three1989

THREE1989が自分たちの表現の先に見つけた大切なものとは | Newave Japan #39

Newave Japan

文: 久野麻衣  写:遥南 碧 

『Music DNA』から『Newave Japan』と名前を新たにお送りする、編集部オススメの若手アーティストの音楽ライフを掘り下げるインタビュー企画。39回目は1989年生まれの3人で構成されたエレクトロバンド、THREE1989。ニューノスタルジックな楽曲で支持を集める彼らの音楽ルーツやバンドの歴史、新作『Kiss』に込められた想いなどを伺いました。

それぞれの音楽との出会い

ーみなさんの音楽との出会いや音楽を始めたきっかけを教えてください。

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DJ.Datch:

僕は高校の英語の授業でMariah Careyの「Hero」を聴いたのが最初に洋楽に触れたきっかけでした。その曲がすごくよくて、その日にアルバムを買って聴き始めたんです。その後はクラブに行くようになって、普段聴かないような音楽にいっぱい出会えました。

ー印象に残っている曲はありますか?

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DJ.Datch:

Alicia Keysの「No One」がすごく気に入ったんですけど、今みたいに携帯のアプリで調べて出てくるような時代じゃなかったんで、誰の曲なのか調べるのがすごい大変でしたね。でもこの曲に出会えたことが自分が音楽に触れていくきっかけだったかなと思います。

ークラブにはよく遊びに行ってたんですか?

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DJ.Datch:

そうですね、それまではどちらかというと、スポーツ畑で育ってきたんで、周りに音楽詳しい子がいなかったんです。でも、彫金のジュエリーを作る専門学校に行き始めてから、同じ学年にいた6歳くらい上の人と仲良くなって。そこからナイトライフの間口ができていきました。

ーその後、上京するきっかけはなんだったのでしょう?

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DJ.Datch:

その頃に作曲に興味を持ち始めて、もっと音楽をやりたいなと思って22歳の時に東京出て来て、メンバーと出会ったんです。

ーShoheyさんはいかがですか?

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Shohey:

僕は子供のころから歌が好きだったので、ずっと歌を歌ってて。それで小学校5年生の時に音楽会で一人で「アメイジング・グレイス」を歌う機会をもらったんです。その時にみんなが感動してくれた事がきっかけで歌手になろうって決めました。

ー早くから歌手になることを決めてたんですね。小さい頃はどんな曲を聴いてましたか?

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Shohey:

初めて買ったCDは宇多田ヒカルの「Automatic」です。そこから歌が上手い日本の音楽を聴くようになって、CHEMISTRYとか、親が好きだった久保田利伸を聴いてました。でも、聴くより歌う方が多くて学園祭で歌ったり、カラオケに行ったりしてましたね。

ー洋楽は聴いてましたか?

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Shohey:

洋楽にどっぷりつかったのは大学生になってからです。DJをやっている友達に熊本で1番危険なクラブに連れて行かれて、そこでハウスを知ったんです。そのクラブでかかっているのはハウスの中でもディレイが強めで、ずっと同じようなフレーズがループしてるから、宇宙にいるような変な気持ちになって。そこからダンスミュージックが好きになって、歌うよりも聴く方に変わりましたね。

ー作曲を始めるきっかは何かあったんですか?

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Shohey:

大学生の時にたまたまクラブで歌う話をもらったんですけど、「歌うならオリジナルを作ってこい」って言われたので、小さいキーボードを買ってガレージバンドをダウンロードして打ち込みを始めました。

ーShimoさんが初めて音楽と出会ったのはいつですか?

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Shimo:

親父がトランペットのセミプロだったので、その影響でファミリーバンドをやってたんです。兄がギターで、姉がフルートで、僕は当時2歳くらいだったんで、まずはリズム感からってことでカスタネットを叩いてました。当時はいやいやだったんですけど…。

ーかなり小さい頃から楽器に触れる環境だったんですね。

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Shimo:

あとは音楽教室でエレクトーンも習ってましたね。でも“男なのにピアノ弾いてる”って言われるのが恥ずかしくて、小学校5年生でやめちゃたんです。
そのコンプレックスがあったんで男らしい楽器をやりたくて、中学校ではドラムを始めて、最初はELLEGARDENとかGreen Dayとかパンクをやってました。その時「最強の練習手帳」っていうドラムフレーズがいっぱい載ってる本を見て練習していたので、そこで色々なジャンルの音楽を知りましたね。

ーShimoさんはギターも弾けますよね?

