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「知る人ぞ知るミュージシャン」からの脱却。音楽に取り憑かれたMELRAWが描くストーリー | Newave Japan #29

Newave Japan

文: スギタヨウヘイ  写:遥南 碧 

音楽ライフを掘り下げるインタビュー企画『Newave Japan』。29回目はWONKをはじめとする数多くのバンド・アーティストのサポートミュージシャンとして活躍している安藤康平のソロ・プロジェクト、MELRAW。サックス、フルート、トランペット、ギター、シンセサイザー、MPCをマルチに使いこなす彼の音楽ルーツや、ソロ・プロジェクトを立ち上げた理由について伺いました。

自分にしかできないことをするために、MELRAWが必要だった。

ー昨年のフルアルバム『Pilgrim』のリリースからMELRAWとしての活動がスタートしていますが、なぜソロ・プロジェクトを始動させたのでしょうか。

これまではサックス奏者としてジャズミュージシャンとしての活動やWONKものんくるといったバンドのサポートやスタジオミュージシャンとして活動していたのですが、個人として作品を作りたいという欲求が強くなったんです。上手に吹けるサックス奏者なら世の中に山ほどいる中で、「安藤康平にしかできないこと」を表現したいと思って。

ソロ・プロジェクトはプレイヤーではなく、プロデューサーとして全体をコントロールしています。「音楽に取り憑かれたエイリアンであるMELRAWから生み出される音楽」ということであればサックスやギターなどの色々な楽器を使えるし、ジャズ寄りのことも、ヒップホップ寄りのこともできると思ったんです。

ーつまり、MELRAWは理想の音楽をアウトプットするための存在だと?

そうですね。今まではサポートするアーティストの世界観をキャッチして、寄り添うように演奏するのが僕の強みでしたが、「安藤くんのソロを入れたい」と名指しで仕事がくることも増えてきたので、今後はこれまでの経験や聴いてきた音楽を踏まえて、自分の色を積極的に出していけたらいいなと思っています。

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WONKのサポートメンバーとしても知られるほか、サックス、フルート、トランペット、ギター、シンセサイザー、MPCを縦横無尽に行き来するマルチ・インストゥルメンタリスト:安藤康平によるソロ・プロジェクト。音楽に取り憑かれたMELRAWを名乗るエイリアンのマインドコントロールによって生み出されたというコンセプトをもとに活動を展開している。2017年12月には自身初となるフルアルバム『Pilgrim』をリリースした。
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