Osamu Fukuzawaが紡ぎだす、新たな価値観

Review

文: 秦 麗奈 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はOsamu Fukuzawaをご紹介します。

別々の世界を結びつける

軽やかに鍵盤を叩くステップに心地よく体を預けられるグルーヴ。Osamu Fukuzawaの作る音楽は、果物をひたすら煮詰めて作った無添加のジャムのようである。甘く優しいのにくどくはなく、「もう1曲だけ…」と何度も繰り返し耳にしたくなる。

現在はキーボディストにとどまらず、コンポーザーやアレンジャー、プロデューサーとして、多面的な活躍をしている彼。幼少期のピアノ、そして10代でのSmooth Jazz、R&B、HipHopとの出会いがルーツだ。
その音楽性に磨きをかけてこられたのは、Fukazawaが柔軟な思考の持ち主であるからに他ならないだろう。絵画や歌舞伎にも興味を示し、時には三味線とも共作に挑む。新たなマインドや世界観を取りこみ、自身の世界に展開していくことこそ彼の強みなのだ。

先日配信が開始された「夜迷」は、ボーカルにYELIKKを迎えたナンバー。波の満ち引きのように揺らぎ続けるサウンド、淡々と流れていく音楽は、リスナーの領域を侵すことなくゆったりと肌になじんでいく。月明りを吸いこみながら耳にしたい1曲に仕上がった。

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