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Shimo:

ドラム以外にも弾き語りができたらいいなと思って、兄にThe BeatlesBob Dylanとかフォーク系のギターを教えてもらったんです。あとはファミリーバンドのおかげで色々な楽器ができるようになりました。

ーキーボードはいつからですか?

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Shimo:

ずっと同じこととしているのは面白くないってことで、専門学校の頃にジャズピアノを練習し始めたんです。親父がジャズトランペットをやってたこともあって、中学生の頃からジャズは知ってたんですけど当時は理解するのが難しくて。でも、色々な音楽を聴いていてだんだん耳が変わっていったのかな。構成とか作曲に興味を持ち始めたタイミングだったので色々なコードが弾きたくて、ジャズやフュージョンにハマっていきました。

ー特にハマっていたアーティストはいますか?

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Shimo:

Chick Coreaは特にハマってました。ジャズの中でもラテン系だし、ドラムをやっていたのでリズミカルな方が聴いていて気持ちよくて。しっとりしたジャズより、ノリノリのラテンな感じがすごいよかったんです。

THREE1989がこれまで選んで来た道

ーTHREE1989の結成の経緯について聞かせてもらえますか?

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DJ.Datch:

最初は僕が「応募してフェスに出よう」っていう口実で2人を誘ったのがきっかけでした。最初は3人とも曲を書けるので、それぞれの曲を3人でやる形でしたね。

ーライブはやってましたか?

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Shohey:

結構やってたかもね。老人ホームとか地元のお祭りとか。自分たちで事務所を立ち上げたから仕事を取ってくる人もいなくて、地元の人と繋がって、そこに営業をかけてました。仕事は選べる状況じゃないから、必然的に初めて見てくれる人が盛り上がってくれるにはどうしたらいいんだろうって考えながらパフォーマンスしてましたね。

ー自分たちで事務所を立ち上げたのはなぜですか?

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Shohey:

いい曲・いい音楽を知ってもらえるように活動したいっていうのが大きかったと思います。オファーもあったんですけど、そこの事務所から「流行りのJ-POPぽく書いて欲しい」って言われて、それは自分たちの中で違うなと思って。
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DJ.Datch:

ただ、何もない状態で大手の事務所からお声かけいただいたので、成功への近道なんじゃないかって思う気持ちと、自分たちの表現したい音楽とは違うなっていう気持ちがあったんで、コイントスで決めたんです。それで3人とも出た目に納得したので事務所立ち上げの方向で決めました。
でも自分の中では事務所を立ち上げる覚悟が決まっていたので、違う目が出てたら「もう一回やろう」って言ってたと思います(笑)。

ーFAR EAST OF EDENからTHREE1989にバンド名を変えたのはどうしてですか?

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Shohey:

それまでは「100%お客さんを楽しませるには」っていう楽曲作りだったんですけど、震災だったり、友達が離れていったり、失恋だったり、すごく色んなものを失った時期があって。それでも残ってくれるものは残ってくれていた。だから大切なものは大切にしようって思って「限りがある人生で本当に自分のしたいことはなんだろう」ってもう一回3人で話し合いをしたんです。それで3人でやりたい音楽の方向性を定めて一新したんです。その時にバンド名もシンプルにTHREE1989に変えました。
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Shimo:

バンドって基本的に「あのジャンルやりたいからやろうぜ」っていうのが多いけど、ここまでジャンルが変わって3人で続けられているのは珍しいと思います。毎回生まれるものが新鮮で、色々な色があるから制作していても意欲的になれて楽しいんです。
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Shohey:

FAR EAST OF EDENとしてちゃんと活動してた認識はあったので、「それを0にしてでも1からやる」っていう意気込みがあったおかげか、ファーストシングルを配信しただけでかなり広まった感覚があって。やりたいことをちゃんとやれば周囲は認識してくれるなってすごく思いました。

新作はバンドからの“愛情表現”

ー間も無くニューアルバムがリリースされますが、『KISS』というタイトルを選んだのはどうしてですか?

