今の自分を歩かせてくれる記憶とともに、春に聴きたいasakaの『Weather Song』

Review
ポニーキャニオンとDIGLEMAGAZINEが新世代アーティストを発掘・サポートするプロジェクト『earlyReflection』より、今おすすめのアーティストをピックアップ!第87回目は、asakaをご紹介。

ちょっとびっくりするぐらいスロー〜ミディアムテンポの楽曲に大物感が漂うバンドである。大学の音楽サークルで出会い、社会人になる際に音楽から離れてしまうのが寂しかったからという結成の経緯はわかるとして、バンド名がメンバーの好きだった女の子の名前に由来しているという無邪気さからは想像できない天然のスケール感を湛えているのだ。いや、無邪気だからこそ大物なのかもしれない。そのような経緯で2022年に結成されたasakaは、井上創太(Vo. / Gt.)、あきほ(Dr.)、河野名太(Gt.)、福島壮流(Ba.)からなる4ピースバンドで、東京を拠点に活動中だ。2022年10月リリースの1st EP『四季と景色と日々と』で、すでに大きなグルーヴを持ったシンプルなアンサンブルの楽曲を聴くことができ、その印象はくるりandymoriフジファブリックなどを想起させる。メンバー全員が曲を作るが、特に井上が書く歌詞の個性が光る。内面に浮かび上がる自分だけの感情を、温度や湿度を感じる言葉に定着させている。2024年1月の2曲入りシングル『朝/歌』はそれぞれの曲でバンドをやる心持ち、歌を歌う理由が綴られている印象だ。さらにあきほの作詞・作曲による同年6月のシングル『nobody』では、どこかスピッツにも通じるメロディラインも聴ける。

その後、アンサンブルに変化が見られたのが、2025年8月リリースの2曲入りシングル『光』で、これまでのクリーントーンにこだわらず、オルタナティヴなリフの厚みは彼らの特徴である堂々としたスローテンポに切実な響きを加えることに成功したと言える。だが、常に井上のボーカルは歌詞を丁寧に伝えることに徹していて、そこは彼の影響源である桜井和寿Mr.Children)のボーカルスタイルや表現方法が通底しているのだろう。ロングトーンを大きな口を開けて全力で届けるライブ映像を見ると、井上の存在自体になんだか感銘してしまう。最初から飾ったりカッコつけたりしない人なのか、それともasakaがあるから今の彼があるのかは知り得ないが、直感的に信頼したくなるタイプのフロントマンなのだ。

記憶とともに歩む、asakaの春の歌

2026年一発目となるシングル『Weather Song』は2曲入りのお馴染みのスタイルで、新しい環境に飛び込む人が多い春という季節を描いている。井上の作詞作曲による「ウェザーソング」は、彼の描く世界観に季節や温度、湿度…と先に書いた要素が歌詞にも音像に表れている。2本のギターが会話するような優しいアルペジオのイントロから始まり、分厚いアンサンブルに突入、ここ最近のオルタナティヴなモードも顔を出す。学生時代の記憶を辿る主人公。バカなことをやった友だちとしか共有できない信頼が描かれる。それは大人に近づいた苦味が背景にあるからこそ、より大切に思えるものばかりだろう。セクションごとのアレンジの変化や、2Aでのあきほのコーラス、アウトロでさりげなく入るアコギのフレーズなど、細部も練られている。タイトルは、天気の話をするように日常的にこの歌が存在してほしい、そんな想いにもとれる。新しい生活が始まる今の季節に大袈裟なエールじゃなく、素直な実感が嬉しいリスナーも多いんじゃないだろうか。

一方の「春が過ぎたら」は河野(Gt.)の作詞作曲。「ウェザーソング」より季節は晩春に近いイメージで、否応なく大人にならなければいけない状況の中で、今自分はどうありたいのかと言葉を重ねていく。《この寂しさの正体を知れるような 膨大な知識が欲しい》というフレーズなどはそれ自体が自己確認のプロセスを示している。誰もが体験する通過儀礼の季節を前へ前へ進む8ビートが後押ししてくれる体感もいい。今まさに同じような心境で春を過ごしているリスナーはきっと、自分ごととしてこの2曲を受け止めるだろう。ポップソングを書けるバンドの新たな一章だ。

asaka

過去のインタビュー記事はこちら

RELEASE INFORMATION

インフォメーション画像

New Single『Weather Song』

2026年3月9日 リリース

▶︎配信URLはこちら

early Reflection

インフォメーション画像

early Reflectionは、ポニーキャニオンが提供するPR型配信サービス。全世界に楽曲を配信するとともに、ストリーミングサービスのプレイリストへのサブミットや、ラジオ局への音源送付、WEBメディアへのニュースリリースなどのプロモーションもサポート。また、希望するアーティストには著作権の登録や管理も行います。
マンスリーピックアップに選出されたアーティストには、DIGLE MAGAZINEでのインタビューなど独自のプロモーションも実施しています。

▼Official site
https://earlyreflection.com

SNSで記事をシェア

SNSフォローで
最新カルチャー情報をゲット!

asaka(アサカ)

東京を中心に活動しているロックバンド。

メンバーは井上創太(Vo. / Gt.)、あきほ(Dr.)、河野名太(Gt.)、福島壮流(Ba.)の4名。

2022年に結成。全メンバーが作曲を手掛け、個性豊かで枠に囚われない楽曲の幅広さが特徴的。優しさを内に秘めたポップ・ロックな楽曲から、フロアを圧倒するエネルギッシュな楽曲まで演奏する。

2022年10月に1st EP『四季景色日々』を発売し活動を開始。2024年1月には1stシングル『朝/歌』、同年6月に2ndシングル『nobody』、2025年9月に2曲入りの3rdシングル『光』をリリース。2026年3月に2曲入りの4thシングル『Weather Song』をリリースする。
閉じる