メッセージ飽和時代にMONO NO AWAREが表現したもの――大事なのは何を食べるかよりも誰と食べるか

Interview

文: 神保未来  写:倉島水生  編:riko ito 

テーマを設けてインタビューやコラム、プレイリストを隔月で掲載していく特集企画。2024年6月/7月の特集テーマは“Sounds Tasty ―アーティストたちの食卓―”。“食”や“食卓”にスポットを当てた最新アルバム『ザ・ビュッフェ』を6月に発表したMONO NO AWAREが特集のカバーアーティストに。今回のインタビューでは、メンバー4名に集ってもらい、食に対する価値観や最新アルバムについて語ってもらった。

名盤が名盤たる所以とはなんだろうか。音楽史に変革をもたらしたもの、芸術的に優れたとされるもの、ヒット曲を多数収録したもの、時代に求められ生まれたもの――さまざまな理由が考えられるが、そのひとつに「何十年も聴き続けられる」という指標があると思う。そういった意味で、MONO NO AWAREの最新アルバム『ザ・ビュッフェ』は時を経ても色褪せない魅力を持った“名盤”と言って差し支えないだろう。

「“食”を介して見える多様性との向き合い方」がテーマとなったという本作は、オープニングの「同釜」から作品に一気に引き込まれる。4人の演奏から発せられる芳醇なサウンドとグルーヴに身を委ねたり、耳に残るメロディを口ずさんだりと、音を全身で楽しめる作品だ。また、“食”にスポットを当てつつも、玉置周啓(Vo.&Gt.)による現代の世相に向けた眼差しが各曲に落とし込まれているのも特徴的だ。

今回は『Sounds Tasty』という特集テーマのもと、全国ツアー本編を終えたばかりのメンバー全員に“食”にまつわるエピソードやアルバムについて伺った。玉置の「この作品が20〜30年後に聴かれるものになるかは、次のアルバムにかかってる」という言葉が象徴するように、4人の目線はすでに次の作品を見据えている。

4人にとって“食”とは?好きな食べ物や音楽との共通点

ー特集テーマ『Sounds Tasty ―アーティストたちの食卓―』にちなんで、まず好きな食べ物を教えてください。

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玉置周啓(Vo.&Gt.):

いちごです。次に好きなのが餃子です。
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加藤成順(Gt.):

今思い浮かんだのは、栗ご飯です!
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竹田綾子(Ba.):

私はムサカです。ギリシャ料理。
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柳澤豊(Dr.):

え、かっこいい。僕はクリームシチューです

ー理由もぜひお聞かせいただければ。

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玉置周啓(Vo.&Gt.):

いちごは、赤くて可愛いから。一番見た目が好きでよく模写もしましたし、いちご狩りには何回も行きました。
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加藤成順(Gt.):

炊き込み系は結構好きで、小学生のときから好きな食べ物は「栗ご飯」って書いてて。なんかすごい好きだったんですよね。
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竹田綾子(Ba.):

ムサカは、小学校の給食で「世界の料理を食べよう」というときに出てきて。ラザニアのパスタ部分がジャガイモとかナスに変わったような料理なんですけど、「こんなおいしい食べ物がこの世にあるのか」ってめっちゃ感動しちゃって。
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柳澤豊(Dr.):

給食でムサカが出るとか、初めて聞いたかも。
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竹田綾子(Ba.):

本当に? パプリカライスとか出なかった?
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柳澤豊(Dr.):

出なかったよ。やっぱり地域で違うんだね。
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加藤成順(Gt.):

結果、竹田が好き嫌いめっちゃあるのウケる(笑)。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

確かに竹田は失礼なくらい好き嫌いあるよね(笑)。
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竹田綾子(Ba.):

でも給食は全部食べたよ(笑)。

ー柳澤さんがクリームシチューを好きな理由は?

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柳澤豊(Dr.):

子ども舌なんだと思います。クリームシチューやカレーとか、わかりやすい洋食が好きで。
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竹田綾子(Ba.):

ご飯とパン、どっちで食べるの?
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柳澤豊(Dr.):

ご飯。
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竹田綾子(Ba.):

かける?
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柳澤豊(Dr.):

かけ、かつ混ぜだね。ウチはカレーも“かけ混ぜ”。
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竹田綾子(Ba.):

ウチはどっちか選べた。それで、ご飯でかけにしてた。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

えー! カレーと米を混ぜるんだ…。
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柳澤豊(Dr.):

そう。だからご飯で食べない人がいるって聞いて衝撃だった。大人になってからスパイスカレーというものに出会って、お米って別になってるんだなって。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

そうなんだぁ。俺は、すべての食べ物は基本混ぜないほうがいいと思ってるんだよね。

ーそれぞれのこだわりが感じられて面白いですね。みなさんにとって、食事や料理とはどんな存在ですか?

