Maika LoubtéとLISACHRISが創り出す混沌と可能性

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ!今回はMaika Loubté feat. LISACHRISをご紹介します。

刺激的で魅惑的に誘う

それぞれにアーティスト、音楽プロデューサーとして活動するMaika Loubté(マイカ・ルブテ)と、LISACHRIS(リサクリス)によるコラボEP『Hana炎』(ハナビ)がリリースされた。

LISACHRISが手がけたトラックを元に、9ヶ月にも及ぶ2人の共同作業で完成した今作の表題曲『Hana炎』。
出口のない迷路へ迷い込んでいくような妖しさと、この機を逃せばもう巡り会えない気がする刹那の輝きを纏うエキセントリックなトラックは、ままならない夏の夜の情景を思わせる。
冷たく広がるMaika Loubtéの歌声に対して、客演・鎮座DOPENESSのラップはアクティブな熱を孕んでおり、その温度差が私たちをさらに深い世界へと誘っていく。
嫌気がさすほどの夏真っ只中であろうと、それが過ぎ去った後の感傷であろうと、すべて飲み込むような混沌とした美しさを感じる一曲だ。

2曲目に収録されている『emoh』は、Maika Loubtéのカラーが滲む楽曲の上で、Maika Loubté、LISACHRIS、フィーチャリングとして迎えたlIlI(リリ)それぞれ三者三様のボーカルが混ざり合い、浮遊感ある一曲に仕上がっている。
『メトロプレイヤー』は作品の中で最も実験的な楽曲になっており、近いシーンにいながらも異質に重なる二人のアーティストの世界を覗き込むような高揚を覚えるナンバー。

エレクトリックなサウンドの更なる可能性を感じられるEPに、好奇心を刺激されずにはいられない。

Maika Loubté

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