」を肯定してあげる内容になっていますが、歌詞に関してはどんな想いで書かれたんですか?

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雪村りん(Vo. / Gt.):

僕はサビだけではなく、Aメロの歌い出しのフックで聴き手の心を掴むことを大事にしていて、この曲もそこは意識しています。本当のことを伝える大事さを歌った曲は多いと思うんですけど、逆に嘘について肯定してあげるような曲はあまりなかったと思うので、その点でもフックが効いているんじゃないかな?と思っています。
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林龍之介(Dr.):

SNSでは特にサビがフィーチャーされがちではあるんですけど、この曲はどこを聴いてもグッとくるような作品になっていると思います。前3曲のように明るくて盛り上がる曲もあれば、「嘘だって」のように聴き手の心に切なく響く曲もある。そういう幅のあるバンドになっていきたいので、その一手としてはかなり良い仕上がりになっていると思います。
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雪村りん(Vo. / Gt.):

ストリングスを入れたことで、ライブでも同期を用いていくことになると思うんですけど、それもまだ練習中ではあるので、どうなっていくのか楽しみでもありますね。
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そらサンダー(Gt.):

ライブで演奏したらこの曲でまた雰囲気も変わるだろうし、ライブの魅せ方も変わってきそうだよね。

既存の枠組みに囚われずに、面白いことをやっていきたい

ーそうした新しい取り組みは、意識的にやっていることですか?

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雪村りん(Vo. / Gt.):

そうですね。やっぱり僕らは、元々デカいバンドになりたいという目標があるんですけど、そういうバンドってやっぱり細部にもめちゃくちゃこだわっているし、さまざまなジャンルのテイストを盛り込みつつ、しっかりとオリジナルで際立たせているなと思うんです。歌を聴かせる曲もあれば、インストの曲もあったりして。そういうバンドへの憧れがあるので、自分たちも日々挑戦していこうとは思っています。
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林龍之介(Dr.):

個人的に、今、日の目を浴びている音楽って、分かりやす過ぎるものが多いなという印象があるんです。エイトビートで、バッキングが鳴り続けて…みたいな。その点で、自分たちはもっと攻めたことをしていきたいなと思っています。ドラムに関してであれば、例えばスネアを叩かないとか。そういうふうに、既存の枠組みに囚われずに、面白いことをやっていきたいという気持ちは強くありますね。僕的には、ドラムはシンプルであればあるほど良いと思っているので。

ービートがシンプルになれば、自ずとギターや歌がグッと前に出てくる形になりますが、そこのバランスに関してはいかがですか?

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そらサンダー(Gt.):

りんは、AメロやBメロのギターフレーズを作るのが得意なんですけど、僕はそれが苦手で、ソロを作るのが得意なんです。そういうふうに、苦手分野と得意分野を良い感じに振り分けながら作っているので、バランス的にも良いものができていると思っています。
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雪村りん(Vo. / Gt.):

歌に関しても、最初は誰もいないライブハウスで歌っていたこともあったけど、最近は多くの人たちの前で歌えるようになってきたことで自信もつき始めてきました。なので、より多くの人に届くような歌を歌っていきたいという気持ちは出ているかもしれません。

ー制作段階から、ライブで歌う/鳴らすことは意識されているんですか?

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雪村りん(Vo. / Gt.):

この「噓だって」を作り始めた頃くらいから意識しだしました。この曲をライブハウスで歌ったらウケるだろうなとか、ライブハウスの空気感とか。そういった現場で演奏することを想定しつつ、クラップやシンガロングが生まれるであろうフレーズを織り込んだりして、曲を作るようになってきました。

ーいいですね。今年は活動2年目で、さらに挑戦も続いていくのだと思いますが、目標などはありますか?

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雪村りん(Vo. / Gt.):

ワンマンライブをやりたいですね。
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林龍之介(Dr.):

あと、デカいフェスに出たいです。この前初めてフェスに行ったんですけど、バンドの演奏や表情はもちろん、お客さんの笑顔がものすごく良かったんです。それを見て、「自分たちもこういう場所で、人を笑顔にさせられたらな」と思ったので、ひとつの目標としたいです。
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そらサンダー(Gt.):

ライブハウスだけじゃなくて、もっと大きな場所でもやりたいよね。

ー9月には初の東阪ツアーが待っているので、それもまた楽しみですね!

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雪村りん(Vo. / Gt.):

その頃にはまた新曲もできていると思うので、今からめちゃくちゃ気合が入っています! なので、たくさんの人に見てもらいたいですね。

RELEASE INFORMATION

New Digital Single「嘘だって」

2023年6月7日リリース

▼各種ストリーミングURL
https://tombocoop.lnk.to/Usodatte

EVENT INFORMATION

トンボコープ pre. 1st LIVE TOUR 「むしのしらせ」

◎大阪編
2023年9月9日(土)at 福島 LIVE SQUARE 2nd LINE
開場 17:30/開演 18:00

▼チケット購入URL
https://t.livepocket.jp/e/tombocoop_osaka

◎東京編
2023年9月15日(金)at 渋谷O-Crest
開場 18:00/開演 18:30

▼チケット購入URL
https://t.livepocket.jp/e/tombocoop_tokyo

BIG UP!

『BIG UP!』はエイベックスが運営する音楽配信代行サービス。 配信申請手数料『0円』で誰でも世界中に音楽を配信することが可能で、様々なサービスでアーティストの音楽活動をサポート。また、企業やイベントとタッグを組んだオーディションの開催やイベントチケットの販売や楽曲の版権管理、CDパッケージ制作などアーティスト活動に役立つサービスも充実している。

さらに、音楽メディアも運営しており、BIG UP!スタッフによるプレイリスト配信、インタビュー、レビューなどアーティストの魅力を広く紹介している。

▼official site
https://big-up.style/

BIG UP!のアーティストをセレクトしたプレイリスト
『DIG UP! – J-Indie -』

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トンボコープ

2022年4月に本格始動した、東京発の4人組。メンバーは左から林龍之介(Dr.)、雪村りん(Gt. / Vo.)、でかそ(Ba.)、そらサンダー(Gt.)。

1stシングル「信号花火」(2022年)が1作目にしてテレビ朝日系列 YTS山形テレビ深夜版『Do〜んな天気』 2022年9月度タイアップソングに抜擢。その後、翌年2月に2ndシングル「ストーリーモンスター」をリリースすると、 各地の音楽関係者からの注目を集め、<でらロックフェスティバル>、<TENJIN ONTAQ2023>、<Tokyo Calling 2023>をはじめとする数々のサーキットフェスに出演を果たした。

さらに、3rdシングル「Now is the best!!!」(2023年)が若い世代を中心にSNSにて拡散され、『LINE MUSIC “BGM & Melody Top 100』にもランクイン。注目のニューカマーを紹介するSpotifyのプレイリスト『RADAR: Early Noise』にもピックアップされたほか、『バイラルトップ50 - 日本』でも数週にわたって1位を獲得するなど、結成1年にして他アーティストを圧倒する勢いをみせる注目のロックバンド。

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