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柳澤豊(Dr.):

食事や料理は誰かのためにやる感じがあります。自分だけだとうどんしか食べないとか、偏食になるっていうか。でも誰かとだったらおいしいものを作ろうと思ったり、「昨日はこれだったから今日はこっちにしよう」みたいに、メニューにエンターテインメント性を出したりしますし。
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竹田綾子(Ba.):

わかるかも。ひとりのときはどうでもいいっていうか、自分が作ってるし味の予想もできるから、気持ちがないんだよね。ひとりならメニューも同じでいいもんね。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

人に見せる用の料理と、自分が栄養を摂るために食べる料理があると思う。たとえばカプレーゼとか生ハムサラダは見栄えがいいけど、僕は家では豚キムチや生姜焼きといった“肉と野菜の炒め物の味違い”みたいなものしか作ってなくて。あとはサラダとお味噌汁とご飯。写真を見返すんですけど、明らかに人の家に遊びに行って出てきたカプレーゼのほうが“映え”で。それで言うと、成順の料理を(Instagramの)ストーリーズでよく見るけど、メシ屋みたいなちょうど良さがあるよね。
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竹田綾子(Ba.):

結構、手の込んだものを作ってるよね。
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加藤成順(Gt.):

今は普通の料理になってきちゃったかもしれない。昨日も素麺と、ナスをそのまま揚げたものだったし。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

ちゃんとナス揚げてるもん。
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竹田綾子(Ba.):

そう、揚げるっていう選択肢がね。
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加藤成順(Gt.):

そういう(特別なことをしている)感覚はもうないかな。でも、外食は刺激かもしれない。多国籍料理が好きなんですけど、ムサカも食べたことないから、そんなのがあるんだって驚いたし。食事にはそういうものを求めることが多いですね。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

わかる。外食は食べたことがないものを食べたいよね。
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竹田綾子(Ba.):

家で作るのが大変そうなものにするよね。ハンバーグとかも、おろしポン酢は家でできるけどデミグラスソースはお店で仕込んだやつを食べたいから、外ではデミグラスにする(笑)。
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柳澤豊(Dr.):

竹田にとって食事や料理とは?
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竹田綾子(Ba.):

自分の忙しさに左右されるかも。余裕があるときとか料理にハマってるときはめっちゃ作るんですけど、「(外食の)牛丼でいい」っていうタームもあって。
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柳澤豊(Dr.):

意外と蔑ろにできるっていうか。その時々で重要度って変わるよね。

ー音楽と食に共通点を感じることはありますか?

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竹田綾子(Ba.):

味付けってほんのちょっとのサジ加減や組み合わせで変わるけど、それは音楽に似てるかもって思います。それに、味付けって最終的には好みじゃないですか。好きなジャンルとか音楽の「こうしたい」というのも同じで、好みの問題だなって。そこも通じるものがあると思いました。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

そうね。さっき言ってた“毎日豪華じゃなくてもいい感じ”は音楽と近い気がする。いつも最新の音楽を聴いてるとか、あるジャンルに凝ってずっと聴き続けている人ってあまりいないと思うんですよね。時にはくだらない曲を聴きたくなるだろうし、そこの自由度というか、どう取り扱ってもいいものとしての強度は、食事と音楽の通ずるところかなって思います。

ー加藤さんは料理もされますが、音楽と食、創作という観点で共通点を感じることはありますか。

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玉置周啓(Vo.&Gt.):

エフェクターにこだわる人はカレーにハマるとかよく言うよね。
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加藤成順(Gt.):

そうだね。わかるっちゃわかる。旨味がローミッドにいそうな感じとか。
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柳澤豊(Dr.):

味覚のマップと聴覚のマップみたいなのがあるんだ。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

マップ感が似てるっていうより、調合自体が音を作ってるときの喜びに近いのかなって思ったんだよね。作業とか作ってるときの雰囲気が似てるなって、成順のストーリーズを見てて思ってる。
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加藤成順(Gt.):

