時代に流されないメロディを。大比良瑞希の軌跡と挑戦 | Newave Japan #15  

Newave Japan
それぞれの音楽ライフを掘り下げるインタビュー企画『Newave Japan』。15回目はシンガー・ソングライター/トラックメイカーである大比良瑞希。前身のバンドであるヘウレーカを経てソロとなり、新世代の女性ミュージシャンとして脚光を浴びてきた彼女が辿ってきた音楽ライフと、これからについてお話を聞かせてもらいました。

音楽の力に感動した小・中学生時代

-まず最初に大比良瑞希さんの音楽との出会いについて聞かせてください。

幼稚園の頃に両親がピアノを習わせてくれたのが初めて楽器に触れたきっかけでした。でも全然弾けなくて、才能ないと思ったそうです(笑)。

小学生の時にエレクトーンを始めたんですが、それで音楽にのめり込んだというより、その時期にSMAPのコンサートの魅力を全面的に押し出してきて、一緒に連れて行ってくれたお姉さんみたいな人がいたんですよ。そこで歌の力や、エンタテインメントの面白さを最初に体感したような気がします。自分が演奏する側の音楽に目覚めたのは、中学1年の時に友達にバンドやろうよって誘われてからです。

-どんなバンドだったんでしょうか?

「チュッパチャップチュ→」という可愛すぎる名前の女子7人バンドでした(笑)。文化祭に出るオーディションの為に、とにかく皆が盛り上がれて楽しくなれるような当時のJ-popをカバーしてました。

-当時からフロントマンとしてボーカルを担当されてたんですか?

いえ。私の歌が今よりクセが強かったこともあって、コーラスもやれる雰囲気ではなくてリードギターを担当してました。JUDY AND MARYの「そばかす」のソロとかを物凄いグチャグチャになりながら弾いたり(笑)。

-声が魅力と言われてる瑞希さんには意外な過去です!ミュージシャンになることを意識し始めたのはいつ頃だったんでしょうか?

中学生の時そのバンドを組んでからです。ステージに立っている時、自分達が好きでやってる音楽で皆が楽しんでくれた感動がとても大きくて。今までで今この瞬間が一番楽しい!って純粋に思えたから、このまま音楽で生きていきたいなと思い始めて。

その辺りからいろんな会社にデモテープを送ったりしてました。高校1年で作詞作曲を始めて、そこから徐々に歌うことも楽しくなってきたので、1人でだんだんリズムマシンとエレキギターでライブに出たりするようになりました。大学へ進学してからもサークルの仲間と、これまた変なバンド名の「おまくそじー」というバンドで活動して、その後ヘウレーカに繋がっていきます。

-憧れのアーティストなどはいましたか?

音楽で生きていこうと改めて思ったキッカケの1つなんですが、カナダの女性シンガー・ソングライターであるFeist(ファイスト)ですね。学生時代、代官山のヴィンテージショップに行った時に、すごく良い曲がかかってるなぁと思って、一瞬で虜になって。声も好みだったので、店員さんに聞いてFeistだと知りました。彼女のカバーしたRon Sexsmith(ロン・セクスミス)の「Secret Heart」のライブ映像も好きすぎて、一番影響を受けていると思います。

iPodのCMで有名になった「1234」みたいな、多くの人が受け入れやすいポップスも作る中で、感情の憂いを音楽で表せるような、音楽でしか見られない景色を表現できる彼女はすごく尊敬しています。

次ページ:数年経っても印象に残る強いメロディを残したい

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東京出身のシンガーソングライター、トラックメイカー 。
作曲家/チェリストの伊藤修平をプロデュースに迎え、2015年ミニアルバム「LIP NOISE」のリリースでソロ活動をスタート。
2016年アルバム「TRUE ROMANCE」をリリース。2017年8月より3ヶ月連続シングルのデジタルリリースを発表。
スモーキーな歌声と、エレキギターを爪引きながら歌うスタイルは、明るくも物憂げな唯一無二の世界観を包み込み、ソウルフルかつオルタナロックに、新時代の歌謡曲を紡ぐ。
FUJI ROCK FESTIVALのほか、SOMMERSONIC、りんご音楽祭、音泉温楽などフェスへの出演も多数。
歌とギターのほか、企業CMへの楽曲提供や様々なアーティストのサポートワークでも注目を
集めている。コーラスワークでは過去にtofubeatsやLucky Tapes、Alfred BeachSandal×STUTS、Awesome City Clubなど多数の作品に参加。

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