Guibaが提示するバンド独自の“歌ものポップス”。魅惑のメロディと物悲しい世界観の根源とは

Interview

文: 黒田隆太朗  写:後藤倫人  編:riko ito 

毎月テーマを設けてインタビューやコラム、プレイリストを掲載していく特集企画。2023年11月の特集テーマは“good story, good music”。「歌ものポップス」を掲げ、さまざまなカルチャーからの影響を音楽へと昇華させている4人組・Guibaをカバーアーティストに。彼らがどんな物語やカルチャーに触れてきたのかを探りつつ、楽曲の世界観や最新アルバムに込めた想いなどを語ってもらった。

Guibaの魅力はいくつもある。愛らしい音色とうっとりする旋律、きらりと光る魅惑的なメロディと小気味良いリズム、そして何より作品に漂う物悲しい気配…気づけば口ずさんでしまうこの歌は、確かに「老若男女を惹きつけうる」魅力を備えた音楽である。

South Penguinアカツカ(Vo. / Gt.)、同バンドのサポートを務める礒部拓見(Dr.) 、odolシェイク・ソフィアン(Ba.)、Helsinki Lambda ClubGroup2で活動する熊谷太起(Gt.)の4人で2022年の夏に結成されたGuiba。敬愛する荒井由実桑田佳祐の楽曲に触発され、アカツカが「ポップス」を標榜したことで始まったこのバンドは、それぞれが所属するどのバンドとも違う「歌」にフォーカスした作風で、早くもオリジナリティを獲得しつつあるように思う。

「good story, good music」をテーマにした本取材では、4人が影響を受けたカルチャーや音楽的なルーツを紐解きながら、1stアルバム『ギバ』や今後の展望についても語ってもらった。会話の端々に差し込まれるユーモアにも関心させられるし、バンド名を柳葉敏郎から取ってしまう思い切りのよさも魅力だろう(そうした気質もこの音楽の骨子になっているはずだ)。「歌ものポップス・Guiba」の音楽背景を楽しんでほしい。

『北の国から』、『スラムダンク』、伊坂幸太郎など。Guibaが影響を受けた物語

ー影響を受けてきた作品やカルチャーを教えていただけますか。

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アカツカ(Vo. / Gt.):

『北の国から』が大好きで、大きな影響を受けています。あのドラマはずっと切ないんですよね。どこか寂しい空気が漂っていて、それが僕の血として流れてる気がします。

ーなんで寂しいものに惹かれるんだと思います?

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アカツカ(Vo. / Gt.):

うーん、寂しい人生なんですかね。本当にそれはあると思う。我々はそんなに根アカの人間ではないので、悲しげなものにビビっとくるというか。(主人公の)五郎さんのようなちょっと憂いを帯びた、人生いいことだけじゃない感じには惹かれるものがあります。
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シェイク・ソフィアン(Ba.):

僕は伊坂幸太郎さんの小説が好きで、10代の頃に彼の本は全部読み尽くしました。伊坂さんの作品って、伏線回収がアツいんですよ。何気なく散りばめられていた描写が一気に回収されていくんですけど、そのカタルシスに病み付きになってしまって。その影響は僕の中に強く残っているんじゃないかと思います。前半に出てきたベースラインを終盤で回収するとか、散りばめたピースから最後に解決に至るようなフレーズが出せると、「上手くいったなあ」って思いますね。
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熊谷太起(Gt.):

僕は意外とスポ根的なところがあるんですけど、それってなんでかな?と思ったら、『スラムダンク』がめっちゃ好きだからなんですよね。才能があるライバルに対して、主人公は努力してすごくなっていくんですけど。才能があろうがなかろうが、頑張ればどうにかなるみたいな発想はそこからきているのかなと思います。
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礒部拓見(Dr.):

僕は音楽以外のものにあんまり触れてきてなくて、かと言って音楽でも「聴いた」と言い張れるのはaikoBOB MARLEY(ボブ・マーリー)しかいないんですけど。aikoは中学生の頃から一番好きなアーティストで、今でも追いかけています。ボブ・マーリーに関しては、大学に入ってからジャマイカの音楽をやるサークルに入ったこともあって、一番参考にしているアーティストですね。多分Guibaでもレゲエっぽいアプローチがあると思うので、ちょっとボブ味を感じてほしいです。

ーアカツカさん、シェイクさん、熊谷さんはプレイの面で影響を受けてるミュージシャンはいますか?