調味料を入れたときに「あ、これが足りなかったんだ」っていうのはあるけど…でもご飯はご飯だし、音楽は音楽だなぁ。
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柳澤豊(Dr.):

インスタ映えとか視覚的なものはあるけど、ご飯っておいしいかどうかは食べてみないとわからないじゃん。で、音楽も聴いてみないとわからないっていうところが近いんじゃないかなって。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

たしかに。味見が必要っていうのはあるかもしれない。

食事の場で起きる人間関係は社会の縮図を表すのに有効

ー今作『ザ・ビュッフェ』に限らず、MONO NO AWAREの歌詞は食べ物が登場することが多いですよね。

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玉置周啓(Vo.&Gt.):

生活に近い存在なので、自然とそうなることは多いですね。今回のアルバムだと、どうにかして「食べ物でもこれはなかなかないだろう」という歌詞を意識して考えました。以前作った曲は、そもそも食事自体の喜びをテーマに書いたものが多いです。

ー「同釜」では実在する店名が出てきたり、具体的なイメージが浮かびやすい曲もありますね。

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玉置周啓(Vo.&Gt.):

アルバムの発売直後は言わなかったんですけど、「同釜」は《醤油ペロペロした夜に向かいにいた友達》にすべてが詰まっていました。日常の食事って、誰かと一緒にいるからこそ起きるトラブルがあったり、ノリや喜びに溢れてたりするよなって、強く思うようになりまして。あの「食べ物を大切にしていない」って批判された子は、その日一緒にいた人とまだ友達なのかな?とか、そういうことを考えて作った曲です。

ーなるほど。

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玉置周啓(Vo.&Gt.):

今日の俺らみたいに、メシの話になるとペラペラペラペラ、喧喧諤諤、お話が弾むっていう。それは良い方向にもいけば悪い方向に働くこともあって、食事の場で起きる人間関係が社会の縮図として有効打だなという気がして、『ザ・ビュッフェ』というアルバムになりました。

ー『ザ・ビュッフェ』は音を楽しむという、音楽の根源的な魅力に溢れているように感じました。そこがメッセージが強く出ていた前作『行列のできる方舟』から大きく変わった点かなと。

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玉置周啓(Vo.&Gt.):

『行列のできる方舟』を作った時点で、世の中がメッセージ飽和状態にあるなと思って。これ以上メッセージを増やしても、ノイジーな社会になるだけだと思ったんです。周りのミュージシャンがリベラルなメッセージをまっすぐに表明していて、その流れに乗って声を上げるのもひとつなんですけど、同時に疲弊してる人もいて、そういう人のほうが僕は気になって。たぶん、これからの時代は社会的メッセージにますます音楽が接近していくし、世界的にそういうムーブメント起きているのはわかるけど、なんかそれじゃないかもという雑感がありました。じゃなきゃ『行列のできる方舟』はもっと評価されるべきだ、って。しかも、本を書いてるんじゃなくて音楽をやってるんだし、俺ひとりじゃなくてバンドでやってるんだから、全員で音楽をする喜びのほうがより強度が高いんじゃないかって。

ーオフィシャルのインタビューで「今作のテーマは『世界はどうしようもないよね』だ」とおっしゃっていますが、それは諦めの気持ちなのか、流れに身を任すような前向きな気持ちなのか、どちらなのかなと思って。

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玉置周啓(Vo.&Gt.):

まず、前向きですね。けど、希望を持とうとかじゃなくて、それをフラットな状態と思いたいというか。「どうしようもない人間が集まって仕方なく集団で生きているんだ」って、せめて友達ぐらいはその共通認識を持っててほしいな、みたいな。それならもう少しラクに生きれるのになと思って出た言葉です。どうしようもなさを肯定しようとかそういう強い色味でもなくて、どうしようもないってわざわざ言わなくてもみんなわかっている状態だったらいいな、という感じ。「思っているほど社会って清潔じゃない」って、みんなわかっているはずじゃないのかなと言いたくて。

ー今って清潔なものが求められすぎている時代だなと思っていて、それに苦しさを感じるときがあるんですよね。

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玉置周啓(Vo.&Gt.):

その感じはありますよね。
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柳澤豊(Dr.):

たとえば昔だったら大人が叱って終わりだったような家族内の問題とかが社会全体の問題になっちゃって、だからいろんな人から批判を受ける。そういうのが動きづらくなるみたいな感じですよね。

