クラブを愛し、平和を歌うワンダフルボーイズ。Love sofa20周年を前にSundayカミデの歴史を辿る

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文: 黒田 隆太朗  写:山川哲矢 

「We are all !!!!!!!! onemantour2019」に乗り出すワンダフルボーイズにインタビュー。「Sundayカミデが100回聴いた曲」というプレイリストから、大阪アンダーグラウンドの顔役・Sundayカミデの歴史を辿る。

<僕らが踊るこの夜に/悲しいニュースは似合わない>。「We are all」で歌われたこのラインは、今年のベストリリックのひとつだと思っている。悲しいニュースばかりが飛び交う時代のポップソングとして、そう祈らずにはいられなかったのだろう。Sundayカミデは本気で平和を表現しようとしている。敬愛するジョン・レノンやボブ・マーリーがそうであったように。

現在ワンダフルボーイズは、春にリリースした『We are all』に紐づけた<We are all !!!!!!!! onemantour2019>を始めている。彼らは今年メジャーデビューを果たし、来年にはSundayカミデのイベント「Love sofa」が20周年を迎えるなど、いわば新しいシーズンの幕開けに向けたツアーである。

今回のインタヴューでは、「Sundayカミデが100回聴いた曲」というプレイリストを肴に、ハードな少年時代の輝かしい音楽体験を紐解いた。愛とユーモアを交えて語るSundayカミデからは、彼自身の歴史と懐の大きさを感じずにはいられないだろう。こんなヒドい時代に正面切ってポップソングを歌えるのは、本当の悲喜こもごもを知っている人間だけだ。ワンダフルボーイズのライヴ会場限定で流通している、Sundayカミデの自伝本『話』にはこう書かれている。

「働くとは、どれだけの人を笑顔にできるかだ」。

全然喋ったこともない人達とX JAPANを弾いた

ー「Sundayカミデが100回聴いた曲」というテーマにプレイリストを作っていただきました。Sundayさんはここにある楽曲をどのようにのめり込んでいましたか。

車の免許を取ったばかりの10代の頃に、ヒップホップをかけてアメ村に行くみたいな時期があって。その時にノーティ(Naughty By Nature)とかLenをよく聴いていました。当時よく聴かれていたトミー・ボーイ(1981年創立の老舗ラップ/ヒップホップ・レーベル)みたいな、図太いサウンドを車で鳴らしてる人達よりも少しオシャレというか、ライトにヒップホップを爆音でかけるみたいなところで、レンやノイティはマッチしまくっていて。レンはふざけたノリがドはまりしてました。

ー自分を輝かせてくれるもの?

当時一緒にバンドをやっていた、美容師の専門学校に行こうとしてる学校で一番オシャレなやつから教えてもらって、ふたりでめちゃくちゃ聴いてましたね。アメ村のクラブでカッコつけたかったというか、僕はたとえばプレイリストにも入れたスチャダラパーのことは歌えるし、高校の同級生と喋る時はスチャダラの話をするんですけど、クラブに行くと全然違う答えを持ってないといけなかったんですよね。まだ荒い時代で喧嘩もあったので、そういうところで「こいつ知ってんな」って思わせる最強のやつがLenでした。

ーレッチリの「Walkabout」を好きになった理由は?

アルバム『One Hot Minute』に入ってる「Walkabout」はレッチリ(Red Hot Chili Peppers)の中でもほぼスラップが出てこない楽曲で、僕はアシッドジャズブームの中でもレッチリのこの曲は最先端だったんじゃないかなって思っています。

ーなるほど。

そもそもはフジロックの1回目の様子がWOWOWでオンエアされてて、台風の中でライヴする彼らを見たんですよね。ヴォーカルのアンソニーが骨折して腕つられながら出たステージを見てびっくりして。そこからは自分のベースのスキルを上げたくて、フリーの教則ビデオを見たり、彼と同じ楽器とエフェクトを集めていって。1日12時間以上練習しても全然苦じゃなくて、それからはクラブに行かなくなって、めちゃくちゃバンドをやり始めました。アルバイトの時も右腕に黒い線を4本書いて、日々運指の練習をしながら「いらっしゃいませ~」っていう感じでした。

ー凄いですね。そして今回一番意外だったのがX JAPANです。

中三の時のコーラスコンクールで、僕のクラスの自由曲がX JAPANの「Say anything」に決まったんですよ。

ーなかなか大胆な選択ですね(笑)。

ねえ? そんなことあります? で、僕はその頃は適度に学校を休んでいたんですけど、担任の先生が楽譜を持って家まで来てくれて。「お前音楽の授業全然出てこないけど、コーラスコンクールでピアノを弾いたら、出席したことにしてやる」って言ってくれたんです。でも、「これは一生弾けないです」みたいな。

ー(笑)。

ただ、1週間とりあえず家で練習してこいと。その間学校も来なくていいからって言うので、それこそ1日10時間くらい練習して、リハーサルもなしで本番当日クラスのみんなで「Say Anything」をやったんですよ。それにめっちゃ感動して。

ーというのは?

だってそれまで1回も合わせてないし、全然喋ったことのない人達なのに、僕の伴奏でみんなが歌うんです。しかもBメロあたりからクラスのみんなもノッてきて、自分のピアノもアガっていって、これはめちゃくちゃ面白いなと。僕のピアノで40人が本気で歌っているし、まだ声変わりしてないくらいの男子の声とかめちゃくちゃよくて。ウィーン合唱団のようなやつがひとりかふたりか混じってる感じが凄く衝撃で、音楽って見てるよりやってるほうが感動すんねや!っていうことを「Say anything」に教えていただきました。

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黒田 隆太朗

平成元年生まれ、千葉県出身。ライター/編集。MUSICA編集部→DIGLE編集部。

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山川哲矢

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OSAKAUNDERGROUNDのPOPMAKER、Sundayカミデを中心にCLUBMUSICをbaseにしたパフォーマンスは常にDANCE and MELLOWでフロアを沸かせている。
2019年4月遂にVictor EntertainmentよりAlbum『We are all』でメジャーデビュー。
「君が誰かの彼女になりくさっても」「天王寺ガール」などの代表作のイメージとは異なるDANCETUNEの連続で踊るステージは90年代のCLUBCULTUREを彷彿とさせている。


アツムワンダフル(G)
林未来彦(Sax&Fl)
Sundayカミデ(Vo)
ニーハオ(B)
番長(Dr)
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