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アカツカ(Vo. / Gt.):

David Byrne(デヴィッド・バーン)は大好きです。僕がやっているSouth Penguinでは、かなり直接的にTalking Heads(トーキング・ヘッズ)からの影響が出ています。あとは歌謡曲。桑田佳祐さんが好きです。
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熊谷太起(Gt.):

僕は坂本慎太郎さんですかね。ゆらゆら帝国の後期以降のサイケなところが特に好きで、音色やスタイルには影響を受けてます。
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シェイク・ソフィアン(Ba.):

僕はベースを始めたきっかけがRed Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)なんですけど、高校を卒業した段階でフリーから卒業しなきゃいけないという強迫観念に駆られまして。
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アカツカ(Vo. / Gt.):

なんで?
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シェイク・ソフィアン(Ba.):

やっぱりレッチリ好きのベーシストって、世の中に沢山いるんですよね。そこに自分のスペシャリティを持とうとすると、競い続ける人生になってしまうという不安に駆られました。それで大学に入ってからは、フリーとは全く違うプレイスタイルを突き詰めたんですよ。でも、最近はGuibaをやってるときでも、ふとした瞬間にフリーっぽいフレーズが出てくる瞬間があって。やっぱり僕の中にはフリーがいるんだなと思いました。

ーでは、今年聴いた作品やライブで特に印象に残っているものはありますか?

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熊谷太起(Gt.):

この間Sam Wilkes(サム・ウィルクス) とJacob Mann(ジェイコブ・マン)のライブに行ったんですけど、去年出したアルバム(『Perform the Compositions of Sam Wilkes & Jacob Mann』)を再現するライブで、ここ数年で観たライブでは一番衝撃的でした。
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シェイク・ソフィアン(Ba.):

関西で活動してるTAMIWというバンドが出した『My Innocence』は、今年一番聴きましたね。シンセサウンドを軸にした女性ボーカルのバンドなんですけど、1曲ごとに曲のテーマが明確にあって、アルバムとしてもすごくまとまっている。1枚聴いたときの完成度がすさまじくて、今年一番ビビっときました。

ーアカツカさんはどうですか?

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アカツカ(Vo. / Gt.):

僕はないですね。音楽を全然聴かなかったです。ボクシングばかり観ていたので、今年のベストバウトはあるんですけど(笑)。音楽はパッと出てこないです。
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シェイク・ソフィアン(Ba.):

どぶろっくは?
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アカツカ(Vo. / Gt.):

あ! それかもしれない。どぶろっくの『バストアルバム』は最高です。
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礒部拓見(Dr.):

どぶろっくの後に言いたくないんですけど(笑)。YouTubeに上がっているAndy Shauf(アンディー・シャウフ)のライブ映像がすごくよかったです。工場みたいなところでやっているんですけど、シンプルなセットで一個一個の楽器を聴かせる感じが素敵で、参考にしたいと思うようなライブ映像でしたね。
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アカツカ(Vo. / Gt.):

出てきた作品が全然Guibaと絡みがないな。
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熊谷太起(Gt.):

いろんなものをね、摂取した上でのGuibaですから。
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シェイク・ソフィアン(Ba.):

ボクシングはGuibaに影響を与えてるんですか?
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アカツカ(Vo. / Gt.):

歌詞には結構あるね。

荒井由実、マヒナスターズ、キング・クルールから影響を受けた最新アルバム

ー「歌ものポップス」をやろうという動機から集まったわけですが、そのときにイメージしていたポップスとは具体的にどんなものでしたか?

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アカツカ(Vo. / Gt.):

一番最初にこのバンドをやりたいと思ったきっかけは、マヒナスターズ和田弘とマヒナスターズ田代美代子)の「愛して愛して愛しちゃったのよ」だったので、グループサウンズ的な感じですかね。それとサザンオールスターズや荒井由実さんのような、昭和の時代から続いてきているポップスを聴いて、僕もこういう音楽をやりたいと思いました。

ーそれぞれのキャリアを持っている4人が集まったGuibaですが、このバンドでプレイする上でスイッチを切り替えてる部分はありますか?