ーそうそう。

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玉置周啓(Vo.&Gt.):

自分も何か一個でもミスを犯したら終わるな、という感じがするし。俺らもイメージがあって、(音楽活動で)お金を稼いでるから、インタビューで大っぴらに言えないことがあるわけですよね。とにかく生きづらい、みたいな…でも、これはわがままじゃないと思うんだよな。社会がアーティストに求めてる像が勝手にそうなったせいで、それにめちゃくちゃ腹が立つという。なんでこっちが気を使わなきゃいけないんだよ、と。これはもう誰に向けたらいいかわからない怒りですけどね。

ー誰のせいでそうなっている、というわけでもないですからね。

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玉置周啓(Vo.&Gt.):

社会を良くしたいって、個人レベルでも思うじゃないですか。いじめがなんでなくならないんだろう、とか。でも「いじめをなくそう」って言えば言うほど、実は救いたい人がもっと追い込まれかねない状況もあるよねっていう。

誰かが誰かを救おうとしたときに、不器用すぎるせいで結果悲劇が増えることが、事実ベースで起きてるんじゃないかなっていう実感があったんです。そう思わなかったら、俺は「よりよく生きよう」みたいなメッセージのほうに行ってたと思うし。よりよく生きたいのはみんなそうだろうけど、もうちょっとメタな感じで共有したかったんですよね。

“メッセージを剥奪された”ことで変わったマインド

ーレコーディング時の思い出深い出来事はありますか?

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竹田綾子(Ba.):

朝スタジオに来て「ここから作るかぁ」みたいな日があったよね。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

デモができてなかった日ね。
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竹田綾子(Ba.):

そうそう。レコーディングが終わって「明日もよろしくお願いします」みたいなときに「何やるんだっけ?」みたいな状態で家に帰るのが初めてだったんですよね。新鮮だったな。ちゃんとここから曲になるんだっていう感動がありました。
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柳澤豊(Dr.):

たしかに。パーツはあるけど、そこからどうしていくかみたいな。それこそ料理以前の問題だよね。食材はあるけどレシピが浮かんでない状態。そこからできたのが「うれいらずたのぼー」でした。あと、「忘れる」のオケを2回録ったのは覚えてる。一回録ったあとにこれじゃないってなって。
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加藤成順(Gt.):

珍しかったよね。
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柳澤豊(Dr.):

良かったよね、あれ。アーティスト感があった(笑)。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

もったいないことするのがアーティストっぽかったね(笑)。
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加藤成順(Gt.):

今回のアルバムは、そういう周啓のこだわりが結構出ていたかもね。「アングル」のミックスとかもそうで、昔だったら終わったあとに「本当はこうしたかったんだ」と言うことが多かったけど、今回はそういうのをすぐ言って、みんなで「どうしよう」ってなることが多くなったアルバムだったかな。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

ね。そこが一番大きいかな。「88」だって、わざわざ生ピアノを指定しましたし。6階にあるスタジオまでアップライトピアノを運んできてもらって、調律師の方が朝から5時間くらいかけて調律をしてくれたんです。でも、あの曲のピアノって同じフレーズの繰り返しなので、調律し終わって弾いてすぐ「はい、できました」と言ったら、調律師の方が「もう終わりですか…?」と目を見開いてらして。あれは申し訳なかったですね。
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柳澤豊(Dr.):

贅沢なレコーディングだねぇ。

ー今作はドラムの音がタイトになったりギターの音が明瞭に聴こえたり、前作以上に音が良くなっている印象を受けました。サウンド面で意識したことは?

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加藤成順(Gt.):

周啓からギターの音を近くしたいという意見があったんで、そこをとにかく意識した感じです。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

なんで近くしたいってなったんだろうね。リバーブを減らすみたいな意味で言ったのかな。
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加藤成順(Gt.):

それもあるし、「ギターっぽくない音色も使ってほしい」とか。そのふたつは大きく言われましたね。

ーリズム隊はいかがですか?