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Shohey:

家でふと『KISS』っていいなって思いついて。キスの中には例えば挨拶だったり、愛情表現だったり、色々な意味合いがあるじゃないですか。だから色々なジャンルの表現ができると思ったんです。結果、バラエティーに富んだ作品になったと思います。
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DJ.Datch:

リリース日もバレンタインの時期に近かったので「恋愛もの多めで書いていく」っていうざっくりとしたテーマがあって、出来上がってくる曲は80年代〜90年代前半のテイストのものが多くて。そこへShoheyくんが「『KISS』どう?」って持ってきてくれた時に、今回の作品は「自分たちのやりたい曲を伝える」っていう意味での愛情表現だと思ったんです。

ーこれまで80年代をフィーチャーしていた所から90年代にまで広がって行ったんですね。

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Shohey:

僕らが本当に聴いてきた曲が90年代の曲だったのと、ライブの会場が少しづつ大きくなってきたのでライブ生映えするような90年代ロックとかをニュアンスを入れたりしないと、そのキャパのお客さんを楽しませることはできないんじゃないかなと思って。
インタビュイー画像

DJ.Datch:

『KISS』ってタイトルが決まった後にできた曲はそういうイメージがありますね。打ち込みロック的なものとか、新しいTHREE1989としての見せ方が出来るものを足していきました。

ーTHREE1989の根本的な考えは結果的に初期の「みんなを楽しませたい」っていう所に着地するんですね。

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Shohey:

THREE1989を始めた頃って「やりたいことをやろう」って1番尖ってたと思うんですけど、今はそこにFAR EAST OF EDENの頃の「みんなを楽しませよう」っていうのがいい感じに相まって来てる感じます。だから前身のバンドは無駄じゃなかったなって思えるようになってきましたね。

ー今後の展望や何か挑戦してみたいことはありますか?

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Shimo:

僕は平成最後に何か平成のイベントをやりたいですね。平成で始まり平成で終わるみたいな。終わったらあかんけど(笑)。

ーDatchさんは何かありますか?

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DJ.Datch:

今の知名度になってようやく「THREE1989聴いてます」って色んな人から言ってもらえるようになったんですよね。僕らは“ポップス”っていうところに1番の軸を持っていて、そこへ僕たちの好きな洋楽のテイストを入れ込んで、音楽的にもかっこいいものにしたいんです。僕らの音楽を通して、そういう音楽が一般的に広まってくれればいいなって思います。

ーShoheyさんはいかがですか?

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Shohey:

僕はやっぱり若い子たちを集めてTHREE1989ガールズを作って、一緒にツアーを回りたいですね。

ー下心が見えてますね(笑)。

一同:(笑)

THREE1989のルーツプレイリスト

INFORMATION

3rdアルバム『Kiss』

発売日:2019年2月13日(水)
収録曲:mint vacation、Rambling Roseを含む10曲収録

THREE1989 3rd ALBUM “KISS” RELEASE ONE-MAN LIVE

日時:2019年2月8日(金) OPEN18:30 START19:30
場所:渋谷WWW X
   〒1500042 東京都渋谷区宇田川町13-17 ライズビル2F
料金:¥3,500-(1ドリンク別)
リンク:https://www-shibuya.jp/schedule/009743.php

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この記事を作った人

WRITER

久野麻衣

DIGLE MAGAZINE 副編集長

PHOTOGRAPHER

遥南 碧

パンク、ブラック、ロックが好きな大阪出身のエモグラファー。「愛が見える写真」、「音が聞こえる写真」を撮ります。もっと色んな写真を見たいなと思ったらWEBサイトも覗いてなー!お仕事のご相談もお気軽に!

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three1989
THREE1989は、Shohey(Vo)、Datch(DJ)、Shimo(Key)の1989年生まれの3人組のバンド。特殊ともいえる編成でのパフォーマンスは、打ち込みサウンド特有のグルーヴとボーカルShoheyの歌声を際立たせる強みとなっている。
楽曲面においては1970~80年代のR&B、ジャズ、ロックなどに感銘を受けたメンバーが創り出す、現代的なサウンドの中に当時の懐かしさを感じる、ニューノスタルジックな楽曲が特徴。
またボーカルのShoheyは、Netflix/フジテレビ系リアリティ番組「テラスハウスオープニングドアーズ」に出演。世界的に知名度も上がっており、現在Instagramのフォロワー数は8万人を超えている。
去年11月20日に配信されたテラスハウス第40話では、同年9月に出演したりんご音楽祭2018のステージの模様が放送され、話題となった。

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