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シェイク・ソフィアン(Ba.):

odolはどちらかと言うと楽曲主義というか、曲全体のまとまりが最優先で、その中で適切に楽器を当てはめていくというスタイルなんですけど。Guibaではプレーヤーのエゴをガンガン出していきたい気持ちがあって、曲を作るたびに自分ができる一番すげえプレーをしようと思っています。
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熊谷太起(Gt.):

僕がやってるバンドの中では、Guibaは老若男女に聴きやすい音楽なのかなと思います。赤ちゃんでも聴けるような優しさみたいなものはあるかもしれないですね。
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アカツカ(Vo. / Gt.):

パンパースみたいなね。
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熊谷太起(Gt.):

パンパース(笑)?

ー礒部さんはSouth Penguinでもアカツカさんと一緒に活動されていますね。

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礒部拓見(Dr.):

はい。なので気持ちの上ではそんなに切り替える必要がないというか。
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アカツカ(Vo. / Gt.):

いやいや、タムがないじゃん。
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礒部拓見(Dr.):

ああ、そこは全然違います。South Penguinはタムを禁止した特殊なキットでやっているんです。Guibaでは好きに使っていいよと言われているので楽しいですね。

ーなぜ禁止なんですか?

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アカツカ(Vo. / Gt.):

僕が好きな54-71というバンドが、タムを使っていなかったからです。でもアメとムチでGuibaでは使っていいよと言っています。
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礒部拓見(Dr.):

まんまと大喜びですよ。

ー(笑)。アカツカさんもGuibaができたことで、ご自身の中で相対化できたところがあるのではないかと思います。「歌ものバンド・Guiba」に対して、South Penguinはどんな音楽性だと思いますか?

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アカツカ(Vo. / Gt.):

エキセントリック・ハードロック・プログレッシブ・オーケストラでしょうね。
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礒部拓見(Dr.):

イロモノバンド(笑)。
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アカツカ(Vo. / Gt.):

(笑)。
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礒部拓見(Dr.):

South Penguinはすごく汗をかくんですよねえ。エキセントリックというのは、本当にその通りです。
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熊谷太起(Gt.):

スポーツみたいな感じ?
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礒部拓見(Dr.):

そうそう。今までこんなに疲れることを、なんでやってたんだろう?って思います。
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アカツカ(Vo. / Gt.):

おい! まだやってるだろ(笑)。

ーアルバムについても話を聞かせてください。「灰」は初期のスピッツっぽさも感じる、爽やかなポップソングだと思いました。

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アカツカ(Vo. / Gt.):

そうですね。シーブリージーと言いますか、全身にハッカの爽やかな感じが駆け抜けると言いますか、メントールのようなスーッとした感じ。これはまさに僕という人間が表れているのかな、と思ってやみません。
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熊谷太起(Gt.):

急にちょけ出したじゃん(笑)。初ライブのためにリハに入ったとき、速い曲がほしいねってことになって。その日の夜12時くらいにアカツカから送られてきました。

ーパーカッションが入っていますね。

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礒部拓見(Dr.):

コンガですね。僕がポコポコ叩いて入れました。参考にしていた曲に入っていたんです。
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アカツカ(Vo. / Gt.):

荒井由実さんの「COBALT HOUR」が大好きで、速い曲を作ろうとしたときにパッと思い浮かんだのがあの曲でした。ドラムやパーカッションの雰囲気は、そこから着想を得ています。

ー「養殖」もめちゃくちゃ良い曲です。これは素晴らしすぎる。

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シェイク・ソフィアン(Ba.):

おお!
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アカツカ(Vo. / Gt.):

嬉しい。リズムはKing Krule(キング・クルール)の「Border Line」から拝借しました。

ー『ギバ』は作品を通してメランコリーなところがありますね。

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アカツカ(Vo. / Gt.):

泣きのメロディはすごく好きですし、歌詞も含めてそうなんですけど、どこかにおセンチな空気感を入れたくなるんですよね。そういう意味で言うと、「養殖」はほんとどん底みたいな暗さがありますけど…俺の思うモストおセンチソングってなんだろうな。
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熊谷太起(Gt.):

「卒業写真」とか?
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アカツカ(Vo. / Gt.):

いや、「卒業写真」はちょっと違うんですよね。B7からEmに変わるコード進行が俺の中での一番おセンチな部分で、それは結構使っています。それこそ「愛して愛して愛しちゃったのよ」もそのコード進行が出てきますね。
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シェイク・ソフィアン(Ba.):

ちなみにアカツカさん的に、技が効いている歌詞はありますか?
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アカツカ(Vo. / Gt.):

小技が効いているのは「グラヴィティ」だね。「涙 feat. ましのみ」のデモを送ったときに、シェイクから「《グラヴィティが憎い》という歌詞がすごく良いですね」って送られてきたんですけど、そこは《ムダについた肉》という歌詞だったんですよ(笑)。それで何言ってんだこいつは?と思ってスルーしたんですけど、《グラヴィティが憎い》って面白いと思って。グラヴィティってなかなか憎まないものじゃないですか。でも、心の中でちょっと憎さもあるというか。そこから着想を得て作りました。

ー熊谷さんは気に入っている曲はありますか?