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竹田綾子(Ba.):

それぞれが一旦音を作ってチェックで弾いてみたら「え、いいじゃん」って、それでもう録り音が決まることが多かったんですよね。たぶん、エンジニアの奥田(泰次)さんと一緒にやって3作目だし、みんなが良いとするもの、理想が自然と近くなったのかなと思います。
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加藤成順(Gt.):

曲が全部完成されてない状態のデモが多くなったから、シンプルになって。余白とかタイトに聴こえたっていうのは、そういうことだと思う。ベースもかなりシンプルになったと思っていて、今回はそれが一番フィットしたんじゃないかなって。
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柳澤豊(Dr.):

理想像に近づけようみたいなプロセスがそんなになかったですね。等身大というか。最初のほうのレコーディングでドラムテックを入れなかったのもあって、今作ではずっと入れてなくて。ほとんど全部自分が持ってる楽器で、自分のチューニングで録りきったので、自分の知ってる範囲でイメージ通りの音を出せたのかもしれません。

周啓が送ってきたデモの感じに近づけようというのもあんまりなくて、「この感じだったらこういうふうにしたいな」と思ったのが、そのままスッと通ったりとか。そういう状況にみんなあったから、奥田さんも決めるのが早かったんじゃないかな。あと、今までシンバルのマイクが2本ぐらいだったのが、シンバル1個ずつに対してもマイクを立てたり、そうやってマイクの本数が増えたのもあって、僕らの好きなところ(音)を出せるようになった感じですね。奥田さんのやりたいことプラス、僕らのやりたいこと。どっちかだけじゃないっていうか。

ーデモが完成しきっていない状態にあったのは、狙ってそうしたのか、それともスケジュール的な理由で?

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玉置周啓(Vo.&Gt.):

時間的な制約もありますし、あと体力的な制約。デモだけ聴いたら「え?」ってなるような仕上がりの状態でレコーディングが始まってましたね。それと、もっと広い意味での感動というか、ダイナミクスに興味があったので、「ここのベースはドかな?ミかな?」みたいな細かい部分はどうでもよくなったというか。些細なことにこだわるんだったら、もっと広い視野で良いかどうかを判断したいなと考えていて。むしろ、今までがこだわりすぎだった感じですかね。指定も多かったし。

ー自然とマクロな視点になったのでしょうか?

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柳澤豊(Dr.):

デモを提出してくれるタイミングが変わったのもあるんですかね。最初の頃は頭からお尻まで全部作り込んだデモを送ってきてたけど、今回は作りきる前の段階の、いわゆる普通にギターと歌に簡単なリズムを乗せただけの状態で早めに共有されたんです。ミュージシャンとしてのエゴみたいなものが少なくなってきてるのかな?
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

それはあると思う。やっぱり、社会からメッセージを剥奪されたからですね。どれだけ自分の思ったことを言っても、売れなきゃ聴いてもらえないみたいなジレンマ。新人バンドとかはそれをずっと抱え続けるわけじゃないですか。結果、たまたまですけどコロナ禍を経てメッセージ飽和時代に突入して。ひとり部屋で黙々と「こんなことを言いたい」ってねりねり作ったものは、ソロとか自分が喜びたい範囲でやればいい話で。みんなでやるようなことじゃないって思いました。

デモを全部完成させたいというのは、作品のエゴじゃなくて、「完成してないものを聴かれたくない」っていう俺の恥じらいが影響しているわけですよ。作り途中のものを渡して「この程度なんだ」って思われたくないのが当初は確実にありました。でも今はそれがもうないっていうか、逆に「どう思う?」みたいな。俺よりメンバーのほうが明らかに音楽を聴いてるので、意見をもらったほうがバンドにとってプラスだなとやっと思うようになりました。それはやっぱりメッセージが剥奪されたというのがデカいです。
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柳澤豊(Dr.):

思ったのは、バンド感にすごいこだわったような気がしたんです。それはサウンド面ではなくて、“4人でやることの意味”というか、精神性みたいなところで。成順が「ギターっぽくない音を出してほしい」と言われたのも、たとえばシンセやサックスとか別の楽器の人を入れるとか本当は4人でやらなくてもいいところを、僕ら4人でやることにこだわってた。そういう意味でのバンド感は目指してたような気がしたけどね。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

なぜバンドにこだわったかというと、「ひとりのメッセージは弱いな」っていう実感があって。それをハッシュタグみたいに集めて人数感が出れば強いのかっていうと、それも弱いなと。なぜなら、数が多くても一人一人の顔は見えないから。

人の会話を聞いてるときも(内容より)会話しているそのさまに魅力を感じるようになったんです。AとBが会話してて「Aのほうが賢い、いいことを言っている」というところよりも、「AとBは仲いいんだ」とか、そこにグッとくる。それが何よりの価値だなって思うようになってきて。俺が言いたいことの純度よりも、誰と一緒にいてどういう会話が行われ、結果、何ができたのかみたいなプロセスとか関係性のほうが、個体の持ってるメッセージ性よりも強い時代なんじゃないかなって。その肌感覚をアルバムで再現したかった。だから“ビュッフェ”をはじめとした食事・食卓っていう場は、比喩として最適だったんです。

