chieが『cityscape』で描く、行き場のない感情に寄り添う唄

Review

文: DIGLE編集部  編:Kou Ishimaru 

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はchieをご紹介します。

物語の世界に引きこんで

東京を拠点に活動する3人組ロックバンド、chie。シンプルかつエモーショナルな楽曲と生活が根付いたリリックは青臭く、眩しいくらいに今を鳴らしている。

先日配信が開始された『cityscape』は、彼らにとって約3年ぶりとなるフィジカル作品。世の中の穢れに染まらない真っすぐさはそのままに、より洗練された楽曲群でバンドの進化を香らせる。
もちろん、ヤマダ カイト(Vo./Gt.)節のひとつである、“夜”に密接な歌詞も健在だ。今作では“一人”や“夢”なども頻出ワードになっており、行き場のない感情を抱えたひとりの夜に寄り添ってくれる言葉が並ぶ。かっこつけることなく綴られた歌詞は、私小説を読んでいるような感覚すらリスナーに与えていくのだ。

大人になればなるほど、心に鎧を着せてしまい素直な感情を吐き出すことが苦手になってしまうもの。そんなとき、ありのままで自分の核にある想いと向き合わせてくれるのは、chieのような存在なのかもしれない。

chie

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