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熊谷太起(Gt.):

最近は「ハアト」が一番グッときます。合唱曲になってほしいですね。

ー歌詞は今持てる全てを 愛することに賭けようと歌われています。他の曲はストーリーテリングされているものが多い印象ですが、「ハアト」は決意表明的なものを感じます。

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アカツカ(Vo. / Gt.):

そうです。「ハアト」だけは真面目にやっとかないとな、と。この曲以外はコミックソングなので。
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礒部拓見(Dr.):

そうだったのか。
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一同:

(笑)。
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アカツカ(Vo. / Gt.):

「ハアト」はバンドを組んだその日に作った曲なので、Guibaをやるにあたっての決意表明みたいな部分が歌詞に表れていると思います。

ー焦りが歌われているんでしょうか?

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アカツカ(Vo. / Gt.):

そうですね。もうすぐ30になるんですけど、《重なる数字》というのも年齢のことですし、《逃れられはしない》というのもそこにかかっています。やっぱりずっと焦燥感があるんですよね。30歳になる頃にはみんなの耳に俺の曲が届いていると思ってたけど、今の状況はそんな感じじゃないから。Guibaで一花咲かせるしかないな、という気持ちが表れていますね。

ーアカツカさんは煙に巻くタイプというか、ひと笑い取ってかわしていくところがあるじゃないですか。

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アカツカ(Vo. / Gt.):

急に分析が(笑)。そんなことないですよ(笑)。

ーでも、内心には一旗上げようという気持ちもあったと。

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アカツカ(Vo. / Gt.):

野心家と言えば僕のことですよ。野心に満ち溢れたこのパワー、原動力はものすごいですからね。恐らく都内を見渡しても、そうはいないんじゃないかな。
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礒部拓見(Dr.):

言った側から煙に巻いてますね。
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一同:

(笑)。
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シェイク・ソフィアン(Ba.):

でもこうやって煙に巻いてるけど、ピュアなんじゃないかなと思います。
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アカツカ(Vo. / Gt.):

Mr.イノセンスと言われてきましたからね。
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礒部拓見(Dr.):

(笑)。
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シェイク・ソフィアン(Ba.):

そういうほんのり透けてしまう本心が曲にも出ているんですよね。
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アカツカ(Vo. / Gt.):

昔からイノセントのイノッチと言われていましたし、このインタビューで僕のイノセントワールドを披露しようというつもりで来てますからね。僕はここで自分の心を曝け出したい、ハートで喋りたいなと思っています。
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熊谷太起(Gt.):

シンプルに恥ずかしがり屋なんです(笑)。

目標は紅白歌合戦ーー応援してくれる人たちに恩返しをしたい

ーアルバムを作ってみて感じた課題や、次作以降にやってみたいことはありますか?

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シェイク・ソフィアン(Ba.):

今回はみんなで手探りしながらDIYでやったので、シンプルなバンドセットの曲が多くの比重を占めてるんですけど。これから先、楽器やパートが増えていったら面白いと思います。たとえば管楽器やパーカッションにフィーチャーしてみるとか、そういう展望はあるんじゃないかな。
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アカツカ(Vo. / Gt.):

同じです。肉付けすればするほどいい感じになりそうなので、もっとゴージャスにしたい気持ちはありますね。

ーバンドの目標は紅白とも言われていましたが、それは日本の象徴的な意味でですか?