ー「何を食べるか」よりも「誰と食べるか」みたいな。

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玉置周啓(Vo.&Gt.):

まさに。「何を食べる」はもう完全に飽和してるじゃないですか、あらゆるコンテンツが。そういうことかもしれないですね。

作品が20〜30年後に聴かれるものになるかは、次のアルバムにかかってる

ーアルバム発売から1ヶ月以上経ち、ツアーも追加公演以外は完遂しましたが、アルバムに対して印象が変わった部分はありますか?

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加藤成順(Gt.):

さっきの“バンド感”というか、それぞれが鳴らしている音に芯があるのは感じていて、ライブでもお客さんがついてきてくれる熱量や空気感がガラッと変わった気がします。そういう意味で、周啓が強く思ってたことがちゃんと自分たちに反映されたと実感できていて。それは今後に活きそうだし、楽器を鳴らしててよかったなとすごく感じました。それが無理くり作った空気感じゃなくて、自然とそうなっているのは、ちゃんと音楽に希望を持っている感じがしましたね。
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竹田綾子(Ba.):

「歌詞の言葉遊びが面白いバンドだと思ってたけど、実際ライブに行ったらライブバンドだと思った」って言ってくれるお客さんも結構いて、嬉しかったですね。言葉遊びが面白いのはもちろん、それだけじゃなくて、ちゃんとライブに来る意味をお客さんが感じてくれているのはいいなって思いました。
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柳澤豊(Dr.):

新曲は「ライブでできるのかな」と思ったけどね。レコーディングのときにギターを弾きながら歌ってなかったりするやつもあったから。それもちゃんとやれるようになっててすごいなぁって。
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竹田綾子(Ba.):

音源が良くなるほど、ライブのハードルって自分たちの中でも上がるし、たぶんお客さんもそれを思っていて。特に「同釜」は1曲目だし、一番どうなるかなって感じだったけど、リハーサルで合わせたら全然よくて「これなら大丈夫だ」って。
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柳澤豊(Dr.):

「同釜」もそうだし、他の曲もコーラスしながらだったからね。今までならやれてなかったようなことをライブを通してできるようにスキルアップしてて、ウケるな〜まだ成長するんだな〜と思いました(笑)。
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一同:

(笑)
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

今後の作品のイメージとして、学習、勉強、スキルアップとかっていいなと思いました。ノリでやってきた20代が終わって、個人的には勉強し直さなきゃと思ってて。バンドとしても、先輩のライブを見て学ぶみたいなことを今まではちゃんとやってこなかったけど、要るなって。音楽だけじゃないけど、勉強させてもらうスタンスはめっちゃ重要。
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柳澤豊(Dr.):

僕らの界隈がそうなのかもしれないけど、いわゆる芸事をやってる人が師匠について何かを教わるみたいな上下関係がバンド単位でってあまりないよね。だから、自主的に学んでいくしかない中でスキルアップする方法を考えるのが面白い。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

だし、師弟関係ってこの世でもっとも美しい人間関係だと思う。何かを教えてもらうとか、ちゃんと教わるスタンスとか。それを俺はメンバー間でもちゃんと持ちたいし、そういう関係性が増えていった先に、20代前半にもやもや考えてたメッセージなるものの達成がありそうな予感がしていますね。今、大きく迂回中というイメージです。

ー個人的には、『ザ・ビュッフェ』は20〜30年後にも聴き続けているような気がしていて、それくらい心に残る作品でした。みなさんから見て、今作はキャリアの中でどういった位置づけになると感じますか?

