国境を超える癒しの歌。DedachiKentaが臨む未来

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文: 黒田 隆太朗  写:山本絢子 

初のフルアルバム『Rocket Science』をリリースしたDedachiKentaにインタヴュー。自身のルーツをまとめたプレイリストと共に、彼の音楽観へと迫る

ビンテージ・サウンドに乗せて語られる、<Life is not easy. sometimes if you are Rocket Science>というフレーズ。そう、人生は簡単なことばかりではない。しかし、彼はその後こう続ける。きみが信じていれば不可能なことばかりじゃないさと。その背後で聴こえてくるのは子供の声と小鳥のさえずり、誰もが幸福な風景を思い浮かべるだろう。これこそが『Rocket Science』で彼がプレゼンしたかった風景だ。

既に早耳のリスナーの心を奪っているDedachiKentaが、初のアルバムをリリースした。牧師の家庭に生まれ、6歳からインターナショナル・スクールに通い、18歳で渡米。現在LAの大学に通う10代の青年が、清らかで普遍的な魅力に満ちた歌を生み出した。John MayerやEd Sheeran、Tom Mischから受けた影響を、素直にアウトプットした一作と言えるだろう。日本にも海外にもフィットしないと語る彼は、しかしそれ故にどこにでも行ける。ボーダレスな時代に生まれた原石に迫る。

癒しの唄

ーDedachiさんのルーツとなるプレイリストを作っていただきました。まず、この中で昔から聴いてきて自分の身体に馴染んでいるものは?

「Bad Day」と「Free Fallin’」と「Lego house」、「Hallelujah」や「Bubbly」もそうですし、他にも…。

ーつまり、ほとんどがそう?(笑)。

そうですね(笑)。ここにあるほとんどの曲が自分の音楽のルーツであり、今僕が作っている音楽に繋がっています。

ーでは、この12曲の中で一番最初に出会った曲は?

「Oh Happy Day」だと思います。僕は姉弟が多いんですけど、自分がメインを歌い、姉弟がハモって、ゴスペルクワイア的に家族みんなで歌ったことがあります。それが6歳の頃で、その時から歌うの好きだなと思っていました。

ー凄いですね。ご家族も音楽が好きな方達だったんですか?

僕の音楽のインフルエンスは姉が大きくて、Daniel Powterの「Bad Day」は初めて手にしたCDなんですけど、それも姉が紹介してくれた曲でした。あと、彼女はピアノを弾くので、「Hallelujah」を学園祭でふたりで歌ったこともあります。父と母はThe Beatlesが大好きで、「Hey Jude」などがよくかかっていました。聴き始めるといろいろなメモリーが浮かんでくる曲で、僕も凄く好きですね。

ープレイリストにはEd Sheeranも入っていますが、彼の音楽はまさに今のDedachiさんに繋がっているように思います。

そうですね。ギターを始めたばかりの頃、弾き語りを練習するならこの曲かなって思って「Lego House」を聴いていました。

ー「俺でもできるんじゃないかな」と。

Ed Sheeranは凄くカッコいいし、この歌はルーターを使わずにギターをポロポロ弾きながら歌う曲だから、これだったら自分もいけるかなって。John Mayerの曲もよく練習していた曲で、彼のギターは難しいけど、「Free Fallin’」を弾いたりしてました。

ーライヴ盤にはいつ出会ったんですか?

友達にiPodをもらったんです。その中にJohn Mayerのアルバムが入っていて、僕はレコーディング・バージョンよりもライブ盤の方が好きでした。たぶんそのiPodには2000曲くらい入っていたけど、聴いたのは50曲くらいですね。その中にあるJohn MayerとEd Sheeran、Taylor SwiftColbie CaillatBruno Marsをひたすら聴いていました。

ーJohn Mayerは三大ギタリストと言われていましたが、僕は歌の人でもあると思います。彼は本当にいいギターを弾いて、いい歌を歌う音楽家ですが、『Rocket Science』を聴ていると、Dedachiさんのアーティストとしてのゴールのひとつもそうしたところにあるのかなと思いました。

そうですね。本当にその通りで、僕もただいい歌といい音を届けたいっていう気持ちで音楽をやりたい。ひとつのジャンルに留まるのではなくて、色々な人に聴いてほしいし、ボーダレスにいきたいですね。たくさんの人を自分の音楽で励ましたいし、そのためには、なんでもトライしたいと思っています。

ーたくさんの人を励ましたいと言うのは?

音楽を始めた頃、聴いてくれた人に「Kentaの声って凄く癒される」と言われたことがあって、自分はそのために歌っているのかなと思います。この声が人を癒すために与えられたのだとしたら、音楽をつくる時の最終的なゴールは、聴いてくれる人がどんなシチュエーションにいたとしてもハッピーにすること。そういう歌をずっとつくりたいと心がけています。

ーメンタルヘルスの時代だとも言われますし、だからこそ作り手のマインドの持ちようも凄く重要ですよね。

そうですね。ちょっとメンタル的に難しい時には、自分の歌を聴いて癒されることもあるんです。自分が癒されなかったら他の人も癒せないと思うので、それを信じてやっています。

次ページ:温もりのビンテージ・サウンド

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この記事を作った人

WRITER

黒田 隆太朗

平成元年生まれ、千葉県出身。ライター/編集。MUSICA編集部→DIGLE編集部。

PHOTOGRAPHER

山本絢子

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 1999年11月26日、長崎生まれ、千葉育ち。18歳の夏に渡米。現在ロサンゼルスの大学に通う19歳のシンガーソングライター。幼少期よりアコースティックギターをはじめ様々な楽器を嗜む。14歳からYouTubeを使って自身の動画を配信。撮影も自らが手掛ける一方、その清廉な歌声は瞬く間に世界中の多くの音楽ファンの心を癒し、虜にした。
 2018年11月21日にオフィスオーガスタの新生レーベル“newborder recordings”より第一弾アーティストとして「This is how I feel / memories」の2曲でサブスク先行配信デビュー。翌月12月5日に両A面アナログ7inchEPとして同曲をリリース(デジタル配信も同時スタート)。洋邦の枠を超え、全国FM29局のパワープレイに選出される。
 2019年、YouTubeが注目するアーティスト10組‟Artists to Watch”にも選ばれ、4月10日にはタワーレコード限定CD『breakfast for dinner』を発表。5月22日リリースのAmPmの最新作にVocalとLyricで参加した「more feat. DedachiKenta & FUNTYME」も話題に。
 現在LAと日本を往復しながら1年をかけて制作された待望の1st Album「Rocket Science」を10月30日(日)にリリース。
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