logo
Interview
17/11/03

放課後ノリのファンクネス。ディープファン君が夢みる世界|Music DNA #007

編成・年齢など、いまいち素性がつかめないが、やたらオーセンティックなファンクサウンドで注目を集めるファンクバンド「ディープファン君」。<FUJI ROCK FESTIVAL ’17><りんご音楽祭>への出演など、その勢いは増すばかりだ。スルガアユム(Vo)、ユーセー(MPC、Beat making)、チャンサキ(Vo)がインタビューに登場。未だ謎の多い彼らの素顔とルーツに迫る!

ディスコにジャズ、エレクトロ。常に音楽は身近だった

ーディープファン君は数少ない若い世代のファンクバンドだと思うのですが、これまでどんな音楽を聴かれてきたんですか?

スルガアユム(以下スルガ):母親が持っていたパパイヤ鈴木の『Disco Fever』を小さい頃によく聴いていました。James Brown、Earth, Wind & Fire、Kool & the Gangなどの曲が入っていましたね。初めて行ったライブはMaurice Whiteが復活した時のEarth, Wind & Fireの来日公演。中学2年生のときでした。彼の独特の風貌とライブのインパクトは今でも印象に残っていて、僕の根幹になっています。高校生になってからはEarth, Wind & Fireばかり聴いていました。

チャンサキ:私は母親がジャズ・ピアニストなので、小さい頃からジャズを聴いていました。生活に根付いているのはジャズなんですけど、父親が買ってくれたMADONNAMichael Jacksonのビデオを観て踊っていましたね。

スルガ:ユーセーと僕は高校が同じで、一緒にダンスをやっていたんですよ。ダンスを通して知ったのはZappです。

ユーセー:コテコテのエレクトロで全く聴いたことがないジャンルでしたけど、曲に合わせて踊ってみると楽しかったんですよね。

スルガ:メンバー全員が共通して好きなのはPrinceですね。Princeは変。あの時代であの音は変すぎる。変なことしてる先駆者です。

ー音楽が身近にあった環境だったんですね。最近は何を聴いていますか?

スルガ:坂本慎太郎さんの「君はそう決めた」にハマっていますね。歌詞の世界観が魅力的で、MVもめちゃくちゃいいんですよ。全ての曲に統一感があって、まるでMarvin Gayeのアルバム『What’s Going On』のような魅力があります。

ユーセー:僕はJames Chanceですね。音がとてもユニークで、ポストNYパンクシーンで唯一無二の存在だと思っています。

チャンサキ:私は最近、Hiatus Kaiyoteのボーカル・ギターNai Palmの新譜をよく聴いています。Nai Palmがソロで出しているんですけど、Hiatus Kaiyoteの曲もギターとコーラスだけのバージョンで収録されているんです。ピアニストのRobert Glasperなどを中心としたここ数年のジャズ・シーンの大きな流れが好きですね。

大事にしたいのは、放課後の自由な雰囲気

ー昔からディスコやジャズなどの影響を受けていたと。バンドは大学で結成されたんですよね?

スルガ:2012年の大学在学中に僕とユーセーがバンドを組んだことがすべてのはじまりです。僕がボーカル、ユーセーはサンプラーでビートメイク、チャンサキは2つ下の学年で、ボーカルでした。チャンサキはよく自分の後輩をイビっていたので、僕がフォローしていました。

チャンサキ:ひどい。全然そんなことしてない(笑)。

ー大学生活は音楽漬けでしたか?

チャンサキ:ほとんどバンドの思い出しかないですね。在学中に歌のコーラスのお仕事をいただけるようになったので、就職活動もあまりしていませんでした。

スルガ:僕は、就職=悪みたいなイメージがあったのではじめから就職する気になれなかったですね。おもちゃが好きだったので某玩具メーカー1社のみ受けてみたんですけど、みんながリクルートスーツを着ていることに対して「うわっ」て思ってしまって、やらなくなってしまいました。

将来のことが不安でしたが、大学に居座って構内のジムで筋トレばかりしていましたね。「筋肉をつければいいじゃないか」って。隆々とした筋肉がついた奴に「お前無職だろ!」って言いづらいじゃないですか。

バンドについてはメンバーと予定が合うときにやるくらいでした。あるとき一気に3曲くらいできて、それだけ引っさげてライブをやっていましたね。

ーどうして、急に3曲もできたのでしょうか?

スルガ:ユーセーが作ったトラックとメロディーと歌詞が偶然はまったんです。特に「夜明け」という曲ができたことによって、ぼんやりとしたディープファン君像が見えてきましたね。日頃みんなが感じてる言いたくても言えないこと、言語化しづらい、独特な何かを音にしたり、言葉にしたりするのが上手く形になったというか。

ーなんか上手くいかない、モヤッとしたもどかしい気持ちが曲として上手く表現できたんですね。

スルガ:そうですね。みんな複雑な人生を歩んでいて、何かしら問題を抱えているはずだから、そういう部分を今後も正直に曲にしていきたいと思っています。

ー曲はどのように作っているんでしょうか。

スルガ:基本的にユーセーが作ったトラックにメロディーと歌詞を乗せて、バンドで形にしていますが、まずはバンドで音を出してみることもあります。最近は3人でスタジオに入りましたね。ユーセーがヨレヨレのドラムを叩いて、俺がヘタクソなベースを弾いて、チャンサキが歌いづらそうに歌っていました(笑)。

ー普段とは違うパートで合わせてみたんですね。なぜやってみようと思ったのですか?