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玉置周啓(Vo.&Gt.):

まだまだできると思うんですけど、だからこそ気になっているのは、今後は今回の手法をビルドアップするやり方をしていくのか、まったく違うやり方を試すのか。まあやってみないとわかんないけど。
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竹田綾子(Ba.):

うん。「いいものを作れた」っていう自信はありますけど、じゃあこの次どうするのかが気がかりというか。いいものを作りたいけど、作ったら作ったで次はますますいいものを作らないといけないなっていう緊張感があって。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

“いい”ってすごく感覚的なものじゃん。そういう意味で今回は“いい”感触が自分たちにも実際にあったし、(リスナーの)反応もあるから、いいものを作ったんだろうなって実感が自他ともにちゃんとある。でも、これが到達点でもないっていうか。もっとまとまりきらないというか、メーターが振れるようなことをやってみたいとも思うし。
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竹田綾子(Ba.):

自分がお休みをいただいて戻ってきたからっていうのはあるかもしれないけど、スタートを新しく切ったみたいな感覚があって。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

結局、こういうのって次に出したもので決まると思うんですよ。『行列のできる方舟』も、現状になってやっとメッセージを頑張って伝えたかったけど挫折した最後のアルバムだったんだなというイメージがあって。イメージって流れの中で固定化されていくから、この作品が20〜30年後に聴かれるものになるかは、次のアルバムにかかってると思います。

ー加藤さんと柳澤さんはいかがですか?

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加藤成順(Gt.):

僕は毎回「これが一番いい」と思ってやってます。ただ、さっきも言った通り今回のアルバムでやったことは次に何を作ろうとしても絶対活きてくるから、先のことはあんまり気にしてないですね。また周啓がガチガチにデモを作ってきても、今回の経験があったからこそ「もうちょっと削ぎ落とそう」みたいのもできると思うし。
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柳澤豊(Dr.):

僕は結構、自己満足で音楽をやってるから、過去のアルバムとかも振り返ってなくて。自分が良ければいいっていう。今回が良かったかどうかもあんまり今はもう見てなくて、「次はもっと違うことやりたいな」とか。
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竹田綾子(Ba.):

反応が良いから「良かったんだ」みたいな。
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柳澤豊(Dr.):

そう。良かったって言ってもらえるのは嬉しいんだけど、実感はないです。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

もしこういう形で人生を送れるんだったら幸福だなと思いました。プロダクトみたいに狙って良いものを作って、結果が出たからそれでいい、それだけを縁(よすが)にする人生にはしたくないなって。そういう意味では豊に賛成。だからすぐ次に行って…キツいけどね、マジで。でも、それはめっちゃ思う。
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竹田綾子(Ba.):

面白がりたいね。ずっと。
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玉置周啓(Vo.&Gt.):

うん。あとはベテランにならないことですね。30代になって5枚もアルバムを出したら、ちょっと奢りが芽生え始める。30代以降で自信がないのもちょっとヤバいと思うので自信は持つべきですけど、そこの見極めが大事。メンバーそれぞれがいち社会人として自分に誇りを持って生きていられるかが、直でバンドに影響していく。そんな気がするな。

RELEASE INFORMATION

MONO NO AWARE 5th ALBUM『ザ・ビュッフェ』

2024年6月5日リリース

Track List
1.同釜
2.野菜もどうぞ
3.もうけもん
4.味見
5.イニョン
6.風の向きが変わって
7.お察し身
8.あたりまえ
9.88
10.うれいらずたのぼー
11.忘れる
12.アングル

▼各種ストリーミング/CD購入
https://mononoaware.lnk.to/thebuffet

LIVE INFORMATION

MONO NO AWARE ワンマン追加公演

2024年11月16日(土)in 八丈島
※詳細は後日発表

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MONO NO AWARE(もののあわれ)

東京を拠点に活動する4人組バンド。メンバーは左から、竹田綾子(Ba.)、玉置周啓(Vo.&Gt.)、加藤成順(Gt.)、柳澤豊(Dr.)。東京都八丈島出身の玉置と加藤が、大学で竹田、柳澤に出会い結成。 ポップの土俵にいながらも、多彩なバックグラウンドを匂わすサウンド、期待を裏切るメロディライン、 言葉遊びに長けた歌詞で、ジャンルや国内外の枠に囚われない自由な音を奏でている。

2017年3月に1stアルバム『人生、山おり谷おり』を全国リリース。2024年6月には、BS-TBSオンエアの新感覚グルメドラマ『シェアするラ!インスタントラーメンアレンジ部はじめました。』のエンディング主題歌「味見」、テレビ東京系の乳幼児向け番組『シナぷしゅ』4月のつきうた「もうけもん」などを収録した5thアルバム『ザ・ビュッフェ』を発表。同作を引っ提げて、約3年ぶりの全国ツアー<アラカルトツアー>を開催した。同年8月には恵比寿LIQUIDROOM、11月には八丈島にて、追加公演の開催も決定している。
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