Opus Innの過去への愛とそこから生まれる未来| Newave Japan #27

Newave Japan

文: 久野麻衣  写:遥南 碧 

音楽ライフを掘り下げるインタビュー企画『Newave Japan』。27回目は無差別級ライブオーディション「TOKYO BIG UP!2018」でグランプリを獲得するなど、今年注目を集める神戸発の男性二人組ユニット、Opus Inn。あらゆるジャンルを昇華させた楽曲を生む彼らの音楽・カルチャー的背景はどんなものなのか、メンバーの堀内美潮に話を伺いました。

過去の音楽に浸かっていた少年時代

ーバンド名の由来など、山下達郎さんからの影響が大きいようですが、初めて聴いたのはいつごろでしたか?

親が世代なので、車の中でよく山下達郎さんの曲や海外のAORとかが流れていたんです。その当時は聴き流してたんですけど、一昨年前に山下達郎さんのライヴを見る機会があって、それがとにかく最高で。すごく感銘を受けました。

ーライヴを観てということは、それまでは大ファンというわけではなかったんですね。

そうですね、友達と行ってみようかっていう話になったので軽い気持ちで。チケットも友達が用意してくれたんです。でも、ライヴを見終わった後には「絶対また観たい」って気持ちになっていて、その次の年も今年のツアーも行ってきました。

ー山下達郎さんのライヴはどの辺りがすごかったんでしょうか?

撮影も一切ないし、ライブ動画もない。来たお客さんのためだけに観せているようなパフォーマンスなんですよね。オケでバックコーラスが流れ、一人で「おやすみ、ロージー」を歌った時は自然と涙が出てました。ビーチボーイズとかドゥーワップとかが大好きだったんで。

ーでは、その山下達郎に感銘を受ける前まではどんな音楽を聞いていましたか?

ジャンル関係なくいろいろと聞いてきましたが、一番最初にバンドをやろうと思ったのは、小学生の時に親のCDを漁って見つけたボン・ジョヴィを聴いたときでした。友達と一緒に爆音で聴いたりしてて、そいつらとバンドを組んだんです。

ー小学生で、しかもボン・ジョヴィのコピーバンドやる子は中々いないですよね?

そうですかね(笑)。
中学になってからはパンクを聴き出して、アヴァンギャルドなバンドをやってました。邦楽も色々と聴いていて、その時のバンドメンバーと一緒に忌野清志郎さんの復活ライヴを観に行ったりしました。化粧したり、フリフリの派手なシャツとか着て、ボ・ガンボスとかも聴いてました。

ーご両親の影響でCDを漁っていたという話がありましたが、ご両親も音楽好きなんですか?

僕の親も永田の親も音楽好きですね。僕の両親はエアロ・スミスとかディープ・パープルとかハードロックの世代なんですけど、両方ともバンドをやっていて、昔の写真を見るとヒッピーっぽい格好をしてるものもあったりして。僕も高校生くらいの頃にヒッピーに憧れて、ロン毛でパンタロンとか履いてました。めっちゃ浮いてましたけど(笑)。

ーそれはご両親から教わったりするんですか?

いや、それは自分で。中高生の頃から60年代の音楽が大好きで、ずっと当時の映画を観たり本を読んだりして、すごく憧れがあったんです。日本だとはっぴいえんどが大好きで、すごくハマってました。でも活動時間も短いし、曲も少ないから、そこから関連するアーティストにどんどん広がっていって。永田もその辺が好きで、シェアハウスで一緒に住んでた時はカバーをやったりしてました。細野晴臣さんの作るコードはかなり難解なやつがあって面白いです。

ー当時の新しい音楽とかは聴いてなかったんですか?

当時は昔の音楽が好きでしたね。だから当時流行っていた音楽とかはあんまり聴いてなくて、バンドをやりだしてからインディー・シーンの音楽を聴きはじめました。

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Vocalの堀内美潮とGuitarの永田誠を中心とする音楽プロジェクト。共通のルーツである60年代からのR&B、Soul、Rock、AOR、また近年のR&B、Electronica、Hiphop等あらゆるジャンルを昇華させた楽曲が注目を集め始めている。2016年頃から2人でトラック制作を開始し、 2017年からSoundCloudにて楽曲を公開。サポートメンバーを含めた構成でのLive活動を行っている。2017年12月に1st EP『Time Gone By』をリリース。
2018年8月1st EP『Time Gone By』のアナログが発売。

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