村田あつみさんの思い出の一曲「PLAY」/ SEKAI NO OWARI|Music Episode #011

Music Episode

文: 遥南 碧 

誰もが持っている思い出の一曲についてインタビューする『Music Episode』。第11回目はカップルや家族、友達同士のための出張フォト撮影サービス「ラブグラフ」のCCOであり、デザイナーや映像制作などマルチクリエイターとしても活躍する村田あつみ(以下あんみつ)さん。彼女の思い出の曲「SEKAI NO OWARI/PLAY」についてお話を伺いました。

vision or real.人生最大の決断を後押ししてくれた1曲

ー思い出の一曲を教えてください

SEKAI NO OWARIの「PLAY」です。

ーどんなエピソードがあるか教えてもらえますか?

私は学生時代に「Lovegraph(ラブグラフ)」っていう出張撮影サービスの会社を立ち上げたんですけど、新卒でリクルートホールディングスに就職して、自分のサービスは副業としてやっていました。両立していたんですが、サービスが幸運なことに副業に収まらないくらい忙しくなってきたんです。一方でリクルートでも優秀な同期に囲まれて、仕事についていくのにやっとな生活になり、どちらにも集中できない状態に申し訳なく思っていました。

そんな矢先に、ラブグラフ共同創業者であり、代表のこまげから事業の将来について色々と話されて、最後に「あっちゃんの人生を背負う覚悟が出来ました。だからラブグラフに戻って来てください。」と言われたんです。その言葉を胸に退職を決意したんですが、まだなんの結果もない、たった2人の社員しかいないスタートアップで、これからどうなるのか不安に思っていた私に勇気をくれた曲が、SEKAI NO OWARIの「PLAY」なんです。

この曲はRPGのゲームをモチーフにしていて、「冒険の始まりは君の中の『ここじゃないどこかへと行ってみたい気持ち』だから、どんなに険しい道に阻まれようと、その気持ちこそが君の使える魔法だよ。」っていう歌詞があるんですけど、ちょうど行ったライブでこの曲を聴いた瞬間、息が出来なくなるくらい涙が止まらなくなったんです。

その時私は『ここじゃないどこか』に行ってみたいんだと気づいたんです。大企業もいいけど、やることが見えていて、将来どうなるかも知ってしまっていることが、どこかつまらなく感じていました。私がラブグラフを選んだのは、紛れもなく『ここじゃないどこか』に行って、まだ見たことのない景色を見たかったからだと思ったんですよね。

それ以来、私にとってこの曲はずっと初心を思い出させてくれる曲です。今でも朝のアラームにしたり、パソコンを開く時のパスワードにしていた時期もあります。

ーあんみつさんにとってSEKAI NO OWARI はどんな存在ですか?

自分の中でもやもやしてる言葉にならない気持ちを、言語化して定義してくれる存在であり、自分の人生のバイブルです。

SEKAI NO OWARIの名前の中には『No War』というメッセージが入っていて、セカオワが一番に掲げているテーマって世界平和なんですよね。色んな曲の中で、世界平和に対する答えみたいなものを歌ってるんですけど、そのためには『愛』が必要と歌っています。それって私たちラブグラフも同じ思想なんです。

その他にも「チーム」としても大好きです。バンドはとてもスタートアップに似ていると思っていて、例えばFukaseさんがライブのMCで言っていた「なんでそんな暗いバンド名なの?変えな?とか、ドラムとベーシストがいないバンドは売れないね、とか色々言われて傷付いたこともあったけど…でも僕は今この日本で一番大きいステージに立ってます!」っていう話が私は大好きで。彼らは私にとってはヒーローみたいな憧れの存在だけど、彼らも最初は本当に誰も知らなくて、馬鹿にされていた時期もあったけど、色々乗り越えて、今あの大きな舞台に立っているんだなと思うと、自分が仲間と会社をやっていく道のりとすごく重なる部分があります。

別の曲になるんですが「不死鳥」という生死について歌っている曲もとても好きなんですよ。その曲では死を「今を大切にすることができる魔法」と表現していて、死があるからこそ目の前のことが頑張れたり、大切な人を今大切にできるということを、セカオワの曲を通じて気づけました。辛いことがあった時代に、この曲に私はとても救われたので、きっと他にも同じような形で共感した人がたくさんいると思います。

そんな多くの人に影響を与え続けているセカオワに憧れています。私もラブグラフを通して、人生の儚さと美しさに向き合っていきたいです。

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