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アカツカ(Vo. / Gt.):

そうです。まさに。歌謡曲の祭典ですからね。Guibaは元々歌謡ポップスがやりたくて組んだバンドなので、一番大きいステージは紅白なのかなと思います。South Penguinを始めたハタチぐらいのときは「こういうかっこいい音楽をやってるんだ、すごいだろ」という気持ちもあったんですけど。最近は僕の活動を応援してくれる人たちに恩返しをしたいという気持ちがデカくなってきましたね。やっぱり紅白に出てるとみんな売れたなと思うだろうし、そういうところで恩返しになるのかなって思いました。

ー最後に来年以降、個人的にやってみたいことを聞かせていただけますか? 音楽活動についてでも、それ以外の趣味でも構いません。

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熊谷太起(Gt.):

僕はGuibaとして主題歌をやってみたいです。
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アカツカ(Vo. / Gt.):

それはめちゃくちゃ思うな。
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熊谷太起(Gt.):

アカツカもテーマがあったほうが曲を作りやすいと言っていましたし、そういう意味でも主題歌をやったら面白そうですよね。『ギバ』ができたときも「月9じゃん」とか、「『養殖』いいね」って言ってました。
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アカツカ(Vo. / Gt.):

暗ーいドラマで使ってほしい。
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シェイク・ソフィアン(Ba.):

僕はカメラもやっていて、そろそろ作品として写真をまとめたい気持ちがあります。実は、右目が白内障であんまりはっきり見えてないんですよ。
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熊谷太起(Gt.):

え? そうなの?
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アカツカ(Vo. / Gt.):

ここでカミングアウト?
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シェイク・ソフィアン(Ba.):

白いものがぼやーとかかっているように、視界がかなり悪いんですよ。今年発症して、来年手術をする予定なんですけど、最初は右目がはっきり見えない状況をすごくネガティブに捉えていたんです。でも、時間が経つにつれて、このフィルターがかかってる様って自分だけの視界なんじゃないか、と感じるようになってきて。それでその視界と同じような写りになるフィルターを探して、日常の写真を積極的に撮るようになりました。その写真を作品として形に残せたらいいなって思います。
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アカツカ(Vo. / Gt.):

いい話が出たな。

ー礒部さんはどうですか?

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礒部拓見(Dr.):

僕はバリ島に行きたいです。
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アカツカ(Vo. / Gt.):

ダメだろそれ(笑)。
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礒部拓見(Dr.):

いや、なんでもいいって言うから(笑)。バリ島がすごくいいという噂を聞いたので、行けるぐらいお金を貯めたいですね。あと、泳ぎができないのでスイミングスクールにも通いたいと思います。

ーアカツカさんは?

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アカツカ(Vo. / Gt.):

めちゃくちゃデカいボクシングの試合が観たい。僕が望む試合が実現してくれると嬉しいです。
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シェイク・ソフィアン(Ba.):

結構受動的な話だね(笑)。
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アカツカ(Vo. / Gt.):

T-mobileアリーナで相当なスーパーファイトが見たいですね。現時点で僕が考えうる試合は、カネロ(サウル)・アルバレス 対 デビッド・ベナビデス。それかディミトリー・ビボル対アルツール・ベテルビエフ。もう決定しているところでは、オレクサンドル・ウシク対タイソン・フューリーが楽しみです。

RELEASE INFORMATION

Guiba 1st Album『ギバ』

2023年10月25日リリース

TRACK LIST
1. 灰
2. ほつれ
3. らぶちぇん
4. 涙
5. おめかし
6. 養殖
7. ハアト
8. グラヴィティ
9. 愛の二段階右折

▼各種ストリーミングURL
https://friendship.lnk.to/Guiba

EVENT INFORMATION

Guiba 1st full album『ギバ』Release Party

2024年1月10日(水)at 渋谷WWW

出演:Guiba / Khaki
Open 18:30 / Start 19:30
Adv:¥3,000 / Door:¥3,500(+1D)

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Guiba(ギバ)

South Penguin、Helsinki Lambda Club、Group2、odolなどのバンドで活動するメンバーにより、歌を主軸としたバンドとして2022年夏に結成。メンバーは左からシェイク・ソフィアン(Ba.)、アカツカ(Vo. / Gt.)、熊谷太起(Gt.)、礒部拓見(Dr.) 。メンバーがそれぞれ別々のバンドでの活動を通して培った音楽性を、歌謡曲などと掛け合わせた楽曲に昇華している。

2023年3月24日、バンド初のシングル「愛の二段階右折」をデジタルリリースし活動開始。 同年7月に渋谷O-nestにて初ライブを行うと、翌8月には福井県で行われる<ONE PARK FESTIVAL 2023>へ出演。精力的に活動を行っている。

2023年10月には、全て歌ものの1stアルバム『ギバ』をリリース。 すでにシングルとして発表している4曲に、全て歌ものであることにこだわった5曲を加えた、計9曲を収録。同作のリリースライブが2024年1月10日(水)渋谷WWWにて開催予定となっている。
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