スルガ:ノリですね。その日はインタビューを受けるために3人で集まっていたんです。

チャンサキ:インタビューの後「2時間くらい暇だから遊ぼうー」って。

スルガ:僕らが1番大事にしてるのは、その「遊ぼう」っていう気持ちです。僕は高校の文化祭のとき、学校の門の飾り付けをする「看板パート長」だったんですけど、ユーセーと他の連中と一緒になって準備をしたんです。

文化祭までの2週間くらいの間、毎日夜遅くまで学校に残って、音楽プレーヤーでEarth,Wind & Fireの『SEPTEMBER』とかを流しながらずーっと。僕らのベースにあるのは、あの頃の自由なモノづくりに対しての開けた心なんです。

だから、ライブとか音源だけじゃなくてMVにもこだわっています。もっと他のことにも手を出したいですね。

映画作り、イラストの展示、占いの館…。もっともっとクリエイティブなことがしたい

ー今年はフェスでの活躍が目立ちました。<FUJI ROCK FESTIVAL><りんご音楽祭>に出演した感想を教えてください。

スルガ:<りんご音楽祭>は晴れた昼間の時間にライブができたので気持ちよかったですね。ステージからの景色もすごくよかったですよ。個人的には大学を卒業してから疎遠になっていた友人に偶然会ったり、スタッフに知り合いがいたりして、いい思い出がたくさんできました。

チャンサキ:<FUJI ROCK FESTIVAL>はとっても開放感がありました。夜空の下でお酒を片手に踊ってくれているお客さんと同じ時間を共有できて「あー!!これがフェスだー!!」と嬉しい気持ちになりました。貴重な体験でしたね。

ーフェス出演も果たして、これからより精力的に活動していくと思います。今後はどんなことをやってみたいですか?

スルガ:映画を撮りたいです。僕が個人的に撮るとしたら、Princeの『パープル・レイン』みたいな作品。アルバムの中の曲が劇中歌として流れるようにしたい。ガチなやつを作って上映したいですね。

大好きな特撮もやりたいな。戦いで色んなものが壊れるけど結果誰も死なないっていう、破壊的でありながらハッピーな世界観が好きで。怪獣を倒してみたいですけど、主役は絶対できない。敵でもなんでもいいので、あの世界に入り込める何かを作ってみたいですね。

ユーセー:ウルトラマンの影響を受けすぎてるんだよ。きっと。

スルガ:そうかもしれない。バンドとしても曲を作ってライブをやるだけではなくて、メンバーそれぞれが色々なことをやっているから、もっとクリエイティヴな部分を出していきたいんです。ライブ会場でイラストの展示や占いの館を作るとか、そういう複合的なことやっていきたいですね。

Live Information

セクシュアル Vol.3

開催日:11月5日 (日)@下北沢ERA OPEN 17:00 / START 17:30
料金:Adv:¥2,500/Door:¥3,000(ドリンク代別)
出演:ディープファン君 / fornow / dot.

チケットの購入はこちら
eplus 購入ページはこちら (パソコン/スマートフォン/携帯共通)

ディープファン君webサイト

Photo by 神岡真拓

PLAYLIST

ご本人が作成したプレイリストや記事に関連したプレイリストを紹介

スギタヨウヘイ
Writer: スギタヨウヘイ
1990年生まれ。ブログ「fewmanveeing」を運営しています。なにごともミニマルに考えたい。
RELATED ARTICLE

関連記事

Interview

自由大学sawakoさんから探る「DIYミュージック」。コミュニケーションから作る音楽とは?|Music DN

自由大学の人気講義『DIYミュージック』で教授を務めながら、サウンドアーティストとしても活動をしているsawa

Interview

「流行には必ず理由がある」デザインと音楽の関係|Music DNA #004

「流行っている理由を考えながら、音楽を聴いています」。そう語るのは、元々デザイナーを本業にしており、現在は(株

Interview

良いメロディーはジャンルレスに取り入れる。FOUR GET ME A NOTSのあくなき探究心|Music D

結成から13年目を迎えたFOUR GET ME A NOTS。3ピースバンドとは思えない厚みのあるサウンド、男

Interview

韓国と日本の音楽シーンを繋ぐYonYon。躍進を続ける彼女の葛藤とは|Music DNA #001

韓国のソウル生まれ東京育ちというバックグランドを持つYonYon。DJ、プロモーター、トラックメーカー、シンガ